ゲーム世界の最強チートな勇者vs香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(3)
その一日後、勇者は生き返った。
「なんで僕は生きているんだ……」
勇者は自分のステータスを見直してみる。
名前:香川三省
種族:人族
性別:♂
クラス:勇者(youはsh〇k)
レベル:1
HP:80000000/1000000000
MP:10/10
SP:10
STR:10
VIT:1000000000
DEX:10
MAG:10
INT:10
LACK:E
スキル:なし
状態:普通
称号:香川県民、未成年
加護:主神カーキンの加護
保有スキル:
勇者特性
VIT極振り
痛覚無効
毒無効
病気無効
危険感知
不老不死
アンチエイジング
永遠の18歳(酒禁止)
死んでも1日で復活
武術神(武神/剣神/格闘神)
軍神:(長曾我部元親クラス)
剣術:(皆伝)龍破御剣流「(経験点の)おいしさはやさしさ」
剣術:(皆伝)赤城黎明流「(剣術を)あそびましょ。」
剣術:(皆伝)夜杖真澄流「ちょこちょこ腕白。もっとアクティブ」
槍術:(皆伝)槍魂一擲流「掘りだそう、自然の力。」
盾術:(皆伝)金盾友愛流「前進!前進!前進!進!」
悪食耐性(MAX)
炎闇属性(MAX)
水光属性(MAX)
風雷属性(MAX)
土金属性(MAX)
錬金術(MAX)
鍛冶術(MAX)
木工術(MAX)
料理術(MAX)
装備:万能宝具
おそらく、これは「死んでも1日で復活」スキルが影響しているに違いない。
だいぶ日は傾いている。
勇者がトラックに轢かれたのが土曜日の午後3時。
女神の間でおよそ1時間経過したからおよそ午後4時。
そこから異世界転生し、1.5時間が経過したとするとおよそ午後5時半。
午後6時をすぎれは夜といって良いだろう。
今日が日曜だとすると今日1日は90分活動できるはずだ。
すると午後7時まで生きられるはずだ。
(何をすればよいのやら……)
怒りに任せ、万能宝具であたりを破壊しまくったせいで、半径100kmはクレーターのような状態になっている。
クレーターの先に移動するまでは、1時間50kmで走ったとしても2時間はかかるだろうか。
いやまて、じわじわ体力が減っているような気がする。
これは何故だろうか?
そして激しい頭痛がする。これは≪危険感知≫スキルによるものだ。
何事かと思って見ると、放射能によるダメージを受けていた。
そう、万能宝具にはなんと核兵器まで搭載されていたのだ。
それはダメージを受けるだろう。
だが、逃げるにしても時間が掛かる。
勇者はGMコールを再び開いた。
「(あらーん(はーと)。今日は何用?)」
女神カーキンは楽しそうな声を隠さない。
「(≪時間停止≫スキルだ! ≪時間停止≫スキルをよこせ!)」
「(あれ? そこに気づいちゃった? もうしょうがないなぁ)」
気前が良いのか、女神カーキンは、すぐに≪時間停止≫スキルを勇者に渡した。
「(それから≪瞬間移動≫スキルだな)」
「(はいはい。≪瞬間転移≫ね。でも≪瞬間転移≫は使い勝手が悪いわよ。行ったところにしかいけないし、著しく地形が変わったところにもいけないわ~)」
勇者は周囲を眺める。
そこには一面のクレーターがあった。
こいうことを著しく地形が変わるというのだろう。
「(では、≪高速移動≫スキルもくれ)」
「(はーぃ。ぽちっとな☆)」
≪時間停止≫≪瞬間転移≫≪高速移動≫の3つのスキルを得た勇者は、さっそく時間を止め、高速移動を始める。
その速度は速く、1時間でクレーターの外にでることができた。
そしてその25分後、勇者は人の住む街に到着することができた。
ファンタジーな世界の住民がいる街である。
だが、その住民は、凍り付いているように固まっていた。
≪時間停止≫の効果である。
街をみて回る。しかし全員が時間停止したかのように動かない。
そしてちょうど生き返ってから1時間30分が経過し、勇者は死んだ。
時間を停止しても香川県ネット・ゲーム依存症対策条例の効果は有効のようだーー




