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時間よ止まれ
織姫と彦星、ロミオとジュリエット。
ままならぬ恋は、どこにでもある物です。
しかし、その底には「いつかきっと」と言う思いがあるのでしょう。
遠く離れれば離れる程、たったひと時の逢瀬が愛おしく感じる。
そんな、気持ちになって頂けたら、幸いです。
貴方に会える日を指を折り数えながら、募る想いを抱きしめた。
貴方の温もりが、今はこんなに近く感じる。
何度も、夢に見た瞬間。
優しい貴方の笑顔。
もう二度と離れない。
時間よ止まれ。
やがて、互いの場所に戻らなきゃいけないから。
時間よ止まれ。
せめて、この時が永遠に。
ひと時は永遠、泡沫の夢の様。
瞬きする間に過ぎて行く。
それでも、私には充分過ぎる程の満ち足りた時間だった。
離れたくない。
別れ際の貴方が、後ろ髪引かれながら、手を振り消えていく。
時間よ止まれ。
今なら、あの人が振り向いてくれるから。
時間よ止まれ。
切なさに潰されない様に、寂しさに負けない様に、私をもう一度抱きしめて。
届かぬ想いが残されるのならば、せめて夢の中で私を抱きしめて。