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失くした未来のその先へ  作者: 夜霧
四章 ヤマの争乱
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ヤマ国侵略事件 顛末 終

次回登場人物まとめようか……

人数多すぎて面倒になってきたからそのまま次章行くかも

欲しいです?

 

「はぁ……それで、結局ユウマはまだ見つからないんだな?」

「そうですね、まぁギリスロンドにはアイザックさんのチームに加えてクロエ達が行くので問題ないでしょう。とりあえずシオン、このピリピリした空気……何とかなりません?」

「……無理だな。むしろお前がここまで無神経だとは思わなかった」

「いやいや、俺も耐えたんですよ?でも流石にもう限界です。何とかしてください」

「だ、か、ら!無理だって言ってんだろ!?」

 ここはギル・フレイヤ帝国、帝都にある魔導師団本部の客間。


 集まったのはシオン、アルバート、ドロシー、それとメル、ウィリアム。

 そして最後にやってきたソウジが空気を読まずにヤマ国侵略事件の顛末を語っていたのだった。


「んん。えー、まずはドロシーさん。生きててくれてありがとう」

「いや~、あれは死ぬかと思ったね?でもまた会えて嬉しいよ、ソウジ先生?」

 ここの空気感はむしろ良い、問題はそれ以外だった。


「……」

「ソウジ君?生徒の管理はちゃーんとして欲しかったなぁ?」

「……いやぁ、もう俺、先生じゃないですし?生徒も学校から離れて外の世界へ羽ばたいていったから……管轄外です」

 ウィリアムは黙りこくってずっとムスッとした不機嫌顔、メルはと言うとソウジとドロシーに圧をかけていた。


 しかし、この空気を産む原因となったに等しい人物が動いた。

 アルバートが机を叩きながら立ち上がったのだ。


「……二人が俺の親……母さんと父さん……で良いのか?」

「……あぁ」

「うん、こんな形でバレちゃうとは思わなかったけどそうだよ」

 状況次第で二人はまだしらばっくれるつもりだった。

 しかし、そうするにはあまりに状況が悪い。


 ドロシーから力不足の烙印を押され、兄であるシオンは二人が親であることを認めたも同然、誤魔化すには否定材料が少なすぎる。


「なんで……なんで俺を捨てたんだ?」

「アルバート、だからそれは違うとこの前っ」

「はいはい、そこまで!シオン君、とりあえず勇者君の記憶を戻さない?話はそれからでも良いと思うんだ」

「……分かった」

「なんで部外者が仕切ってるのかなぁ。でもこうややこしくなっちゃったら記憶を戻して貰った方が早いかな、さんせー」

「俺も異論はない」

 全員一致でアルバートの記憶を戻すことが決定し、その準備のために一度ドロシーが離席した。


「ねぇ、シオン君。私はどうもあの魔女さん信用できないんだけど……大丈夫なの?」

「あぁ、俺が保証する。何か問題が起こったら俺が斬る」

「ふーん……じゃあいっか。ソウジ君、話すことは終わったんでしょ?君もギリスロンドに行ってきたら?」

 早く探しに行きたいんでしょ?と言いたげだったがメルの目は違うことを語っていた。

『早く出てけ、一家団欒の邪魔をするな』、と


「はいはい、邪魔者は去りますよ。俺は別件があるのでギリスロンドには行きませんがね」

「なんでだ?クロエも喜ぶだろ」

 ソウジの事が好きすぎる彼女がソウジと一緒の任務が与えられたとなれそるはもう大喜びで普段の倍以上の成果を上げるだろう。

 しかし、ソウジはクロエが冒険者ギルドに来て以来、片手に入る程度しか一緒に任務に向かったことがない。



「行きませんよ。彼女は……俺の犯した大罪の象徴ですから」







「陛下!魔導師団の残りの幹部達の所在が分かりました!」

「あー?どうした、死んでたか?」

「はい……我が国の近郊で……三名全員です。近くにこれが」

「これは……ふーん、今動くか。面倒だなぁ……それより新しい幹部の任命もしないと……全く、忙しいことこの上ない」

 頭を掻きむしりながらも報告してきた大臣に見えないように少し笑みを浮かべる。


(あの特殊な赤い雷の魔力……雷龍神が動いたかっ!)

 正直アインは遠征に出していた魔導師達に興味がなかった。

 それよりも龍としての姿を殆ど見せず、放浪してると言われる雷龍神の手がかりを入手出来たことの方が喜ばしい出来事だった。


(所詮魔導師団の幹部は手元にいる人間、ジェストとクルスと……あとロイが居れば問題ない)

 その三人以外の幹部はしょっちゅう殉職や実力不足による自主退職によって入れ替わる。

 理想メンバーだったときはもう随分と前だ。


(ドロシー、ソウジの二人が居たときは……いや、もう絶対にあの二人はこの帝国の駒になることはない)


「そうだ、ネウセン。お前は魔導師団の幹部の席に興味はないか?」

「い、いえ、私は文官ですので戦いの場には……」

「だよなぁ……、困った困った」

 ともあれ犠牲になった人間、幹部三名の補填と仕事は増える一方。

 肘掛けに腕を立て、その上に顎を乗せて名案が考え付くのを待った。







 夜も更け、喧騒に包まれていた街並みも戦後の後遺症か、すっかり寝静まった街を見下ろす。


「はぁ……、この世界は面倒だ。数ある世界の中でも多分、恐らく、とんでもなく面倒なパターンだ。私のパラレルワールド論、その中でもここまでギル・フレイヤが虐められる世界線は珍しいのでは?どうも皆さん、こんばんは、私です」


「いや、犠牲者的にはコーネリアのみで済んでマシだったのではないか?と思っています、はい。……ま、前回は彼女、終幕まで死ななかったんですけどね?」


「ユウマ・エクスベルク。彼を歴史通り死なせようとする因果がとんでもなく強い。正史ではまだまだメインを張る立場じゃないのに最後に死んでしまい、この世界が出来る原因となったばかりに……哀れな事で」


「ま、抗う力もそれに負けないぐらい強い。彼自身もそうだが彼の周りの人間が特に……ね」


「それでは、次なる舞台は今まで謎が多かった西の大陸『ギリスロンド』。ちょっとだけお見せしましょうか?……神器解放『歴史を記す禁断書(アカシック・レコーズ)』」



『エルとはエルフの純血種にのみ許された名だ。俺はここ数百年で産まれた純血種の名前を覚えてるがドロシーという名に記憶はない』

『太陽と死神が僕の道を切り開く……か』

『コードネーム『死神』刈り取ってやるぜ!』

『くっくっく、面白い!私を止めてみろっ!!』

『セレスは呪われてるのです。近寄ったらセレスの中にいるもう一人のセレスに殺されちゃいます』


『運命が重なる先に君の目的と僕の目的が達成される未来がある。僕と共に、この運命を歩んでみないか?』



 

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