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失くした未来のその先へ  作者: 夜霧
四章 ヤマの争乱
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闇夜の絶対強者

最強主人公っていいよね、残念ながらソウジ君は準主人公って感じだけど

 

「正直、今貴方と敵対するつもりはない。最低限の用事は済ませたから逃げさせて貰う」

「『葬曲剣』第一番、『追葬曲カノン』」

「っ!!容赦無しですかっ!?」

 リュートの目には一本しか黒い剣閃は見えなかったがヴィルマが二度剣を振るい、どちらも弾いた音がしたことから瞬時に二本の剣閃を生み出す技だと理解した。


「不思議ですか?それは当然。こんな技初見じゃ誰も防げまい!」

「……堕天使の所に居たのか」

「えぇ、貴方に遭遇するのは出来る限り避けたかったですから。……結果的にこの状況ですが」

「…『ダーク・ギガランス』、『三重葬(トリオ)』」

「ちょっとは話を聞いてくれても良いんですよ!?」

「煩い、面倒だからさっさと消えろ」

 最上級闇魔術を一気に三つ展開し、ヴィルマの回避先を潰すようにあちこちに放つ。


「望み通り消えさせて貰うっ!…『白龍神の幻光』!……転移ができない?」

「何だ知らないのか?今この場は『闇の帳』が二重に張られている。一枚だけなら直接移動を阻むだけだが二重に張ると空間移動も阻むことができる。一つ勉強になったな?」

「……なるほど、そんな裏技があったことは確かに知らなかったですね」

 リュートにはとても信じられない内容の会話が繰り広げられる。

 これほど広い空間を『闇の帳』……その前の段階の『空間断絶』で覆うだけでも馬鹿みたいな量の魔力を消耗する。

 それをこともあろうに二重に重ねて空間転移も妨害してると言う。


(ありえねぇ……、何なんだこの人は!?)


「じゃあこっちも見たことあるか?第二番『狂死曲(ラプソディア)』」

「勿論、ですからこっちは変化する前に潰っ!?」

 ヴィルマはソウジが飛ばした剣閃に向かって突っ込み迎え撃つように剣を振るうが剣閃はそれを避けて通りすぎ、背中側から再び襲った。

 ギリギリ剣で受け止めはしたが額には汗が滲んでいた。


「読みが甘い。本当に白龍神の『先詠みの神眼』を持っているのか?」

「……生憎と色々弄ってても私は人間なのでねぇ。それを常に使っていると負担が大きすぎるんですよ」

「そうか、合点がいった。勇者がここに居ない事を読めなかった点もな」

「くっくっく、こちらも感謝しますよ。支配者となって越えるべき壁が分かった。今はそれでいい」

「言っておくが、お前はここで終わる」

「そうはいかないなぁ!?トリン!!」

 ヴィルマが大声で知らない人物の名前を叫ぶと同時に『闇の帳』の外側から何かがぶつけられ、パリンッと壊れた音がした。


「ではさようなら!近い内に私は貴方を越える!『白龍神の幻光』!!」

 そう言い残しヴィルマは光に包まれ、何処かへ消え去った。


「……勇者魔術か。また面倒な物を……」

「ソウジさんっ!!親父とユウマが!!」

「……あぁ、少し黙っていろ。何とかしてやる……片方はな」

 最後の一言は聞こえなかったがソウジは二人の命を何とかできると言う。

 リュートはその言葉を信じる以外道はなかった。


「ゼログウィン、あぁ、分かってる、面倒なことにな。だからまずそっちを蘇生するから怠惰(アケーディア)から魔力引っ張ってこい。…生死よ巻き戻れ、『リバイバル』」

 焼け焦げた肉体が紫色の魔力に包まれ、その魔力が消え去った後には鎧は戻らなかったがそれ以外の身体的外傷が全て消えたリュウマが現れた。


「親父!」

「うっ……私は死んだ筈……何故まだこの場に居る……?」

「生き返ってすぐの所悪いが選択の時だ。三分で選べ」

 禍々しい雰囲気に包まれた刀がリュウマへ向けられる。


「ここでもう一度死んで息子を生き返らせるか。生き恥を晒してこれからもこの世に居座るか。二つに一つだ」


 

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