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失くした未来のその先へ  作者: 夜霧
四章 ヤマの争乱
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堕天使VSソウジ

準主人公さん、何話ぶりの登場だろうか・・・?

 主観者 ライル・ギルティブレン




「ふぅーっ!終わった終わったー!」

「お疲れ様です、陛下」

「ん、マルクもお疲れさん!」

 あの後消えたヴィルマを探したが結局ペトラが相手をしていた偽物しか見つからなかった。

 そしてそれも既に倒され、今にも消滅しそうな状態だった。


「なかなか歯応えのある相手だったよ。多分本体はもっと強かったんだろうな」

「本体には俺の奥の手も通じなかったからなぁ‥‥‥まぁまた新しい魔術でも考えるか!」

 ペトラは大した怪我もせずに分身体との戦いを終えていた。

 騎士長の中でも唯一の女性だというのに一番活躍していたかもしれない。


「まぁ無事に終わってよかったなぁー」

「あたしはまだ動き足りないねぇ。やっぱりあの男と戦いたかった」

「お、後で俺と模擬戦でもしようか?」

「良いのかい?あたしも王さまの強さは気になってたんだよ」

「俺のことはライルでいいぜ。ペトラさん」

「じゃああたしのことも呼び捨てにしな」

 二人は戦争の後だというのにまだ戦う気があるようだ。

 わりと相性が良いのかもしれない。


「はぁ‥‥‥まぁ二人ともあんまり大怪我しないでくださいよ?」

「おう!」「はいよ!」

 相変わらずマルクは苦労人だった。







 主観者 ソウジ・クロスヴェルド




「爆散しろ!!」

「ちっ!めんどくせぇ‥‥‥!」

 堕天使が空中から黒い羽に炎を纏わせ、ソウジの周囲に降り注がせる。

 全て刀で打ち落とすのは至難の技のため、動き回って回避し続ける。


「‥‥『ダーク・メガランス』!!」

「ハッ、遅い遅い!」

 闇の槍をソウジが放ち、それを堕天使は軽々と避ける。

 しかし、


「‥‥‥何処だ?」

 堕天使はソウジを見失う。

 回避のためにわざわざ一回転した隙にソウジは何処かへ隠れた。


「下にいないなら‥‥‥上か!」

 堕天使が上を見上げると既に目の前に黒い刀身が迫っていた。


「小癪な!」

「とりあえず下に落ちやが、れぇ!!」

 闇属性を纏った刀は堕天使の咄嗟の降下と動きによって黒い翼に阻まれる。


「押し切れぇぇ!!」

「ぐっ!おのれぇぇ!!」

 力と力、魔力と魔力での勝負が続く


「なっ!?」

「フンッ、落ちるのはお前だけだ!」

 そして競り合いの中先に限界が来たのはソウジ‥‥‥ではなくソウジが振るう刀だった。


 刀身が翼との接触面から砕け、ソウジの体がその勢いのまま回転し、落下する。

 そして次に堕天使の方向を見た時には火を纏った大量の羽がソウジへと降り注ごうとしていた。


「空中なら身動きはとれまい。終わりだ」

「っ!」

 堕天使は挙げた手を下ろして一斉に羽を飛ばし、全て寸分(たが)わずソウジへと命中させ、連続で爆音が響く。




「‥‥‥死んだか」

 落ちていくソウジらしき影を追い、それに落下点から数メートル離れた位置へと堕天使は降り立った。

 それから数秒待ったが立ち上がる気配はない。


「他愛ない‥‥‥こんな人間ヤツに今までラピス達は手こずっていたのか‥‥‥」

 死んだと確信した堕天使は背を向け、ヤマの国中心部へと向かった残りの人間を殺しにいこうと歩き始める。


「‥‥『ダーク・ギガバースト』!!」

「何っ!」

 すると突如として背後から最上級闇魔術が放たれた。

 声に素早く反応し、避けたが堕天使は驚きを隠せない。


「あーあ、黒龍神の素材で作ったコートと刀が台無しだ‥‥‥まぁ両方とも強度を少し落とした代わりに再生するように加工してあるからいいか」

「貴様‥‥‥あれだけの数の羽を受けて無傷か‥‥‥」

「いや、ダメージ自体はある。大部分の衝撃はこのコートが吸ってくれたけどな」

 ボロボロになった黒コートと中程から折れた刀を手にソウジは堕天使が立つ方向へと歩みを進める。

 だが中の灰色のインナーにはあまり汚れは付いていなかった。


「てめぇは本気でる。えぇっと‥‥‥名前言ってたか?」

 空間収納から新たに太刀を取り出しながらソウジは堕天使に問いかける。


「それを聞かれても俺は『貴様に名乗る名などない』、と言おうと思っていたが気が変わった。冥土の土産に俺の名、ラズルを持たせてやる」

「そいつはどうも。だけど死ぬのはそっちだ」

「それはやってみての、お楽しみだっ!」

 その言葉を言い放ちながらラズルは翼を広げ、ソウジへ斬りかかる。

 その剣を受け流し、その勢いを加えた剣閃を放つがラズルも負けじとそれを空に飛び上がり、避ける。


「‥‥降り注げ!!」

「‥‥『ダーク・ディビジョン・メガバースト』!!」

 黒い羽の雨と拡散する闇魔術が互いを打ち消し合い、少しの間お互いが見えない状況となった。


(闇魔術全開‥‥‥!これで死んでくれよ?)

 ソウジは自分の残りの魔力のほぼ全てを太刀に注ぎ込み、朝日を反射する銀色の刀身が漆黒に染まる。

 そしてどちらも考えていることは同じだった。


「これで終わらせる‥‥‥」

 空の上でラズルも自身が一番得意とする火属性の魔術を剣に宿しつつソウジが姿を現すのを待つ。


 そして二人の視界を遮るものがなくなり、お互い相手の位置を認識した時、二人の距離は一瞬で埋まった。


「これで終わりだぁぁ!!」

「灰塵に帰せ!!」

 爆炎と闇が互いを喰らわんと二人の間で弾け合う。

 その影響でそれを扱う二人にも細かい傷が増えていく。


 そして一地点に魔力が集中すると何が起きるか。

 答えは簡単。


 溜め込まれた魔力が行き場に迷い、暴走し

 最後には周囲を巻き込んで魔力災害が引き起こされる。


 今回の場合は火属性が含まれているため‥‥‥


 ソウジ、ラズルの二人を巻き込んでその魔力は爆発し、それは周囲五十メートルを呑み込んだ。

 

ソウジ君が開発したディビジョン系の魔術。

ようは幽○白書の霊○弾みたいな感じ(放射状に広がり、近距離ほど威力が高い)

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