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失くした未来のその先へ  作者: 夜霧
一章 ギルドを目指して
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緊急召集

アリシアさんのファミリーネームを少し変更

ツヴァイスナ→ツヴァイという変更をしました

まぁそんなに気にしなくて良いです

 主観者 ゾディア・リベリオ




  さて、 今日中にトラスのギルド本部に着けるように今日はクロを急かしますかぁ。


「今日中にギルド本部に向かいますよ。ユウマ」

「俺は元々一ヶ月以上はかかると思ってたんだが‥‥‥常識外れの早さだな」

「良い誤算じゃないですか。早く冒険者になれるんですから」

「まぁな」

  さて、街からある程度離れたからクロを召喚しますか。


「さて、じゃあクロ。出てき『ビーー!!!』‥‥‥て?」

  懐で何かが振動しながら警告音をならしている。

  これは緊急連絡ですね。


「ゾディア。この音はなんだ?」

「あー、何か非常事態みたいですね。AランクとSランクにはたまに緊急召集があるんですよ。まぁ俺はユウマを送り届けるという用事があるので断ろうと思いますが」

  新人勧誘も重要な仕事なんでね。と付け加えて言う。


「あー、もしもし?何事ですか?ギルドマスター」

『おお、出てくれたか!すまないこれから聖魔の古戦場に向かってくれないかのう』

  相手はギルドマスターのゲンイチロウ・クジョウ。名前で分かる通りヤマの国出身です。

  現役時代には最恐と恐れられ、一線を退いた今でも並みのAランク以上の実力を持つと言われています。

  年齢は‥‥‥いったい何歳なんでしょう?聞いたことがありません。


「こちらは新人をギルド本部まで護衛してる最中なんですが‥‥‥アリシアさんとかそちらにいないんですか?」

『アリシア君ならもうヤマの国の方に戻っておるよ。予備戦力で残っているミスティア君は今睡眠時間中じゃ』

「あー、ミスティアさんか‥‥‥それは起こすのは得策じゃないですね」

  寝ているという人物はミスティア・ サクローネ。

「鈴のしらべ」の一員で、訳あって寝ていることが多いがちゃんとギルド本部の守護という仕事をしている人です。

  例え「鈴のしらべ」が調査に行くとしても滅多に外にも出ない。

  よってそのまま『眠りの魔女』と言う二つ名をつけられてます。


「あー、それじゃあ切りますね。俺は忙しいので他に頼んでくださいね、それじゃ『ちょ、ちょっと待つのじゃ!』ぁ」

  ダメでしたか。一体どんな状況になってるのやら。


「Aランクになったばかりの期待の新星が襲われているとしてもそちらを優先するのかのう!?』

『期待の新星‥‥‥あー、そうなりますか」

  ちょうどAランクになったばかりの人物を一人思い付きました。

  それも助けるだけの理由がある人物を。


「リュート君ですか」

『そうじゃ、聖魔の古戦場に武器に使う鉱石を採掘しに行っておるようでのう。黒い馬に乗った黒い鎧を纏う魔人に襲われているそうじゃ』

「あー、色が反対ですけど最悪の事態だととんでもない人物が魔人化しましたね」

  しょうがない、ユウマの精神衛生上リュート君に死なれても困りますからね。


「分かりました。すぐに向かいます」

『早急に頼んだよ、最悪討伐は後回しじゃ』

  それで通信は切れた。


「‥‥‥リュート兄さんがどうした?」

  まぁ聞いてましたよね。正直に話しますか。


「あなたの兄さんがトラス中立国の聖魔の古戦場にて魔人と遭遇。付近のAまたはSランクの冒険者を探したところ俺が一番近かったので討伐または撃退の任務が言い渡されました」

「聖魔の古戦場って千年前に魔人王と当時最強と言われた聖騎士王が戦いどちらも姿を消したといわれているところか?」

「おお、よく知ってましたね。そうですよ」

「ということはその二人のどちらかが現れた‥‥‥ってことだよな?」

「えぇ、本当なら間違いなく災厄級でしょうね」

  まぁ答えは分かってるけど一応聞いておきますか。


「一緒に行きます?」

「当然だ」

「即答ですか」

  思わず苦笑いをしてしまった。


「聞いてますよね、クロ?全速力で行きますよ」

「主の望みのままに」

  影からクロが出てきたので背に乗り、二人と一匹は聖魔の古戦場に向かった。




 主観者 リュート・エクスベルク




「なんだよ、なんなんだよ!あの魔人!」

  ここはトラス南東にある800メートル級の山であるラミティざんの頂上にあるカルデラ地帯。

  通称『聖魔の古戦場』だ。

  千年前に魔人王と聖騎士王が戦った結果、特殊な魔力の力場のようなものが出来てしまい、それによって岩山が多数生み出され続けており、そこから貴重な鉱石などが取れる。そして天気はほぼ曇天である。

  今日は珍しく雨は降っていない。

  しかし相変わらず空は雲で覆われており、雷は鳴っている。


  ここでただ採掘してただけの俺達の前に急に黒い雷が落ちてきてその場所に頭が揺らめく煙のようなもので構成されている魔人が黒い馬に乗って現れた。


「リュート!あれ間違いなく災厄級だよな!?」

「多分そうだろうな、でもギルドに救援を送ったから多分すぐにSランクの誰かが来てくれるはずだ!」

「あはは、それまで私達生きていられるかな‥‥‥」

「しっかりしろエリン!泣きたいのはみんな同じだ!」

  仲間たちは不安でいっぱいだろう。かくいう俺もさすがに焦っている。

(ていうかまだユウマにAランクになったことを自慢してねぇのに死ねるかよ!)

「いつまで逃げている?」

  正面の岩山が砕け、そこからあの魔人が現れた。その手には長く細いツヴァイヘンダーと呼ばれる種類の剣が握られていた。

(どうやったらあの細身の剣で岩山をぶっ壊せるんだよ!?)

 めちゃくちゃすぎる。だが


「俺は死ぬわけにはいかないからなぁ!簡単に蹴散らせると思うなよ!?」

  右手に俺の二つ名の由縁の一つである炎のように波打つ剣フランベルジュを構え、左手は得意の炎魔術の発動準備をした。


「ふっ、その心意気は良い。この聖騎士王、ヘクト・ギルティブレンが相手になろう!」

  ‥‥‥は?

(千年前に魔人王と張り合った化け物が相手かよ)

  しかも魔人化してるとなると勝てるわけがない。

 

  誰か‥‥‥俺達が死ぬ前に来てくれ‥‥‥


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