0日目
初めまして、アレキサンドライトと申します。あらすじにも書きました通り、基本的に死人の出ない、人狼ゲームをする姿を描いた小説になります。拙い面もあるかと思いますが、暖かい目で見守っていただければ幸いです。人狼ゲームの基本的なルールや用語については、後の話で解説予定です。
-泣く子も黙る丑三つ時。シン、と静まった真夜中。
普通の人間ならとっくに就寝しているはずのこの時間帯、とある部屋にて時折奇妙な声が響いていた。
カチャカチャ、カチャ。
「…私はあの日、あなたを殺そうだなんて、全く思っていなかったわ。投票履歴を確認してちょうだい。」
カチャカチャ。
「ね?私の言っていることは正しかったでしょ?つまり私は人間なの。今日処刑されるべきは私じゃない、一昨日からあなたに投票し続けていた彼の方よ。」
カチャ、カチャカチャ。
「そうそう、あなたが今まで生き残っていたのは、ミスリードさせられていたから。でもね、」
カチャカチャ
「ようやくたどりついたのよ、私達。彼こそが“人狼”よ!」
カチャカチャ、カチャカチャ
「さあ、一緒に彼に投票しましょう。そして、平和な朝を迎えるのよ!」
カチャカチャ、ターン
一瞬の間の後、小さく銃声が鳴り響いた。直後、おどろおどろしいBGMが流れ始める。
「やった、やった!」
声の主は小さいながらも歓喜に満ちた声を挙げた。
「さあて、なんとかうまいこと騙してやったわ…これで私達の勝ち。今日は誰を襲っちゃおうかなぁ」
くすり、と笑った声の主はそのまま、今夜の犠牲者選びを開始した。
数十秒後、低い男性の声が告げた。
「人狼陣営の勝利です」
「あの状況から逆転してやったわ、超嬉しい!」
深夜にも関わらず、声の主は思わず声を上げて喜んだ。
「よし、これなら勝てる!見ていなさい人狼部の奴ら!明日こそはぎゃふんと言わせてあげるんだからね!」
声の主はニヤリと微笑んだ。