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もしかして、あなたが私の熱い想いに気が付いてくれないのは、それもまたその女のせいなの?
何も見えないように、目隠しされてしまっているの?
許せないわね。許せないわね。許せないわね。許したら、いけないわね……!
それじゃあ、私には何ができるのって?
そんなことはもう決まっているじゃない。
穢れた女を、清らかなあなたから引き剥がすことよ。
どうにかしてその目的を達したとして、けれどもその穢れがあなたの中に残ってしまったらば、私はどうしようかしら。
見守っているだけが私の仕事なのだけれど、その場合に限ってすれば、救うためだもの仕方がないかしら。
私じゃなくちゃ、きっとあなたは救えないのだものね。
鈍感な心につけいって、あなたを騙そうとして、隙あらばあなたに牙を剥くのね。
そんな女をあなたに近付けさせてしまったわたしの責任もあるのだもの、絶対に排除してみせるわ。
きっとあなたを助けてみせるから、待っていてね。
たとえ、私があの女を消したとしても、必ずしもあなたの視界に私が映り込むわけではないわ。
あなたが私を見てくれるようになるというわけでは、決してないの。
そうだったとしても、自分のためではなくて、あくまであなたのために動いている私からしてみれば、残念がるようなことではなかったわ。
それがあなたのことを想うというわけだとも、私はきちんと弁えているのだもの。
あなたの瞳からあの女という穢れが消えるのだったら、あの綺麗な瞳が戻って来てくれるのだったら、それなら私は構わないわ。
私なんて、あなたの瞳に映っていなくたっていいの。
むしろ何も映さない、綺麗な瞳を持ったあなたに戻ってもらいたい。
そのために私は支えたい。
あなたが私を拒むことだって、大いに結構よ。
気付かれないところで、陰で支えるべきなのが、あなたを想うということだものね?
いつかあなたもそのことに気が付いたとき、私に気が付いてくれる。
結局、報われるのは私なんだからね!