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妹との会話

今日自分の通っている高校がお休みなんですよね…

なんか校長の誕生日だからってことらしい。

いやまあとてもありがたいんですけどね!


というわけで、今日は3つほど投稿しちゃいたいと思います。

その一つめです。


画面が真っ黒になるのを待って、かぶっているヘッドギアをはずす。


「現実世界に帰ってきたのか」


なんかふわふわした、落ち着かない気持ちだ。

さっきまでいたゲームのなかの世界から、また別のゲームの世界に来たような気分だ。


勉強机の上に置いてあるスマホを手に取る。

スマホを操作してニューワールドオンラインの攻略板を開き、気になる記事がないかチェックした。

どうやら正式スタートからβテストの時には無かった新しいコンテンツが実装されたみたいだ。


どの掲示板も検証勢やその記事を読みたい人で賑わっていた。


画面を下にスクロールしていく。


『早くも剣スキルレベルマ達成者あらわる!』


『悲報:受付嬢に告白してみた結果』


『町の南東で畑が実装!』


え、受付嬢って、冒険者ギルドの受付嬢だよね!

4、5人いたからどの人に告白したのか知らんが、タイトルから推測しておそらく振られたのだろう…

よく分からんが、結構盛り上がっていた。


「へぇー、それにしても畑なんかあるのか」


掲示板の記事によると、その畑は誰でも買えるらしいが、ひとつの畑を買うのに最低でも2000Gかかるそうだ。

また、畑を買うごとに値段がどんどん上がっていくらしい。

お金をたくさん持っている人たちの独占を禁止するためだろうか。


調合のスキルを持っているプレイヤーにとって、薬草や霊草を育てることができる畑はとても便利である。

だが、デメリットとして肥料や堆肥も実質買うことが必要であり、また薬草などの生育に栽培スキルが必要なので畑を買う人はあんまりいないだろう、とのこと。


「フィールドに採取しに行かなくても良くなるのか!将来的に絶対欲しいなこれ…」


戦闘系スキルが火属性魔法のひとつしかない自分にとっては、とても都合のいいものだった。


その後もうしばらく掲示板を見たところで、二階にいる妹から自分をよぶ声がかかった。

どうやら夕食ができたみたいだ。


スマホを充電器にぶっさして、階段をのぼって2階に上がる。



居間にある食卓には、二人分のチャーハンと1つのお皿に山のように盛られたお肉と野菜の炒め物が用意してあった。

とてもおいしそうである。


「おにい。時間なくて簡単なものしか作れなくて、ごめんね?」


「いや全然。すごくおいしそうだよ。」


自分の妹である高野理央は、共働きで夜遅くまで帰ってこない両親の代わりに毎日晩ごはんを作ってくれる。


そんな妹は、県内の中高一貫の中学校に通う、気配りのできる可愛らしい中学3年生だ。

いつもごはんをつくってくれる妹が学校から帰ってくる前に、妹の代わりに自分がごはんをつくってみたことがあるが、


「おにい。もう絶対料理はしなくていいからね!

私のことを思うならなおさらだよ?」


あんまり好評ではなかったみたいだ。

自分としては普通に食べられたのだが、逆に理央に諭されるように言われては何も言えなかった。

それ以来ずっと、晩ごはん作りを理央に任せてしまっている。

本当にありがたい限りだ。


「そういえばおにい。新しいゲームはどう?」


妹が肉と野菜の炒め物をお皿にうつしながら言った。


「あー、NWOのこと?

目新しいことでいっぱいだったよ。」


「あ、そう?じゃあ楽しめたのね。

ちなみにどんなスキルをとってるの?」


「自分は生産がメインだから、鑑定とか採取とか、あとは調合かな。あとはそれの補助…

といっても理央はやってないから分かんないか」


「いやそれがねー、そのゲームにかなり詳しい友達がいるんだよねー。だからスキルとかならだいたい分かるんだよねー。」


「へぇ、そうだったのか。じゃあ理央もNWOやってみないか?

結構おもしろいよあのゲーム。」


「まあ考えてみるね。それにしてもやっぱり生産職かー。調合スキルをとるなんて、おにいらしいね?

 …私と考えることはだいたい一緒なのね…」


「ん、最後なんか言った?」


「いや何も。気のせいじゃない?」


いくつかの、ゲームに関する情報を二人で話した終わったところで妹との会話は終了し、食べ終わった食器を重ねてキッチンまで持っていく。


一階へ降りて歯磨きを済ませ、お風呂に入ってさっぱりしたあと、パジャマに着替えて再び自分の部屋にこもる。


「理央があんなにNWOに詳しいのは意外だったけど、新しい情報を知れて良かったな」


妹よ、ありがとう!


自分のベッドに入って、ゲーム中に風邪をひかないように腰ぐらいまで布団をかぶせる。

一度深呼吸してから、黒いヘッドギアをしっかりと頭にかぶった。


「さあログインだ!」













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