始まりの町ファストその1
投稿する時間が遅くなってすいません!
チュートリアルをサクッと終わらせて、どこかに転送されたと思ったら、周りには見知らぬ景色が広がっていた。
「まあ当たり前か」
まず目に入ってきたのは広い大通りだった。
中世ヨーロッパ風の石畳が奥にある大きな建物までずーっと続いていて、色んな格好の人々がその通りを行き交っていた。
ここからだいたい200メートルくらいだろうか。例の大きな建物の正面まで、木造家屋の三角屋根が大通りの両側に規則正しくかつびっしりと並んでいる。
少し周りを見回すと、今いるところが開けた場所であることが分かった。
「ひとまずステータスを確認してみようかな」
とりあえず近くのベンチまで移動して腰かける。
触ったときの木の感触。
薄く黒がかったベンチの茶色。
こうしてみると、この世界が作られたゲームではなくていつもの現実世界にいるように感じられる。
「ステータス、オープン!」
名前/タカトモ 性別/男
レベル/1
スキル/[鑑定Lv1] [採取Lv1] [調合Lv1] [生産の心得Lv1] [鷹の目Lv1] [俊足Lv1] [隠蔽Lv1] [火属性魔法Lv1]
控えスキル/なし
装備/駆け出しの服 駆け出しのズボン 駆け出しの靴 初心者の杖
所持品/下級回復ポーション×5 初級調合キット 始まりの町ファストの地図
所持金/3000G
称号/なし
現在地/始まりの町ファスト 中央広場
「へぇ、こういう風に表示されるのか」
これからどこへ向かおうか。
ステータスに間違いがないのも確認したし、お金を稼ぐために薬草とか採取系のアイテムを探しに行こうか。
所持品にあったこの町の地図を取り出してみる。
今いる場所が中央広場で、この場所を起点として東西南北に道があるのが分かった。
地図によると、北には草原が広がっていて、モンスターもレベルが低く採取ポイントも多いため、初心者は大抵そこにいくそうだ。
東と西にはそれぞれ森があって、比較的レベルの高いモンスターがいるようで、最後に南にはいくつか小高い山があり、かなり強いモンスターがいる上級者がいくところだそう。
ちなみにログインしたときに見た奥にあった大きな建物は冒険者ギルドだったようだ。
冒険者は皆そこでクエストを受注したり、達成したクエストの報告と報酬受け取りをするらしい。
「じゃあとりあえず北に向かおうかな」
広場を発って北へ向かう。
少し歩いて大きな北門をくぐると、そこには草原が広がっていた。
「早速モンスター発見!」
記念すべき第一モンスターは白いウサギだった。
鑑定してみると
ホワイトラビット Lv2
「って名前そのままだな!」
つい突っ込んでしまった。
簡単には倒せそうだが、面倒そうなので回避!
もう少し奥に進むと大きな樹があって、その根っこののころに採取ポイントがあった。
「結構簡単には見つかるものだな…」
早速採取してみる。
名称/薬草
レア度/1 品質/★2
効能/HPが5回復する。 クーリングタイム5分
特徴/すごく苦い
「名前も効果もそのまま薬草だな…
この調子でたくさん集めるか!」
周りにモンスターがいないか、[遠視]を使って注意しながら採取ポイントを探す。
今は昼間だからであろうか、遠くの採取ポイントがあるのもはっきりと分かる。
何人かの剣を持ったプレイヤーがホワイトラビットを狩っているのをたまに見かけた。
乱獲されるウサギ…
モンスターを避けながら採取を続けて1時間くらいたった頃、そろそろいいかなと思って数を数えてみる。
「薬草が37本に霊草が13本かー」
これは多いのか、それとも少ないのだろうか。
「それにても2種類しか採取できないとは…
まあ、とりあえず町に帰って冒険者ギルドに行ってみようかな。
でもその前に、モンスターを一匹倒してみるか!」
周りを見回して、ポツンとひとりたたずんでいるホワイトラビットを見つけた。
「よし、あいつにしよう!
火属性魔法をつかって先制攻撃だ!」
火属性魔法のLv1で使えるのはファイアーの1つだけである。
今更だけど攻撃手段がこれしかないってちょっと不安だな…
「ファイアーボール!」
ウサギが向いてる方向の、裏へまわる。
かざした手のひらから放たれた火の玉はウサギに向かって吸い込まれていく!
ウサギに火がついた!15のダメージ!
「あれっ、以外と弱い…?」
火が体の毛に燃えてるのを気にせずにこっちに向かってくるウサギをかわす。
かわしながらファイアボールを当てること6回。
ついにウサギが倒れた。
「ドロップはウサギの肉が2つと毛皮が1つか」
モンスターとの初戦闘は難なく終えることができた。
この調子なら今後も見つけたら倒していくか。
「さあ町に帰ろう!」
もと来た道を戻りながら再びファストへ向かう。