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火精霊との出会いその2


タイトルを変えようと思うものの、いいのが思い付かない…


本日2回目の投稿!

今の状況を整理しよう。



転移ポータルに触れようとする自分。


自分にしがみついて離れない幼女。


幼女を引き剥がそうと焦ってる女神。可愛い。


「とりあえずその手を放してもらってもいい?」


「や。」


そんな膨れっ面しても俺には効かないぞ!

幼女の説得を試みる。


「この指輪はね、凄い人からもらった大事な指輪だからどうしてもあげれないんだ」


「そうなんだ。分かった」


「えっ、うん」


そんなにあっさりなのか。

逆にびっくりだよ。


「…?」


あれ?納得したんじゃないの?

数秒待ったけど抱きつかれたままだ。



「じゃあ離してもらってもいいかな?」


「や。」


ええ…


「なんか離れたくない」


「そっかー…」


じゃあしょうがないね!


自分のお腹にくっつく形で、上目遣いをしてくる幼女。

さっきの女神と髪の毛の色が一緒なのは親子だからだろうか。


「これもなにかのクエストなのかな…?」


NWOはVRゲームの中でも特にプレイヤーの自由度が高いゲームだ。

武器を作る際にもちょっとした思い付きの工夫をすることで、武器の完成度が上がったりする。



「ルビー、あまり迷惑かけちゃダメよ」


もはや諦めたのか、優しく彼女を諭す女神。

その顔には少し疲れが浮かんでいるような。


「この娘、いつもこんな感じなんですか?」


「はい…。でも初対面の人にこれだけなついたのは初めてかもしれません。」


あーこの人苦労してるんだなぁ…


「じゃあそろそろ町に戻りますね」


幼女、もといルビーの顔を見る。


「離してもらってもいいかな?」 


「や!私もついてく!」


「えっ」


今何て言ったこの娘。

結構思いきった発言したぞ。


「子供は知らない人についてっちゃいけません、って習わなかったの?」


「?」


首をかしげるルビー。

さいですか。


「とにかくダメだよ」


「なんでー?」


「そりゃあだって、外は危険だし… ねえ、女神さん?」


「え?別にいいですよ?」


「ぇ?」


思わず自分の耳を疑った。

そんな自分を気にせず彼女は話を続ける。


「だって、この神殿の入り口にいたドラゴン倒してきたのでしょう?

それだけ強ければ大丈夫ですよ。」


にっこりと柔らかい笑みを浮かべながら彼女はそう話した。


「え、はいまあ一応は…」


え、ドラゴン?あの蜥蜴はドラゴンだったの?

てかそいつ倒さずに、神殿の中に入ってきちゃったんだけど…


「それにルビーは火の精霊だから、魔法が得意なんです。そこら辺の冒険者よりも強いですよ?」


「まじっすか」


じゃあ俺より強いじゃん。


「わたし強いー!」


健気に笑うルビー。


「彼についていく際には、迷惑かけないようにしてくださいね?」


「わかったー!」


あ、もうついてくるのは確定してるのね。

まあいいんだけど。

でもこれゲーム的に大丈夫なのか…?

火の精霊なんて掲示板で見たことないし…


「彼女連れていって本当に大丈夫なんですか?

…そのー、ゲーム的に?」


「あっ、それは大丈夫です。いずれプレイヤー全員が精霊とふれ合う機会(イベント)をつくるので。」


だから気にしないでください、と小さく笑いながら話す女神。

発言がメタい!!


「あっ、運営の方ですか?」


「?」


可愛らしく首を少し傾ける女神。かわいい。

まあいっか!


「そろそろ町に戻りますね」


今はだいたいお昼頃だろうか。


「そうですか、これからも頑張ってください。」


転移ポータルに手をかざす。

少し町に戻るのが寂しく感じられた。

結構楽しかったな…


最後に女神さんの方を見ると、ちょうど目があった。


転移間際になって女神はこう呟いた。


「これで毎日が楽になります。」


女神さん満面の笑み!

見るからに肩の荷が降りた!って顔してる


「それが本音だったろっ!」


自分のつっこみは時空に阻まれて彼女に届くことはなかった。

してやられた…


そんなに疲れるのかルビーの相手は…


自分の右横に立って一緒に手をつなぐルビーをみる。

こんな楽そうな顔しやがって…


気づいたら自然と笑みがこぼれていた。 


ルビーもこちらを見上げてくる。


「ん?なに?」


「いや、なんでもないよ」


町に戻ってからが楽しみである。








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