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火精霊との出会い


日間ランキング37位!

ありがとうございます!


目指せ一桁!☺


今日も2回投稿するつもりですー


まず1個目!


今自分がいる木陰から神殿の扉まで、直線距離で約30メートル。

例の蜥蜴はその扉から10メートルくらい離れたところにねっころがっている。


「走るべきか、静かに歩くべきか…」


逸る気持ちを押さえ付けながら、必死に頭の中を回転させる。

どうすれば気づかれずに扉までたどり着けるか。



…ん、まてよ?


今まで見てきた動画だと神殿の前の開けた場所であのボスモンスターと戦っていたような。


つまり、あいつを倒さないと扉が開かないとか?


もしそうだったら、今やってることは完全な無駄骨ってことになるけどな。


でもなんかそんな気がしてきた…


いや、そんな気弱になっちゃ駄目だ!

自分が初めての神殿到達者(?)になる!



そしてようやく一歩目を踏み出す。


音をたてることなく。ゆっくりと。


続いて二歩目、三歩目も踏み出す。


遠くから聞こえる鳥の鳴き声がうらめしい。

足元に集中して小枝を踏まないように気を付けながら歩く。


そうすること十数回。

扉まであと10メートル。


この調子ならいける。


視界の左端で、やつが未だに目をつぶっているのが分かる。


心の片隅で安堵の気持ちが浮かんだ瞬間だった。


突然大蜥蜴の両目が大きく開かれる。

その相貌が呆けて見えるのは自分の気のせいか。



自分と目があった。



「「・・・」」



少しの間、両者に流れる沈黙。



「ッ!」


ぼーっとしてられないと思い、自分はとにかく足を前に出した。


まさかこのタイミングで目を覚ますとは…!


扉まではあと少し!

なんとかなる!!



「グギャッッーー!!」


視界の端で、何かを大きく叫びながら蜥蜴が身じろぎしたのが見える。

起き上がるつもりか。


俺は走る。

かつてないほどの緊張と焦りだった。


扉まであと3メートル。

手が届きそうなくらい近い。


この大きなドアは押して入る形のやつだ。

一度に駆け出した脚は止まらない。

このままタックルしてしまおうか。


真横から大蜥蜴が迫ってきた。


「間に合えッ!!」


蜥蜴を横目に木製の扉におもいっきりぶつかる。


ドアが『バァン!!』と、大きな音を立てて内側に開け放たれた。


神殿の中に体勢が定まらないまま転がり込む。



天井が見える。

神殿の床に仰向けにねっころがりながら、荒れた息を落ち着かせる。


「間に合ったか…」


自然と笑みがこぼれてきた。

そうか、自分は助かったのか。

言葉に出来ない達成感を胸に、上体を起き上がらせる。


すると、手を床についた時に鋭い痛みを左腕に感じた。


「いった!」


するどい引っ掻き傷だ。

あいつの執念を見せられたってところか。


神殿の入り口には、大蜥蜴が中に入ろうともがいてるのが見える。


「残念だったな!」


入り口は決して小さくはないのだが、ゲームのシステム上の設定だろうか、やつが中に入ってこれないようになっていた。


未だに前足をガリガリさせている蜥蜴を無視して扉をしめる。




少し一息ついたところで背後から女の声がした。



「あら、こんなところに人が訪れるとは。

珍しいわね。」


思わず後ろを振り向く。


すると、そこには長くて紅い髪が目を引く、白いワンピースを着た美しい女性がいた。


身長は自分と同じくらいだろうか。

さらさらとした細い髪が、流れるようにして決して小さくはない胸元にかかっていた。

クールビューティーって感じ。

めちゃくちゃスタイルいいなこの人。


「この神殿を訪れたのはあなたが初めてです。

幾多の困難を乗り越え、よくここまでいらっしゃいました。」


柔和な笑みを浮かべて話しかけてくる。

 

「あっ、はい。結構頑張りました。」


「そうですか。ではあなたの勇気と努力を評して女神の加護をあげましょう」


女神が微笑みながら右手をこちらに向ける。


すると、自分の体が一瞬光った。


ピコン。


《称号「火女神の加護」を獲得しました》


わーい。初称号ゲットだぜ!


「ありがとうございます。」


「いえいえ。それと、町までお帰りの際はあちらの転送装置に触れてくださいね」


あー良かった。

来た道をまた引き返すのはさすがにね…


女神に感謝の言葉を述べながら転送装置へと向かう。


「結局死なずにすんだな」


確かな達成感を胸に、町へ戻ってからのことを想像する。


先ずはアイテムを売ろ「え、ちょっと!!」


「ぐえっ!」


急に服の襟を後ろから引っ張られた。

普通に痛い。


「その指輪、譲ってくれない!?」


「えっ、なん……?」


急にどうした女神さん!って思って振り向いたらそこには紅い髪の幼女がいた。


「その指輪、気に入ったわ!私がもらってあげる!!」


まさかの紅髪ツインテール幼女。

髪を結んでいる白いリボンがさっきからぴょこぴょこ揺れている。


自分の左手中指にはめている指輪を、彼女は目を輝かせながら指差していた。


「・・・」


返答につまる。

正直あげるつもりはないが。


少し悩んでいたら、女神から助け船が入った。


「ちょっとなにやってるのルビー!」


邪魔しないの!と言って幼女を自分からひっぺがそうとしている。


だが、ルビーと呼ばれた幼女は自分に抱きついたまんまで離れない。


「いーやーだー!」


「もう離れなさいってばーもう!」


おろおろしている女神さん可愛い。



さて、これからどうなるんだろうか。




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