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【完結】こんな異世界転生はイヤだ!  作者: 輪形月
第一章

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人外密談中

本日も拙作をお読みいただきまして、ありがとうございます。

 ぐるりと見渡せば、谷川の向こう側は草原っぽい平地になっていた。休耕地というより放牧地かね。

 おそらくは、あそこにいるのが砦警備隊の持ち馬なのだろう。

 ……なるほど、どこにいるのかわからない裏切り者の目を気にして、厩舎じゃなくてこっちに隠してあったのか。

 いや、それは今はあんまり重要じゃないんだけどね?

 

「グラミィどの、いったいアロイスに何をおっしゃったのでしょうか」

「わしは何も話しとらんよ。ボニーの一存じゃ」


 はいそのとおりです。グラミィにもこっそり伝えてはいたけどね。

 ま、ちょっとした襲撃のお返しだ。つつしんで受け取ってくれたまえ。返品は不許可だ。

 でも、悪い話じゃないことは保証するよ?100%いい話ってわけでもないけど。

 ただ、アロイスに選択肢を増やしてやっただけだもの。


〔迷い道にならなきゃいいですけどねー〕


 うるさいよグラミィ。

 気持ちの上ではにーっこりと笑顔なつもりで頭蓋骨を向けると、グラミィは露骨に目をそらした。ち、軟弱者め。


「そうそう、カシアスどのに頼み事があるんじゃが……」


 混乱しているアロイスは、しばらく落ち着くまでは使い物にならんだろう。たぶん。

 だから今動けるカシアスのおっちゃんにはいろいろとお願い事をきいてほしいわけだ。

 なにせヴィーリの相手をする以上、あたしとグラミィは交互にここに詰めてなきゃならんのだ。

 アロイスの話だとあと数日とはいえ、ここに詰めてる必要があるなら揃えておきたいものがある。


〔えー、ヴィーリさんの相手はボニーさんに全部お任せしますよー。人外同士、気が合うでしょうし寒いんですものここ。日向ならともかく、風吹いたり夜になったりしたらいたくないですー〕


 寒いのここ?

 温度を体感できないからわっぱりわからんかったや。

 だが断る。苦楽はともに分かち合ってこその運命共同体(相棒)ってもんじゃない?

 

〔やだー、年寄りの身をいたわってくださいよー〕


 年寄りどころかこっちは骨の身なんですが。肉抜き生命ナッシング。

 そんなあたしをいたわってくれるんなら考えるよ?

 というわけで半分はよろ。


〔うぐぅ〕


 しかし、生身のグラミィも来ることを考えると、必要なものはたぶんもっと増える。

 具体的には、すごしやすい場所。

 馬たちの放牧地にだって洞窟っぽいサムシングがあるようなので、せめて人間とその骨にも、そのくらいの設備の提供はぜひともしていただきたいものである。

 

〔ちょっとは快適を要求してもいいってことです、よね?〕


 いいんじゃない?

 たとえば畑の端っこに立っているちょっとした小屋。

 あれ、農作業用の道具を置いてあるところを見ると、物置みたいな扱いらしいんだが、そこでいいから雨よけ風よけに使わせてもらいたいとか。

 地面に直に座るのは冷えるし、立ちっぱなしもグラミィにはしんどかろう。そうなると椅子も欲しいなとか。

 寒いのがヤなら熱源も必要だ。焼石やお湯入れた壜を提供してもらってもいいし、簡単なかまどや炉をあたしやグラミィが自作してもいいけど、火の粉が飛んで思わぬ火事になる危険を考えると後者は許可が必要だろう。

 このあたり、ヴィーリも要求するかどうかちょっとわからないけれど。


「あー……なるほど、確認を取りますのでお待ちくださらんか」


 ぜんぜんいいよー。伝令係のモートンくんもよろしく。

 と、そうだ。グラミィ、馬車の中もなんとかしたいの忘れてた。針と糸も借りておいて。


〔なにやったんですか、ボニーさん?!〕


 なにをされたかと聞いておくれ。アロイスに襲撃されたのはあたしの方だ。

 ……いやまあクッションとか座面とかいろいろダメにしちゃいましたけど、あれは不可抗力だ。たぶん。きっと。うん。


 お願い事を細々と書き留めたカシアスのおっちゃんも一度は砦に戻るそうな。しっかり頑張っておくれ。主にアロイスのバックアップというかお守りを押しつけられそうだけど。

 何人か護衛だといって残してってくれたが、彼らは見張りだろうな。

 ご苦労様としか言いようがないですがね!心話を盗み聞きはできないもんね!あたしたちにとってはこっからが本番なんだけど!


 手頃な石によっこらせっと腰を下ろす。グラミィは冷えが来そうだが、あたしも尾骨が擦れる。早いとこ丸太でもいいから座り心地のいい椅子が欲しいところだ。

 ……ヴィーリはあんまり気にならないみたいだけど。


〔で、あたしにも残れって理由は何だったんですか?ホント寒いんですけど〕

 

 一言で言えば、貴重な知識獲得や情報収集の機会だから?

 ランシアインペなんたら国に所属しているカシアスのおっちゃんたちやアロイスからは言えないことも聞けないこともたくさんあるでしょうよ。

 なら、ここでヴィーリに聞ける限りは聞いておくべきでしょ。護衛さんに心話がばれないよう、同時通訳も続けてねという意味合いもほんのりとないではないが。


〔ボニーさんてば、知識に関してはとことん貪欲ですよねー〕


 今のあたしにゃ生存における三大欲とかないからねー。あるのは欠乏している知識を吸収したいという欲くらいなものだ。

 それに、この世界で生きてくんなら、あんただって知識が必要でしょ、グラミィ。


 そうそう、知識で思い出した。

 後でアレクくんかベネットねいさんに頼んどいて。道中あたしに文字を教えるようにって。

 何せ読めない書けないではこの先どんな不都合があるかわからない。

 それこそ誓紙に何が書いてあるかわからないのに血印とか押しちゃったら、どんな束縛をかけられるかわかんないのよ?


〔じゃあ、あたしも必須ですよね、読み書き能力〕


 素直に教えろと言ったら、いっぺんで化けの皮が剥がれそうだけどね、大(・)魔(・)術(・)師(・)ヘ(・)イ(・)ゼ(・)ル(・)様(・)。


〔あ……〕


 忘れてたんかい。


 だから、『生前の記憶が全くない』ことになってる、あたしに教えるって格好にしとけっての。

 部外者の立ち位置なら、テキスト選びに口を出すこともできるっしょ?

 最初のあいうえおレベル以降は初歩からこの世界の魔術についての知識も同時に得られるかもしれないし、心話で教えてもらったことぐらいは伝えたげられるから。


〔なるほど、了解しましたー〕


 自動翻訳副音声つき状態なのが、語学の学習にはかえって面倒そうだけど。

 勝手に言葉の意味が入ってくるのって、果たしてプラスになるのかマイナスになるのやら。


 それはさておき(閑話休題)。


 さて。ヴィーリ。こっちにゃ聞きたいことが山ほどあるんだが、まずは……


(いつからわたしたちのことを見ていたのかな?)

〔あたしたちが闇森に近づいた時から……じゃないですね。そうでしょ、ボニーさん?〕


 グラミィ、大正解。

 『星の子』という言葉はもっと前から見てなきゃ出てこないはずだ。

 あたしらが墜ちてきた星と同じ存在であると知らなければならんもんね。

 で、具体的には?


「二つの星が空に現れた時からだ。黒き月の前に突然現れた時には驚いたものだ。かつて、あの穂先石の彼方に星が墜ちたことがあるが、それ以上の魔力(マナ)を感じた。それも二つもだ。目を離せるわけがないだろう?」


 んー……?

 それって、例の『大魔術師ヘイゼル様』の出現ってことかなぁ?

 魔術士隊の面々の口ぶりではちょっとした宮廷の恋愛話というより、昔々のおとぎ話にうちの国sugeeeを足しっぱなしにしたような感じだったけど、それがグラミィの身体の人の話ということになるのかな、やっぱり。


 …………。


 いったい何年前の話ですか。

 というかあんたいくつなのさ、ヴィーリ。外見的には10代か、いっても20代半ばぐらいにしか見えないけど。


 ……相変わらずよく読めない表情で回答拒否ですかそうですか。ご老体すぎると、あたしたちについてくるってだいじょぶなのかという問題も出てくるんですが?


(問題ない。枝変わりはすんでいる)


 次の代に交替して出てきました、ってことかな。

 ……やっぱりけっこうなお年じゃねえか!


「星の一つは暗森へ、もう一つは闇森に近い谷間に墜ちたのでね。我々にも害が及ぶのではないかと森じゅうが警戒したものだ。その夜のうちに離れていったのでほっとしていたのだが」


 離れてった、と思ったら合流したと。

 そんでもってまた戻ってきたと。ウィーシャルリターンとはどういうことかと?

 え、それってあたしらが悪いの?

 

〔悪くないですよね?〕


 だよねぇ。

 もともとあたしら……というか、流星二つって、ランシアインペなんたら国でも警戒対象になってたから、カシアスのおっちゃんが派遣されたくらいなんだし。

 よその国や地方から見えてりゃ、そっちでも要警戒状態になっててもおかしくないと思うんだ。


「ならば、やはりわたしが星追う者となったのは正しかったということか」


 納得できるんなら、それでいいんじゃない?

 国と国との争いに巻き込まれることも覚悟してるのならね。含む情報戦。


 んじゃ、次の質問だ。


(ヴィーリの魔力の出し方と隠し方って、どういうものなのかな?やり方を教えてほしいのだけど)


 いやこれすごく大事。

 あたしたちが見た時と同じくらい闇森が魔力を発散していたら、魔喰ライになったサージなんて、下手したら目の前の敵はほったらかしにして闇森に襲いかかってたかもしれないんだよね。理性すっとんでたみたいだし。

 ということは、ヴィーリが出し入れして見せたように、魔力を顕現したり隠蔽したりする方法を、闇森すべてが知っているということになる。

 教えてくれたら楽になるんだけどなー。

 魔力出しまくりで魔術士隊に警戒されたりとか、案山子罠をしかけられなかったりとかこれまでしてたけど、そのあたりの問題が全部解決するんだもん。過去は変えられないが今後は楽になる。


〔ついでに王都でも目立たずに行動できるようですか?〕


 グラミィ、またしても正解。

 まあぶっちゃけ通常は威圧も含めて魔力は出しっぱなしでもいいと思うんだ。

 でも隠密行動が必要になったときに、それはいくらなんでもまずかろう。

 あとは、アロイスにこのコントロール方法を教えるというのが取引材料に使えないかという下心もあります。もちろん。


(外に出して、内に入れるだけだ)

〔ええっと……。ボニーさん、意味わかります?〕


 さっぱりわからん。あ、いや、まてよ。


 あたしは自分の魔力を意識した。

 他人の魔力と違って自分の魔力は見えづらい。それはおそらく自分自身の体温や血流の存在なんて普通はあまり感じないようなものだろう。下手に見えすぎると色つきのグラス越しに世の中を見るようなものだから、他の魔力が見えづらくなるのだろうし、そこは一長一短というものだ。

 だけど、そこは深夜の自主練の経験が活きる。

 外に広げていくのはできたのだから、それと逆方向へゆっくりと魔力を押し込んでいくイメージで操作する。

 と、体内つってもあたしの場合、肋骨の内部とかじゃ意味ないよな。そうなると骨の中かなぁ。

 一本一本骨の中にぐりぐりと圧縮していくと……。


(ボニーさん、今、座ってる石ぐらいの魔力しか感じられないですよ!)


 お、成功した?

 どうやら方向性は間違ってないようだ。


〔あたしにも詳しくやり方教えて下さいね〕


 うん、後でね。まだヴィーリに聞きたいことは山ほどあるから。

 

〔あ、あたしも聞いときたいですー〕


 あ、そう?

 じゃあどうぞ。


「ヴィーリどの。おぬし、さきほど墓の周辺に、その杖から小枝を折っては挿しておったが、それにはどんな意味があるのかの?一つ教えてくれんかの?」


 なんでまたそんなことを聞いてみようと?


〔行動に意味があるなら、行動そのものをただスルーするより、意味を知って、できれば認めるべきですよね?少しでもいい関係を築くことを目指すんなら、相互理解は必要かなと〕


 意外としっかり考えてるじゃん、グラミィ。

 ほっこりと和んでいると、ヴィーリが相変わらずの表情で杖の枝に手を滑らせた。


「死は生命の循環に流れてこそ意味がある。その手助けのためだ」


 …………。

 えーとつまりそれって。

 死体を養分に木を育てますってことかいな。

 いや生態系における物質循環としてはすごく正しいんだろうけど!


 それでも、グラミィが固まってるように、人が許容できるかどうかはかなり難しい。

 仲間や同じ砦の人間が死に、土に還ることに納得はしても、その途中経過をリアルに想像することは、たぶんこの世界の人間だってしない。というかできないだろう。


(ヴィーリ。それ、他の人間には絶対に言わない方がいい)

(この土地を愛した思いを宿すものを取り込めば、新たなわたし/われわれもまたこの土地を愛す。それがなぜ悪いのか?)


 ……異世界でも宗教や文化の違いは大きいが、それより種族の違いの方が大きいってことを失念してましたよあたしゃ。


「この枝は我が半身。根を張れば大地を知り、風に歌い、陽光に笑い、星を追う」


 闇森の分体というか、いや、ヴィーリ自身の森になるということか。

 ヴィーリ自身の森ねぇ……。


 ……ミイラ化死体たちを養分にすくすく育った木の枝にヴィーリが集団でなってるのを想像しちゃったい。こええ。

 しかも何か起きれば木々を通じてヴィーリが知ると。あたしたちがヴィーリから逃げても情報を拾い集めて追っかけてきますと。

 まさか魔力を吸収増幅させる能力とかも持ってないでしょうね?……持ってそうだな。


〔止めさせないんですか、ボニーさん?〕


 止めてヴィーリが聞くと思う?

 てゆーかグラミィ。これが彼?の論理的な行動である以上、特殊性をよく理解しておくべきでしょ、言い出しっぺとして。


〔…………〕


 責めてるわけでも皮肉を言ってるわけでもないよ?

 ただ、忘れてんなら思い出せ、覚えておけ、ここはあたしたちのいた世界ではないのだということを。

 そして、これはこの世界の人間……とは言わないが、存在の培ってきた考え方なんだ。他の人間がその思考ごと存在を否定しようとするかもしれない、ってことは想像できるけどさ。

 あたしたちが無駄に感情的になって否定してもどうにもならないことだって、この世界にはあるんだ。


 ……あー、気を取り直して、次の質問というか、取引にいってみよう。


〔取引、ですか?〕


 そう。


(ヴィーリ。これからわたしたちはさっきいた人たちと一緒に王都に行くことになるだろう。そこでだ。わたしたちは、あなたの代わりに、人間たちとの交渉を引き受けることができる)

(何のために?わたしはそなたたちについていくだけのことだ)


 それではすまない。

 王都に行ってあたしたちがすることは、端的に言って自分の能力の切り売りだ。

 あたしは『生身になる』ために、『蘇生手段』を探すつもりでいる。

 だが、そのためにはそれ相応の知識が蓄積されている場所、魔術学院とか、あるかどうかもわからないけど王室図書館とか、魔術特化型貴族のお屋敷に入り込んで調べる許可が必要になるし、許可を取ろうとしたらずいぶんと複雑怪奇らしい宮廷内の権力構造の中に入ってくどころか巻き込まれることを覚悟しなきゃならんのだ。

 『手段』が見つかったら、こんどは『実践』に向けた基盤作りだって必要になる。

 道具や機材、薬品なんかも揃えなきゃならないのかもしれないが、それだってお金がかかる。お財布になってくれるようなパトロンが必要だ。

 グラミィはただ単に『王都が見たい』んだっけ?


〔それだけじゃないですよ!お菓子とか食べたいし、おしゃれだってしたいですし、あと宮廷のドロドロ恋愛関係を見たりとか〕


 それだってお金はかかる。滞在費用とか。

 誰がもつのそのお金?


〔それは……〕


 少なくとも『数ヶ月単位で快適に生活したい』んなら、『同意なしに拘束や取り調べを行われない自由』『身の安全の保証』ぐらいの基本的人権は要求したいよね?

 あたしらを『墜ちた星』として追いかけ回してくるような奇矯な人間、ヴィーリだけでたくさんだ。

 宮廷内に入り込むんなら、問答無用で人間関係とか、政治的な対立ってものにも巻き込まれる。

 その時頼りがいのある後ろ盾になってくれそうな人間がいたとしたら、たぶん求められるのは望んだ時に魔術を使ってもらうこととか、そういうことになる。

 それが能力の切り売りって意味。その代わりに権利や費用を手に入れるの。わかった?


〔納得しましたー〕


 ヴィーリだってそうだ。

 『異種族である』ということは『人間扱いされない可能性もある』ってことなのだ。

 最悪、人語を理解する樹木扱い。

 下手するとディレッタント(好事家)の貴族が捕まえたがるだろう、そんな珍物。

 髪の毛くらいこっそり収集されるのならまだしも、君の仲間を捕まえて全体標本作りたいーと言われたりとか、ヴィーリが半身とか言ってた挿し木の回収とかされかねんのよ?


 ざっくりそう説明すると、ヴィーリも愕然としたようだった。あんまり表情変わんないけど。


(この身の危険は同胞の危機にもつながるというのか)


 まあ、ヴィーリに直接しかけてくる人間がいたとしたら、あっさり返り討ちにされるだけだろうけどね。

 あたしたちにしたように、魔力量を見せつければ魔法特化型貴族はまず警戒をする。

 魔力感知のできない人間が暴力に訴えてきても、ヴィーリの魔術で簡単にたたきのめせるだろう。

 でも、それこそが敵意と憎悪の呼び水になりかねんのだ。

 プライド高い貴族階級だったりすると、特にね。

 そうなった場合、今のままだとあたしたちは何もできない。

 『ただついてきてるだけの森精』から切り離され、弁護も協力もできないまま、『人間対森精』という対立構造の向こう側へ追いやられ、ヴィーリが接触しようにもできないような状態を作られるか、それともヴィーリごと人間の敵とみなされるか。


(なので、そのような事態を未然に防ぐのに、わたしが考え、グラミィが交渉するという形で、協力ができる、ということだ。理解してくれたかな?)

(その協力の対価は?)

(ヴィーリの知識と助言を求めたときに正しく与えてくれること。ただし、助言対象にはわたしたち以外の人間が含まれることもある、と言っておく。その都度お願いするけど)

(了解した。墜ちたる星の提案を受けよう)


 その後、寒さに耐えきれなくなったグラミィが警護の面子とそそくさと引き上げたのちも、あたしとヴィーリの会話は続いた。

 砦から視線を感じたけど、見てた人は残念でした。

 なにせ全部心話だったからね!傍目からは日向ぼっこしてる骨と樹木って感じですよ!

 今回の異世界転生王道要素ぶち壊しは「異種族が異なる所以」です。

 獣人やドワーフ、エルフといった異種族がいる異世界の設定を見ると、「愛玩対象」や「差別対象」であることはあっても「理解しきれない不可解な存在」としては見られないことがほとんどな気がするのです。

 ぶっちゃけ、長所や短所がちょっとずつ違っていて、あと外見が少し違うだけの『人間という同じ種族』ぐらいにしか。

 人間同士だって理解できないことが多いはずなんですがね。

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