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魔喰ライ

本日も拙作をお読みいただきまして、ありがとうございます。

 塔の扉を吹き飛ばして、夜闇へと転げ出てきたのは。


〔ミイラ……?〕


 グラミィの疑問にはあたしも同意だ。ねじ曲がった鉄っぽい杭で扉にピン止めされたようなそれは、明らかに乾燥しきった人の死体だ。

 だけどンなもん、地下に置いてたか?

 今のあたしの身体(シルウェステルさん)といっしょに亡くなった方の遺体は確かに安置してたけど。みなさん完全な白骨状態だったはずだ。


〔ボニーさん、まだなんか来ます!〕


 うん。ずしゃっ、ずしゃっ、という足音はあたしにも聞こえてる。

 ……ちょっと待て。30m近い塔のてっぺんまで響く足音?

 異臭がするのか、鼻を覆った面々の顔もみるみる険しいものに変わっていく。


「誰か、灯りを向けよ!」

「はっ、はいっ!」


 松明がいくつか石畳の上に放り出され、照らし出されたのはローブ姿の人影だった。

 声にならない呻きがいくつも聞こえた。

 地上や塔の上のおっちゃんたちからだけじゃない。城壁の魔術士隊からもだ。


「サージ、なの、か……?」


 ベネットねいさんの声はかすれていた。

 たしかにそれは、髪を切って牢に入れられてたはずの、あの裏切り者に見えた。

 両手が赤黒く染まっているのはまだいい。岩壁でもかきむしったのかと思える。

 だが、その身体はいびつにごつい。

 ひょろぷにな体型はどこいったよ、おい。

 腕や足だけが木の根っことすげかえたように太くごりっとした質感に変わっている。

 それだけじゃない。

 顔の下半分までべったりと両手と同じ色で塗りつぶされているのは何をした。

 ……見るからにあかんヤツやこれ。

 そもそも、戦闘中で見張りが手薄になっていただろうとはいえ、コイツはどうやって牢を抜け出した?

 杖を取り上げてる以上、魔術は使えない。という思い込みがあるはずだ。


 以前カシアスのおっちゃんが杖を取り上げたのも、返却した後は魔術士隊の面々が杖を離そうとしないのも、術式を組み顕界するには杖が必要だという思い込みが彼らにあるからだ。

 実際にはそんなことはない。

 まあ術式が物理的なものではない以上、わずかな狂いもなく精確な制御を行うのが困難だから、その補助が必要だという理屈はわかる。攻撃魔法でも暴発したら命にかかわるからね。

 それも術者本人のものだけじゃない。

 例えるならば銃を振り回している人間が隣にいるようなもんだ。

 うっかり銃口が向いた時に暴発したら……。

 そんな強制ロシアンルーレットいらんわ。


 だから、安全装置が必要なのだろう。杖と呪文の詠唱はおそらくだが、マインドセットの道具だ。

 確かに杖にも魔力(マナ)を通すと反応があるから、制御補助用になんらかの術式が組み込まれているのかもしれない。詠唱にも魔力を集中する強制力はある。

 が、それよりも魔力を通す術式を精確に組み上げるのに必要なメージを素早く強固に保つための自己暗示機能の方が強いんじゃないかとあたしは考えてる。そうでなければベネットねいさんみたく一単語なんて詠唱の省略ができるわけないし、認識範囲内であれば顕界できるはずの火球を魔術士隊が短距離でしか顕界できない理由も説明がつかない。

 

「脱走囚を取り押さえよ。生死は問わん!」

「ははっ!」


 ヤバさを感じ取ったのか、容赦のないアロイスの命令に数人が抜剣した。容赦のなさは上司が上司なら部下も部下というべきか。それとも、同じくヤバいと判断したからか。

 いち早く斬りかかった一人の勢いに煽られたように、ローブが流れ、剣ごと巻き込み、放り出した。

 からからに干からびた死体を。

 一瞬にして兵士は扉に貼り付けられたミイラと同じ姿になっていた。


 さすがに抜剣した面々も動揺したのか、囲みが広がる。


「魔力、を、吸われた、のか」


 死人のような声はアロイスの口から出た。顔まで一瞬にして血の気が失せている。

 カシアスのおっちゃんが叫んだ。


「離れろ、応射せよ!」


 素早く兵士達が動く。抜剣した面々は後退し、変わって前に出るのは投石紐を回し始める者、弓を構える者たちだ。

 だが矢が石弾が突き刺さったのは、サージがさっきまで立っていた塔の戸口だった。

 転移魔法でも使ったかのように、サージは城壁の上に立っていた。


 あたしは見ていた。脚力だけで、十数mはあるこの砦の城壁にやつは飛び上がったのだ。

 まずい、そこには魔術士隊がいる。

 一番近いのは……グラミィ!


 グラミィは無言のまま火球を放った。問答無用で殺される、その恐怖が人を殺す恐怖に勝ったとしてもあたしは否定しない。

 だが、火球はサージの眼前で消えた。

 やつはあたしがベネットねいさんと最初にやりあったときと同じことをしたのだ。

 つまり、魔力の直接操作による吸収。

 杖なくして魔術ならぬ魔力を操るなど、明らかに魔術師としてのプライドでがっちがちに凝り固まってたサージならば、できるなんて思ってもみなかっただろう、できると知ったとしてもしようともしなかっただろう行動。

 それは、グリグら魔物たちと同じ魔力の操作法でもある。


「魔喰ライ!」


 エレオノーラが悲鳴を上げ、ドルシッラに倒れかかる。

 こんな時に、人間やめたようなヤツの眼前で失神なんて貴族令嬢のたしなみを披露すな。


「逃げい、こやつは魔力を吸う!」


 グラミィの叫びに魔術士隊は、そりゃもうじつに素直に逃げ出した。ドルシッラがエレオノーラを支えて逃げる、その後をグラミィも追う。

 だが遅い。


「魔力、ヨコセェッ!」


 一瞬で距離が詰められ、グラミィの背に鉤爪と化した手がせまり。

 切り落とされた。


 だがサージは倒れない。わずらわしそうに魔力を渦と化し、跳ね飛ばされたのはアロイスだった!

 いやたしかに城壁の上にいたけど。

 姿を見失ったと思ってたが、なぜ逃げずにわざわざ接近戦を挑んだのか。魔力が吸われたと一目で見抜いたくせに。

 今はまだサージがさして興味を示してないから、かろうじて助かっているだけだ。

 ヤツにとっては、グラミィたち魔術師という、うまそうなごちそうの前の邪魔でしかないのだろう。


 だが、これでかろうじて距離が開いた。


 さらにグラミィたちの後を追おうとしたサージが、びくん、と痙攣した。

 背中から腹に巨大な氷の針を生やして。

 あたしの仕業だけどな!


 それでもヤツは動いた。

 ぎろりと塔の上を向き、あたしを捕捉する。

 ぎくしゃくと笑みのような形に顔をゆがめて。


〔な……なにやってんですかボニーさん!あんただってボロボロなくせに!とっとと逃げてくださいよ!〕


 悲鳴のようなグラミィの心話を聞くまでもない。あたしが不利なのは十二分にわかってる。

 氷柱を顕界したあと自由落下に任せたのは、射出まで術式に組み込めばそのぶんの魔力で気づかれるかもしれんというおそれがあったからだ。

 生成物に含まれる通常の魔力程度ならば、まだ気づかれにくいだろうという読みもあった。

 だが、それよりも消耗しきっていることが大きい。

 今のあたしはフルに魔力を持てる時の六分の一以下しか魔力がない。くらくらしたりしてるところを考えると、意識を保ってられるレベルではぎりぎりかもしんない。

 対して、あいつは100倍以上にも魔力を膨れ上がらせている。

 魔晶(マナイト)を奪った時のヤツの生身の状態を1サージとすると、今のヤツの状態は120サージくらい、対してあたしは100サージを切る。あたしに魔力を供給し続けてたグラミィも同じくらいだろうか。

 加えて魔術じゃ通じないというか術式段階で魔力を吸われるわ、近接戦は意表を突かない限り攻撃は跳ね返される、どころか魔力を吸われてミイラになるのがオチだとか。

 遠距離射撃をするにしても、あの動きの速さとわけのわからんジャンプ力が相手なら、射線が通ってて100mぐらいしか離れてない状態で攻撃とか無謀でしょ。

 ダッシュ数秒で距離を詰められて魔力を吸い殺されるだろう未来がくっきりはっきり8Kレベルの高精細映像で見えるんですが。

 なにこの無敵状態で無双しでかすマン。むしろ以前に発生した魔喰ライがどうやって斃されたのか本気で知りたいレベルだぞ。


 正直、魔力量で力任せのごり押しメインのあたしが今打てる手は少ない。

 だけど、やるしかない。

 投石機担当のおっさんたちは塔の中に逃がしたが、グラミィたちはまだ城壁の上だ。生死不明なあたしと違って、死んだらそこで終わりだと思っといたほうがよかろう。

 やってやんよ、国崩しの魔喰ライ。


 あたしは魔力を練り上げて自分にまとわりつかせた。術式に通すためではない。

 さあこい、このエサにどう食いつく?


 挑発の答えは一瞬だった。

 わずかに足をたわめたと見えたヤツが、30m近いこの塔のてっぺんまで跳ね上がってきたのだ。

 風の術式の作動も感知できたが、それだけではない。

 膨れ上がった素足から血がちょろちょろと流れ出て胸壁を濡らしている。

 ……これが、あのジャンプ力の正体か。

 魔力操作によって身体能力を上げる、それを限界までやったせいで筋肉が急激に膨張したのだろう。

 血が噴き出しているのはそのせいで血管がちぎれた、というあたりか。

 身体がぶっ壊れようがおかまいなしって、自己保存の本能や死への恐怖もなくなってるということか。

 人間としての精神もおそらく相当壊れてる。たぶんコイツの頭には、うまそうなマナを喰うこと以外ないんだろう。

 魔物のグリグよりも知性の消えた姿は、飢餓に狂う獣そのものだ。


 なら――あたしは、こいつと同じ存在には絶対にならない。なりたくない。

 人間で在り続けてやろうじゃないの。骨だけど。

 

 さらに後退しながら投石機の腕木をよじ登る。同時に魔力を投石機にもまとわりつかせる。エサが大きくなったように見えたかな?

 じわじわと後退するあたしを追って、サージもまた腕木に登ってきた。

 ……またジャンプして上から飛びかかってくるかと思ったけど、案外慎重な行動……じゃないな。

 追っかけてくるついでにあたしが投石機に及ぼしてる魔力を吸収してるぞコイツ。

 ただ喰いされてたまるかっての。


 後退するあたしを追っかけて、さらに足を踏み出したその瞬間。

 サージはバランスを崩して勢いよくすっ転んだ。

 シーソーの原理で足元の角度が変わったのに対応しきれなかったんだろう。

 だが顔面をしこたま打ったその姿にざまあ、という暇はない。ヤツが起き上がる前に、さらに後退する。

 今度は坂を後ろ向きに下りていかねばならないからちょっと怖い。

 ごん、と腕木が塔に接触したとたん、サージが飛びかかってきた。

 一瞬の安定を逃さぬ攻撃にあたしは腕木を滑り落ち、塔の外へと放り出される。


 ――それでいい。


 投石機に魔力をまつわらせたのは、錘の重量軽減のためだ。

 それも食い散らかしながらあたしを追ってきたサージが、腕木の先端でまつわらせたすべての魔力を食い尽くしたらどうなるか。


 答え。重力は正常に投石機に作用する。


 ぶん、と大きな弧を描いた腕木が幅木にぶつかり、サージは慣性の法則に従って夜空へと投げ出される。

 その様子に砦じゅうから歓声が上がった。


〔…………大丈夫ですか、ボニーさん?〕


 あー。へろへろだけどね。


 投石機の操作に邪魔にならんからと、解体用に滑車をつけたまんま残しておいてくれて助かったよ。

 あたしはかろうじてその滑車にしがみついていた。杖なんて持ってらんなかったから、塔の下まで落っこしちゃってるよ。

 後で拾っといておくれ、グラミィ。


〔それはいいですけど、あの、サージは……〕


 あのまま空を飛んでって、大人しくお星様にでもなりやがれぇっ!……というわけにはいかんわな。

 せいぜい頑張って国境のちょい手前あたりへ射出されたくらいなものだろう。

 そのまま素直に落下ダメージで斃れてくれるとありがたいんだけどなー。でも希望を予測に混ぜるのは禁物だ。

 追撃が必要かどうかも確認しないとならんから、今、ちゃんと塔の上に戻ってから、グリグに聞いてみる。

 だからちょっと待ってえな。

 さすがにこのまんましがみついてるのはしんどい。筋力も持久力も関係ないこの身体じゃ、気分的なものだろうけどさ。


〔お願いします〕


 というわけで、おーい、現地のグリグん?


 わらわら駆け寄ってきたおっさんたちに引き上げてもらって塔の上にへたりこむ。

 視覚を共有してもらうと、斥候らしき軽装の兵士数人の前にサージが落下してきたところだった。


 ……うーむ、魔術攻撃無効っぽいなら、物理でどうかと思ったんだけどなー。思ったよりダメージを受けてないようだ。

 おそらく塔に飛び上がってきたとき同様、風の魔術を使ったのだろう。素直に地面に喧嘩を売ればいいものを。

 だが、知能が完全になくなってるわけでもないのか。

 追撃をかけにゃならんかな、するとしたら投石機かなー。飛距離を伸ばすのに必要な石当て燃やしちゃったけど。なんか予備あったっけ。


 さすがに斥候っぽい兵士も思いっきり驚いたらしい。円環の道のきわまで後退している。

 彼らにも何がなんだかわからんだろうなー。

 秘密裏に進軍してきて国境を越えた途端、爆発する石弾に、氷柱に、魔術士まで降ってきたとはね。

半分ぐらいは君らの自業自得だが。


 ……つーか、斥候兵たちの後ろのそこ。

 円環の道の中とはいえ、こんな国境のきわに、なぜまだ10人近い騎士がいるし。


 もしかして、出した被害が少なすぎて素直におうちに逃げ帰れないレベルだったのか。

 それとも、諸国各地方中立地帯の円環の道にいれば追撃されない決まりなんだから、再度侵攻の準備をとでも思ってたんかなー。

 甘いな。それが通用するのは、法を守る意志がある相手だけだ。


 斥候たちがなんか声をかけてたがサージは無視。そのまま前進、斥候の一人の首筋を掴み上げると、……ミイラ化させた。

 投げ捨てられた遺体に見ていた全員ががちゃがちゃと剣を抜き連れる。が、遅い。

 サージがその手で触れた相手をミイラ化させながら、さらに前進していく。


 それを止めたのは、一人の騎士の剣だった。

 魔力の塊をアロイスに斬られた右腕に集めて盾にしてはいるものの、鋭い刃風に攻めまくられて、たった一人を相手に、あの無敵状態で無双しでかすマンが動けずにいる。

 ……そういや、アロイスも吹き飛ばされたとはいえ、魔力吸収はされてなかったよな……。

 直接接触してないとミイラ化するほど魔力を奪取することはできないってことなんだろうか。


 付け加えるなら、魔術師の弱点である近接戦闘能力のなさも関係しているのだろう。

 そこそこ程度の腕の持ち主が相手ならば、身体能力を引き上げることでカバーできていたんだろう。

 だが、武術も、技術だ。

 身体能力差がさほどなければ、技術のない素人がプロにかなうわけがない。

 斬り立てられてローブ姿の重心が浮き、体勢が崩れた瞬間に騎士の口から気合いがほとばしった。

 さらにスピードの上がった一閃に切り裂かれ、サージの足から力が抜けた。


 ……あれは、普通の人間なら内蔵もやられて即死だろう。つーかほとんど真っ二つじゃないか?

 

 いや。

 むきだしの騎士の顔に、サージの左手が当てられている。

 苦悶の形相のまま、騎士が干からびていく……が、その手が動いた。

 再度腹というか胸に突き込まれた剣を思いっきりこねくり回され、サージが血を吐きながら吼える。

 人間の悲鳴とは言えない、手負いの獣が唸るような声にグリグの冠羽が逆立つのを感じた。

 その上に騎士が馬からずり落ち、重みで剣がさらに深く差し込まれたのか、裏切り者のなれの果てはようやく動かなくなった。


(……もう、いい?)


 おそるおそる二つの死体(?)を取り囲んだものの、動きを止めた敵兵たちを観察するのにも飽きたのだろう。でもごめんグリグ。念には念を入れて、魔力の動きを調べてみてくれない?

 具体的には、特に大きい魔力をもったモノがいないか。


(わかった。……いる。目の前!)


 警告が伝わった時には、サージを爪先で蹴り上げた兵がミイラ化させられるところだった。

 死んだふりまでやらかすとは厄介だな!


 ぐいっと両手をついたまま上半身をもたげて魔喰ライが周囲を睨み……いや、口の端をつり上げた。

 そのまま手で這うようにして、より騎士達の集中している方へ向かっていく。上半身だけで。


 こえええっ!めちゃめちゃこえええっ!

 蛇か蜥蜴のような速さで這い寄る人間の上半身。こんなもん夜中に見たらトイレに一人で行けなくなるぞマジで。

 ……いや、骨のあたしにそれを言う資格があるかっつーと微妙だと思うけど。


 完全に外見的には人間やめたその姿にまたもやパニックを起こしたのだろうか、円環の道を潰走する騎士たち。その後を魔喰ライが這ってゆく。


 やがて死者以外のモノが円環の道の向こうに消え、叫び声も絶えた。


 そして、置いてきぼりにされた下半身が急速に白骨化していく。

 ……えーと。

 つまり、サージも滅びた、ということなんだろうかこれ。


 グリグ、悪いけど遠回りしていいから、向こう側の様子も見てくんない?


(近づきたくない)


 気持ちはわかる。だから、近づかなくてもよろしい。

 気づかれないよう、遠くの森の中から見るだけでいいから。移動が終わったら教えてちょうだい。


(……わかった)


 よろしく。頼んだよ。


 視界を戻してあたしはよれよれと立ち上がった。


 見下ろせば、砦の中でも犠牲者や負傷者の収容が始まっていた。

 これまで戦闘準備中には打ち身や擦り傷を作ったぐらいの、ちょっとした負傷事故しか出ていなかった。

 砦の中に敵を入れず、敵襲すら及ばなかったことを考えれば、出ないはずの死者であり、被害だったはずだ。

 サージが魔喰ライになるなどということは想定外だった。

 だけど、この被害は、砦の中の防御がもっと厚ければ防げたのかもしれないと思ってしまう。

 それは、戦闘のプロなんかじゃないあたしの感傷にすぎないのだろうか。




 あたしは塔の上で合掌をした。

 願わくば。死せる彼らの上に、安らぎを。

裏サブタイトルは「妖怪テケテケの出現」。どうしてこうなった。


戦そのものは一応終結したように見えます。

が、いろいろなものが噴き出しました。

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