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一夜漬け準備の作戦会議(その1)

アクセスがPV3000人、ユニークで1000人を突破寸前です!

本日も拙作をお読みいただきまして、ありがとうございます。

〔……ボニーさん、ほんとにこんなこと言っていいんですか?〕


 いいから。言えるのはグラミィ、あんただけ、それも今だけなんだってば。


〔うー……わかりましたよぉ。アロイスさん、ボニーさんを懸命にシカトしようとしてますしね〕


「アロイスどの。いくつか聞きたいことがあるが、よいかの?」

「なんでしょうか、賢女さま」

「まず『協力する』のはええが、そのぶんアロイスどのを含め騎士隊の働きが目立たなくなってもよいのかの?確実な勝利を狙うならわしらの力を盛大に見せる必要がでてくるじゃろ?」

「そんなことを気にかけるくらいなら、最初から申し出たりはいたしませんよ。もちろん、見せ場があればあったでもよいのですがね」


 即答だよおい。騎士の武勲(いさおし)はどこ行った。どーでもいいのか。

 ……いいみたいだよまじで。

 アロイスのプライドは騎士としての戦闘能力にあるのではなく、諜報部隊長としての情報管理能力にあるのかしらん。

 ということは、『王都の援軍が届く前に片づけてしまいたい』と言ったことも本気なんだろうな。

 だってこれ、意味するところは自分の功績を見せびらかすより、国内の負担を最低限にしたいってことだからね。


 もちろん、隊長としてのアロイスにとっては圧倒的少数という不利に兵士達が落ち込まぬよう、景気づけのための大言壮語という部分もあの発言にはあるのだろう。

 それでも国に働きかけて大軍を動かしたくない、という本音が透けて見えるんだよねー。


 国同士の争いともなれば農夫などの平民たちも駆り出されかねないし、そうすれば生産活動そのものがとどこおる。

 反対に軍隊とか兵士ってのは破壊活動を行うための存在であって、一切の生産活動をしない。

 お貴族様がそれぞれの手勢を引き連れるとなれば身分差を強調しようとより豪奢な消耗品を求め、質量ともに拡大するのは当然だ。

 食糧その他の生活必需品が生産できずに消費ばかり……。どんな経済損失だ。

 これで、国が荒れないわけがない。それは確かにそうなんだが。


 名より実を取るというのは、なかなか実際にはできないもんである。

 騎士にとっては名誉がある程度実利と直結しているからだ。

 むこうの世界でもそうだが、戦いというと気合いを入れて命のやりとりをするのは土地の取り合いだったり、忠誠や武勇、功績といった自分の価値を主君に見せつけたり、といったメリットのある人間だ。

 つまりは騎士や貴族階級ということになる。つまり支配階層。

 ただの足軽レベルな下っ端にそんな戦意は持てません。自分の命大事。


 まあ、アロイスには、ほかにも思惑があるんだろうけど。

 たとえば、王都への連絡は間に合うので兵は大量に集められるだろうが、それがいつになるか誰が指揮を執るのかとか、戦力として欲しい情報は、この状況では王とか宰相?とか、上層部の判断次第だからさっぱり読めない。

 下手すると戦力の逐次投入という悪手になってしまうんじゃないかとか。

 近距離に領地のある諸侯らに個別に書状を届ければ、喜んで参戦はしてくれるだろうが、自分の指揮下には絶対入らないだろうなとか。

 てんでばらばらに戦って、不利になったり負けたりしたら、お前のせいだとばかりにそのしわ寄せがこっちきそうだなとか。


「もう一つ訊くがの。『国境の向こうまで叩き返す』というが、アロイスどのは一兵たりとも生きて返さぬつもりでいるのか、それとも、ほどほどに損害を与えて兵を引かせるのが狙いか、どちらじゃ?むろんどちらもできる、という前提でよいぞ」


 アロイスがぐっと言葉に詰まった。そらそーだよね。


「……賢女さまもなかなか意地悪な質問をなさる。ここはむろん、ほどほどに叩きたいところだ。それがしは『図々しくも内鍵が開いてそうだからといって忍び込んでくる盗人を追い返したい』のであって『鏖殺したい(みなごろしにしたい)』わけではない。それがしがこの砦をあずかる間くらいは平穏を望んでもいいのでは、と思うだけだ」

「じつに短い間だな」

「永遠の平和なんてものは信じてないんでね」


 カシアスのおっちゃんにシニカルなお返事。チャラ系の外見に似合わず悲観主義者(ペシミスト)ですな、アロイス。あたしと気が合いそうだ。

 あいかわらず目も合わせてくれないけどな!


 ただ、まあ、基本姿勢はよくわかった。

 そんじゃ、情報収集といきたいところですがその前に……。

 グラミィよろ。


「アレクサンダー。ベネティアス。おぬしらはどうする?」


 隊長二人がぎょっとした顔をした。


 グラミィが参戦するなら、管理を頼んでた魔術士隊も当然旗下に入ると思ってたんだろう。

 そうはいかのほにゃららタコがひっぱる、ってね。

 そもそも、あたしたちは魔術士隊を分断してるけど統率はしてないんだってば。

 でも、この場合、彼らは自由意志で参戦するだろうね。


〔なんでですか?〕


 まー見てなさい。これが分断策のラクなところでもあり怖いとこでもあるんだから。


「わたくしはグラミィ様に従います。その方が監視も楽になるのでは?」


 きっぱりと言い切ったのはいいが、さらっとアロイスに嫌みか、これは。

 なかなかやるな、ベネットねいさん。


「ぼ……わたくしも、同じです!」


 分断策のラクなところは、これ。

 全員に同意させたければ、この場合は四人のうち一人にイエスと言わせればいいってことだ。

 ちなみに、それぞれのツーマンセルで上位の人間に言わせるのがコツである。とは言っても、上位である以上会話の主導権もその人間が握るので、適度にほっとけばいいだけなのだが。

 一人の上位者が言えば、そのツーマンセルはかならずイエスに動く。その動きを見てもう一つのセルは、遅れまいとやはりイエスに動くのだ。

 そしてベネットねいさんは、これまでの行動を見ていても自分の能力のアピールがすこぶるうまい。だったらチャンスは絶対に逃さないだろうと推測はできていた。


 それにだね、彼女の立場で考えたら、参戦しないということは自分が生き延びるチャンスをそのぶん減らしてしまうことと同義だ。この砦の中にいる段階で、攻めてくる相手にとっては敵でしかないのだから。

 Noと言える選択肢がほとんどないのだ。

 そのことに気づいたからこそ、魔術だけじゃなく状況判断のうまさを見せつける機会に変えたってわけだろう。人を殺すことになる覚悟も決めてのことだろう。

 ダテに平民出身で魔術士隊の長にまでなっちゃいないね。


〔なるほど、さすがボニーさん。やっぱり黒いですー〕


 ええ、テっカテカに黒光りするほどの漆黒を目指しておりますとも。


「よかろう。では、残りの二人には後で聞くことにするかの。アロイスどの、砦の周辺から国境までの地図はないかの」


 四地方の境なのだ。もちろん測量くらいしてあるよね、諜報部隊長?


 ちょっぴりわくわくしながら待っていましたが……。


 なにこれ。略図?

 持ってきた地図の大きさとは相対的なまでにびみょんなできばえですよ。

 い、一応、地形と砦までの距離は、わからなくはないけど……高低差がわからないのが困るな。

 うわー、テンション下がる-。


〔高低差を知って、何に使う気ですかボニーさん〕


 まあ、いろいろ?


〔だからその不安しかない適当回答はやめてくださいよー〕


「ところで、アロイスどのは国境で迎撃すべきとお考えかな?それとも、砦を囲まれてから迎え撃つのがお好みかな?」


 このへん戦闘にも作法とかいろいろありそうなので一応聞いておきたいところ。

 心話でつっこみつつも、ちゃんと訊くべきコトは訊いてくれるあたり慣れてきたよね、グラミィ。


「本来であれば、砦を使者が訪れてから、会戦の取り決めをして、定めた日時に戦闘を始める、のだがな」


〔なにその悠長さ?〕


 怒るなグラミィ。中世の戦争ってのはこういうものなんだ。日本の軍記物だって、戦場シーンの名乗りなんて、延々先祖の武勇自慢だぞ?

 ついでに言うと、現代の戦争じゃありえないほど死傷率が低いんです。


 というかだね、たとえ家畜を肉にしたり、襲ってくる大型肉食獣を退治したりすることに慣れている農夫を兵士に徴用したとしても、された彼らに自分の畑や放牧地を取られたという怒り、もしくはとられかねんという不安があってもだ、人間相手に殺し合うというのは勝手が違いすぎるのだ。

 自分も殺されかねんのだから。

 正当性を保障されてたって、それは同じことだ。

 じゃあ騎士のような職業戦士なら殺されかねんストレスにも平気か、というとそうでもないんだけどね。


 むこうの世界でちらっと知ったことなんだが、『殺し合いにためらいを感じる』、というのは、職業軍人や自ら戦場に出てきた義勇兵の行動にすら、第一次世界大戦のころまでずーっとみられたものらしい。

 その例として、どこぞの地方での戦闘記録だかが出てたっけな。

 なんと、その記録からは『大砲に詰めた弾より発射した弾の方が遙かに少ない』ということが読み取れたというのだ。

 つまり、大砲に弾を詰めては抜いて抜いては詰め、出しては入れ入れては出し、というのを、ずーっと『戦闘準備という名の合法的サボリ』としてやってたらしいんですな。じつにいい人間味があるというかなんというか。

 まあそれも敵味方の塹壕が近すぎて仲間意識が出たあまり、毒殺の可能性なんて考えもせずにクリスマスに酒やタバコを贈りあったなんてエピソードまであるらしき、のんびりとした時代までのことだ。

 毒ガスなどの大量殺人兵器が投入されてたり、一瞬にして半径何キロも焼きつくすような原子爆弾が作られた後ですら、近接戦というやつはなくならなかったが。


 次は自分が殺されるかもしれない……そのストレスは社会問題にさえなった。

 PTSDに最初につけられた名前は『戦争神経症』だ。


 かつて、泥沼の兵士の消耗戦が行われた。その戦場から生還した兵士も大きな心の傷を負った。トラウマってやつだ。

 帰還兵の中には、朝起こしに来てくれた自分の母親の首を絞めた人間もいるという。

 気づかないうちに近接距離にまで踏み込んだ人間を自分を殺す敵だとみなし、反射的に攻撃するレベルにまで訓練をされ、神経を削られていたせいだ。

 人間の頸動脈を締め上げて5秒脳に酸素がない状態が続けば、障害を起こす。そこまで自分の母親すら攻撃するほど兵士は追い込まれ、その家族も追い込まれた。

 世界を巻き込む大きな戦争を精神医学的に研究した結果から、徴兵制はジレンマに陥った。

 戦争をすれば、のちのちまで国に悪影響が起きるとね。


 ならば、直接死の危険に兵士達をさらさなければいい。


 もちろんそんなこと、あたしが生まれる前の話だったらしいけどな!


 ……前だったよね?


〔なんであたしに聞くんですか?!〕


 いや、つい。


 それはともかく。

 現代の戦争で大量破壊兵器の開発とは別にどんどん加速していったのは『被害者を見たくない心理』ってやつらしい。ワタシワルクナイの言い訳が増えたのには、報道機材の発達もあったのかもしれないが。

 カメラの目で捉えられた被害状況や、自分が爆弾を落とした相手がろくに戦闘能力のない一般市民だった、なんて真っ先に目をそらしたい事実だろう。

 戦場の興奮から醒めて平和な日常に戻った状態で、それら自分の創り出した死体と、たとえ映像であっても対面させられることになりかねんわけだしな。

 攻撃の精神的負担から逃げたいがためにか、モニター画面越しにミサイルの発射ボタンを押し、命中したかどうかを確認するだけという、爆撃の作業化を取り上げられて『GAME WAR』と呼ばれた戦争もあったっけなー……。

 現実味がないままに人の命が奪われることに批判が殺到したらしい。

 そこまで進められた技術革新は、精神的にも損耗を出さないことを目的とした結果なのにね。


 と、向こうの世界の戦争史を振り返ってる場合じゃない。


「今回だけは例外だ。わたしはこう考える。国境を無断で超えた者は、賊と認識するとね。そうでもない限り、砦の手勢で始末はつけられん」


 つまり国境を超えたところでいきなりこっちから先制攻撃をくらわしたい、ルールは破ったもん勝ちだぜヒャッハー!ってことですね。

 先手必勝、じつにいい言葉だよね。


 ただし、まともに使えるのはカシアスのおっちゃんたち騎士隊がギリアムくんがいないから、隊長のおっちゃんまで含めて10人、諜報部隊であるアロイスたちは20人弱とはいえ、あくまでも情報操作が任務なので実際の戦闘能力はカシアスのおっちゃんたちよりも低いかもしれんと思っておいたほうがいいだろう。

 ついでに魔術士隊の残り4人。そんでもってあたしとグラミィの40人弱。


 ……牢の中の人間の方が多いって、どーゆーことだってばよ。


〔……ボニーさん、今のうちに逃げた方がいいんじゃないんですか?200人相手とか、勝てそうにないっぽいですし〕


 イヤイヤ。

 現実見ようよ、どうやって逃げる気よ?

 逃げるって表明した段階で、まず砦に対して敵対……まではいかないにせよ、今のように味方扱いで面倒みてもらえるわけじゃないから。

 もうベネットねいさんたちが参戦を表明してる以上、比較対象として特に冷たく見られるのは間違いない。

 カシアスのおっちゃんたちは頼れない。彼らは戦うだろう。

 だったら、馬も馬車も貸してくれるわけがない。つまり逃走手段がない。

 徒歩でこの岩山を逃げるつもり?最低限の食糧持って、ったって相当な荷物になるよ?そもそも脱走者になんか食糧わけてくれないだろうし。

 あたしはほら、骨だからいいけどさ。

 それにね、アロイスの負けを予測するなら、砦が抜かれることまでちゃんと考えようよ。

 徒歩で逃げてたら、まず追いつかれると思わない?

 下手したら追いつかれる前に死ねそうだけど。


〔……それはそうですけどー……〕


 それに、勝算がないなら、あのアロイスが戦いの構えをとるわけないと思うんだよねー。

 彼は自分たちの強みと弱みをちゃんと把握している。弱みだけしか見えてなければ、今頃は数頼みのためにとっとと籠城を選んで準備を始めているだろう。

 なら、あたしたちだってそれに見合う強さを持つべきだ。

 もちろんできないことも、弱みだってたくさんある。だけど、強みも弱みもどれだけ正しく把握しているか、つねに過去から学び今後にどうその結果を活かすか、対策によって強みに変えられるかが問題だ。

 特に、明確な敵がいる今は。


〔理系じゃないから人数差しかわかりませんー〕


 あたしも文系だよ?ナカーマ。


〔あう。逃げ道塞がれた〕


 そう簡単に逃しゃしませんよ?

 では社会科学や人文科学といった、モロに文系なお勉強をちょっとしようじゃないの。


 人間同士の問題って、心理的要素を重点的に押さえればいいって知ってるかな?

 経済も教育も心理学に裏打ちされているのはそういうことだ。

 行動の原因となるのは感情。

 特に不安は不和を呼びもし、争いの原因ともなる。その一方で人の従属をも促し、時には集団を崩壊させるくさびともなる。

 つまり、今回勝つために必要な魔術師のお仕事というのは、魔術でも戦略でもなんでもいい、とにかく相手を驚かせ、怯えさせるという正攻法ではない裏技をひねり出すこと、それをきっちり実行すること。アロイスはそれを期待しているわけだ。


〔なるほど。ハッタリと脅かし、それならなんとかできそうですね〕


 ただ、問題は時間だ。

 あと二日でどれだけの準備ができるか。

 一撃必殺、な勢いに怯えて逃げ出してくれそうな先制攻撃をくらわせるために。


〔攻撃って、いやあのボニーさん?直接人を殺す気でいるんですか?ハッタリ利かせて脅かすだけでいいんじゃないんですか?防御はどうするんですか?あれだけ魔術知りたい覚えたいって言ってたじゃないですかー〕


 盛りだくさんなツッコミをありがとう。

 だけど、相手はこっちを殺す気どころかおそらく砦を、うまくいけば国も落とす気で来てるのだ。

 こっちにそんな気がない?

 なら好都合とばかりに蹂躙されるよ?


 グラミィが、そういう意味でこの世界に慣れたとはいえんのはわかる。殺し殺されることに抵抗を感じる、むこうの世界の良識や感覚を持ち続けているのもわかるよ。

 でも死にたくなければ自分が殺す側になることも覚悟しときなさいよ。

 ベネットねいさんができた覚悟だ、グラミィ、あんたもしとけ。

 戦があるってこと、命がかかってるってことはそういうことなんだ。


〔…………〕


 あと、攻城兵器相手にたかだか一人の魔術師が防御しようったって、焼け石に水だからね?

 どうしたってくらえばダメージは通る以上、攻撃そのものをくらっちゃいかんのだ。

 この人数差で同量のダメージを与えあったとしても、単純計算して相手の五倍のスピードで死ねますから。確実に。


 というわけで、考えましょ。むこうさんをびびらせるような対策を。


〔怯えさせるっていうだけなら、一つ思いつきましたけど……。攻撃じゃないですよ?〕


 お?言ってみれば?フォローはするよ?


案山子(かかし)でもつるしておくかの。裏切り者を処刑したていで」

「案山子といいますと……?」

「適役がおる」


 って、おい。

 あたしのことかよ?


 進軍してきた彼らが国境を超えたとたん。


 ……なんということでしょう、荒涼とした岩山を背景に、見せしめ風野ざらしがにこやかにお出迎え。

 すべての歯を見せたほがらかな笑顔です。肉がないもんな!


 ……。


 インパクトあって、いいな、それ。


 あたし的には、ちょっと切り刻んだサージのローブでも着て、あとついでに折っといた彼の杖も添えて、一日くらい杭にくくりつけられてさらし者状態になっているだけの簡単なお仕事です。

 それにあたしなら、喉も渇かない、お腹も空かない、眠らない、凍えない。

 いざとなれば背後から魔術を撃って挟撃されたと誤解でパニックに陥れることもできそうだ。

 攪乱要因……もとい要員としては確かに適任ですな、うん。隊長二人も頷いてるぞ。

 つーか鬼ですか。よくスパっと考えついたなこんなもん。


〔褒め言葉と受け取りますよ〕


 受け取っていいぞー。寡兵でどーにかする案としてはめちゃくちゃいいもの。伏せとくのはあたしだけですむんだし。


「あのう、グラミィ様。それは難しいと思います」


 ……ベネットねいさん、言葉は選ばなくていいよ?

 顔にはっきりムリって書いてるじゃん。でも理由はちゃんと教えてね?


「なぜそう思う?」

「ボニー様は魔力が多すぎるので、敵に魔術師がいたり、魔物を連れてきていたりしたら必ずばれます。それに、魔力の質もその、通常の骨とはおそらく違いますので……」

「「詳しく説明してくれ」」


 こらこら。ねいさんにあんまりぐいぐい詰め寄らんでくれなさい、おっちゃんもアロイスも。ねいさんが君らの気迫に怯えてるじゃないですか。


「……まあ、そのあたりは、あの二人も呼んできてからにするかの。そろそろ頭も冷えたところじゃろうし、そもそも書状どころの騒ぎでなくなったしの」


 ナイスフォローです、グラミィ。

 その調子で隊長二人をなだめながら、ねいさんから情報をうまく聞き出しておくれ。

拙作が多少なりとも暇つぶしになりましたら、感想やレビューをいただけると励みになります。

よろしくお願いいたします。

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