―飛翔―
どうも、祈りです。
つかの間の休日、楽しみます。
また明日から忙がしい日が始まると思うと気が重いですね。
では本編へどうぞ!(っ´ω`)っ
グランデールは地下から這い上がってきた人間だ。彼はスラム街に生まれ、生活費を稼ぐために子供のころから戦場に向かい、何度も生還した。
(砲撃がとまった、弾がきれた...いやそんなはずない)
グランデールは幾度の戦場の経験で黒翼のことはある程度知っていた。黒翼の血が混ざった部隊に中途半端な装備をするはずがないことを理解していた。
(死兵か、まだやってるのかよジジイ)
グランデールも昔経験したことだ。地下の秘密通路を通っての奇襲、しかし毎回保守的な国王と貴族のせいで殲滅とまではいってない作戦のこと。
(悪いな、こっちは黒龍で手一杯になる)
戦場の反対側で奮闘しているであろう名前も知らない少年に詫びを入れる。少年達が作り出したチャンスを物に出来ない大人達を代表して。
「今だ、黒龍を討ち取れ!」
この言葉を合図に一斉に前線を上げる衛兵と後方から砲撃が放たれる。
彼は重い鎧を好まない、重い鎧で護るより結局当たらなければいいだけの話だ、という思考で彼は最低限の防具しかつけていない。
黒翼のスタイルに侵されたのか、もしくは対抗したのかは分からないが、彼のスタイルは似ていた。似ているスタイル同士なら、結論的に物を言うのは実力、彼は実力で勝ち抜いてきた。
そしてそのスタイルで彼は戦場であり得ないスピードを出して黒龍に向かって走る。
荷車についた四人。荷車には待っていた白竜と牛、そして黒翼の脱走兵二人。
「...その少年はどうした」
脱走兵の男性がミナトに気づいて声をかける。黒翼だとばれないように二人は白い布をはおっている。
「...守りきれなかったもんがあったんだ」
アランがミナトを連れて荷車に向かう。ミナトの目は光を認識していないのか焦点があっていない。
「ミナト、分かるか...何か言ってくれ」
ショウが懇願するように問いかける。親友の身を案じているのか、いつもの飄々とした態度が見えない。
「...あの人は...どうなった」
「ここは戦場だ、気にしたらだめだ」
「...なら、戦争はどうすれば終わる」
ミナトの目が焦点を取り戻した。そしてショウはミナトの考えがすぐに分かった、自分も同じことを考えていた時があったからだ。
「...黒翼の思想がある以上 ...終わらない」
荷車の外で様子を見ていた脱走兵の男性が答えた。
「人が誰かより優れたいと思う気持ち、それは強く願えば凶器に変わる」
黒翼にいたからこそ辿り着いた結論には誰もが納得した。
「なら...戦争は終わらないじゃないか」
「そうだな、今回の侵攻はだいぶ戦力を抑えていた、いわば様子見だ、ドラゴンも一匹しか入れてないからな」
そんな慈悲の欠片もない、遠慮のない発言にその場の空気は静まりかえる。
しかし、ミナトと脱走兵の会話は予想もしない方向で結論を出した。
「なら」
ミナトの目に光が戻った。
「ドラゴンを」
全員がその単語で何を言おうとしているのか理解した。
「その一番の戦力を」
ミナトが焦点を取り戻した、まっすくアランの目を見る。
「殺せばいいじゃないですか」
その後ろで、白い球体がその感情を読み取って黒く染まる。
「...!そのタマゴ外に出せ!」
アランの合図でリーナが黒く染まった球体を運び出す。その球体はいつのまにか線がついて、何となく翼、目、足に見えた。
球体がミナトの意思を示す。膨らみ、歪んでいく。
「まずいな」
「っ!んだよこれ」
「孵化...したんですか」
ミナトを除く三人がそれぞれの感想を口にする。白い球体からは想像できない、光を反射して黒光りする黒龍を前に圧倒されている。
―グラァァ―
―ガギュゥゥウ―
白竜と黒龍は何か同じ思考に達したようで、黒龍はミナトを背に乗るように誘導する。
「おい!ミナト!」
「すみませんアラン、行かせてください」
ミナトはポンポンと黒龍の背を叩いて、それを合図に飛翔する。
「くっ...白竜!」
―グガァ―
それを待っていたように、アランを乗せて飛翔する。
二人はドラゴンの背に乗り、戦争を終わらせるべく飛び上がった。
読んでいただき感謝です。
祈りです。
白竜がすでにいるのだから次は黒龍だろうと決めてました。
しかしいざ書いてみると白竜と黒龍でギュウギュウですね、なので誰かメインキャラ降ろすかww。
そんなことはいいとして、キャラ少ないですよね、これ。
このレリアの話が終わったらキャラ増やそう。
ではまた明日、お疲れさまです。




