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白竜と共に生きる新世界  作者: いのりさん
レリア防衛編
46/105

―護れなかった―

どうも、祈りです。

お手にとっていただき感謝です。

ほんとに時間ないですが、どんな話にするか決めてるとすぐですね。

時間あるときにチョロっと書いてます。

では本編へどうぞ!(っ´ω`)っ

「あれ、素じゃなかったんだ」

ゆらゆらと体を左右に揺らして挑発するのを止めて、真剣な眼差しで問いかける。


「ただの子供だと思ってビビらせに行ったら、高い釣りが返ってきたんだ、これ以上舐めたりはしない」

引き裂かれた脇腹の痛みに慣れ、支えた手を離して剣に添える。


ミナトと黒マント、同時に駆け出した。

剣がぶつかり合う。しかしその均衡はすぐに崩れた。

ミナトの剣は届かない、全てさばかれている。しかし黒マントの剣はミナトにさばかれても左右ギリギリを掠めていく。


「...くっ」

ジリジリと詰められるミナトは右足を踏み込んだ、そして剣を持ったまま殴り付ける。


「...!」

とっさのことに反応が出来ず、黒マントは右肩にミナトの拳の直撃を受けて後退する。


「はっ...俺はカイルっていう、黒翼の剣士だ」

「...突然どうし...」

間合いが離れたと思ったら、突然かけられた言葉の意味が一瞬理解できなかった。

彼はミナトを越えるべき相手と認めて名を名乗った。

「俺は」

「いや、いい」

ミナトが名乗り返そうとするのを左手でとめる。

「俺は剣士だからな、剣で見定める」

ミナトが剣士でないことを見抜かれた、事実ミナトは剣を持っているだけで心構えや作法など何も知らない。


「そうか」

ミナトが地面を蹴った、左右にフェイントを入れながらカイルに走っていく。


その動きにカイルは目を見張る。裏切られたと感じたからだ。

(舐めてるのはキミのほうじゃないか)

フェイントを入れたとはいえ、人が出せる速度には限界がある。正面から突進しているのとあまり変わらなかった。


ミナトはカイルを右真横に見たとき、吼えた。

「ハァァァアッ!」

吼えると同時に右手の剣を真横に振り抜く。


(そんな正直な動き)

その右手の剣を妨げる軌道、自らの胸を狙った軌道に剣を置くカイル。

(この剣を止めたら完全に俺の間合いだ)

ミナトは剣を振り抜いた形で、カイルは剣をほぼ動かしていない、次の動きに入るスピードが違う。


しかし、カイルはその裏切られた感情が間違っていたことをすぐに察した。

ミナトは右手に剣を持っていなかった。


ミナトは右手の剣を左手に持ち変え、狙ったのは右の脇腹だった。


(俺の真横にまで走ったのは体で剣を隠すためか!)

カイルは未だに彼を下に見ていたことに気づいた。自分から攻めず、相手の行動に合わせて対応する戦い方が知らず知らず自分の首を絞めていた。


「...が...ぁ...」

皮膚が裂けるのが分かる。それと同時に激痛が走って意識が塗りつぶされる。

「...終わりです」

そんな声が聞こえた、自分の体が倒れていくのに気づいた。

ミナトは剣を右手に持ち変え、カイルの首に添えて自分の体でカイルを押し倒す。


―ブシュ...―


小さな音をたてて、カイルの首から鮮血が吹き出した。

鮮血がミナトにかかって、服についた血はすぐに蒸発する。


ミナトは右手に持った剣で人を殺したのだと理解した。


「あ...ああ...」

ミナトの目が焦点を失う。


「俺が...」

あれだけ護ると言っていた命を刈り取った。

護るために使うと決めた剣で。

ミナトは首に剣を添えて降伏を願った、そのつもりだった。

しかし焦りと自らの未熟さで皮膚を裂いてしまった。


「俺は...」

ミナトはカイルの目を見た、カイルの目は光を失って虚空をただ眺めている。


「俺は...」

刈り取った命の重みに耐えきれなかった。

ミナトは大きな涙を両目から流しながら、ただそこ立ち尽くした。

読んでいただき感謝です。

祈りです。

ミナト殺人鬼の初登場です。

主人公って殺しをしてはいけないですよね。

そんなの知りません。

ではまた明日、お疲れさまです!

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