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ついたキャバクラの名前はELF。妖精みたいなかわいい子がたくさんいるよってことかな…

確かに妖精のごとく身長ひくいんだけどさぁ…

私の身長は約150cm。約に突っ込みを入れてはいけません。あと、体重は機密事項です!


そんな自虐を考えながら扉の前で立ち往生する。面接の時間はもう近づいているが、それでもこのキャバクラ特有の雰囲気というものが感じられてしまい躊躇する。

よくわからないけど、ちょっとピンク色な想像をしてしまう。仕方ない。


自分に勢いをつける。ドアを触る。表面は鉄の冷たさを感じる。

この時の私はこの奥は大量の金貨が埋まっていると考えていた。自分の努力次第で金欠の解消どころか貯金もできるがごとく。


――


扉が開く。備え付けられたベルだろうか、チリンと室内に響く。その中は広く、円形のテーブルがたくさんあった。

照明は少し暗く、これは予想した通りであった。もちろん少しお酒の香りもする。ねっとりとした空気が肌に触れる。

しかし予想していなかったのはこの夕方になりかけの時間帯であるのにキャバクラが営業していることだ。

しかもお客さんも入っている。扉の開く音で予想していなかった視線の数がこちらに向けられる。

少し、恥ずかしくなった。が、ここに来た理由を思い出さなければ……


「あ、えと、こんにちは…!面接受けに来ました、ゆらるです!」


変なイントネーションになっていないか、気になる。お客さんが嬢と思われる人と向きなおす。特に印象に残らなかったようだ。

一人の嬢が席を立つ。お客さんに少し話してから、扉の前にいる私に近づいてくる。


「こんにちは、今日予定していた新人さん?」


身長が私より少し高く、店特有のドレスの服装のせいか少し大人っぽい。そんな印象を受けた。

はいそうです、と私は言いその人に店の奥へと連れて行かれた。歩くたびに揺れる裾が照明に照らされキラキラしていた。


――


店の奥、あの大人びた空間から二つ三つの扉を超えるとそこには一人暮らしかのような部屋が現れた。特別広くはないが、少し前にやっていたコンビニバイトの控室よりはとても狭い。土間には様々な靴が頓着なく転がっている。

その部屋の扉を開けた先は2LDKとなっており、居間は少し整理整頓されており特別に汚い印象は受けない。二つの部屋の繋がっているであろう扉は閉まっていた。照明は一般的な蛍光灯が光っており先ほどの空間とは全く違う印象を受ける。

居間の真ん中にはこたつが存在している。九月でもまだ早い雰囲気がした。その他にも冷蔵庫や電子レンジなどの通常の家電が置いてある。しかし洗濯機を置くべきであろう水道が壁からむき出しにされつながっていた。


「そこのこたつに入ってちょっと待ってて。すぐ担当の子連れてくるから、ね。」


そういい先ほどの嬢の方が部屋から出ていく。この部屋で独りぼっちにされてしまった……

少し空虚な感じがしていたたまれなくなる。とりあえず私は履いてきた靴を脱ぎ、こたつに直行する。

その電源は入っておらず期待した暖かさが全くなかった。残暑の感じられるこの時期に入れることもまだないのだろう。


カーペットの上に寝転がる。視界の先に部屋の扉が見えた。見える扉には休憩室と更衣室の札が掲げられている。

この居間は休憩室ではないのか、と思い立ち上がる。その部屋のドアノブに手をかけ、扉を開ける。少し軋んだ音がした。


――


その扉は簡単に開き、中の様子を見て驚く。とてつもなくごちゃごちゃしている。

床に服や布団のようなものがばらまかれ、クローゼットはちゃんと閉じられているものの方が少ない。足の短い机の上にはお菓子やジュースのごみが散乱している。

更に見ると部屋の奥の方には先ほどの嬢のような服で寝ている女の子がいた。その子は先ほどの扉の開く音が気になったのか目をこする。

起こしてしまってすみません、と声をかける前にその子の口から言葉が発せられる。


「おはようございますぅ…。初めての顔だね、もしかして私が担当する予定の新人さんですかぁ…?」


――


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