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そんな折、荷馬車に食料や本などを積んできたケイティ達に、シンは一つの頼み事をした。
「花を持ってきて欲しいんだけど」
「花? 種を? なに、花屋でも始めようっての?」ケイティが訝しげに口を曲げた。
「苗ごと、花が咲いてるやつがいいかな。体動かしてないとおかしくなりそうでさ」
シンが言うと、スコットが率先して花を集めることを引き受けてくれた。
「花は何色がいいかな?」
スコットが訊くと、シンは迷わず応えた。
「色々あるといいけど、白い花が多いといいかな」
「わかった」
それから暫く、荷馬車には白い花の苗が山のように積まれて運ばれてきた。
シンはただひたすら、届いた花をログハウスの周りに植える作業に没頭した。
ログハウスから湖の辺へと続く草原は白い花と、それを彩る色とりどりの花で満たされつつあった。エマが目覚めてベッドで体を起こした時、窓から一面の花畑が見えるようにするのが、今のシンの日課だった。そんなシンを時々手伝っていたケイティとスコットは、一仕事終えると必ず口を揃えてこう言った。
「そのうちあたしらの館の庭師として雇ってあげるよ。干からびるまで面倒見てあげる」
シンはそれを聞くと必ず鼻で笑い飛ばして「絶対嫌だ」と真顔で答えた。
2016/12/28 改稿。




