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魔神になった少年  作者: キタビ
第五章 ミスティア遺跡と黒き者
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 3

 六台の荷車を引いた馬は、深い森に吸い込まれるように足並みを揃え、勢いよく突き進んだ。

 青葉あおばをつけた木々が辺りをおおって影を作り、空気はわずかな湿気しっけびた。太陽の光をさえぎる森の影を、風を切ってけ抜ける。それから二時間ほどで、遺跡付近の開けた場所へ辿り着いた。木の葉が幾重いくえにも重なっていた一箇所に、光が差し込み、茜色あかねいろの空と雲を覗かせる空間があった。


「長旅ご苦労。今日はここで一晩明かす。明朝みょうちょう、日の出と同時に遺跡に入る。各々《おのおの》体を休めておいてくれ」


 スレイヤーが言うと、兵達はすぐに馬のえさや野宿道具を荷台から降ろした。シン達は率先そっせんしてテントを張り、火を起こして食事の準備に取り掛かる。

 屈強くっきょうな男揃いの機工兵達は、ここ数日の旅路で目の当たりにした三人の手際に、トレジャーハンターという者に対する見方を変えていた。出発時は「ガキが先導で大丈夫なのか」と不満を吐露とろしていた者も、ケイティが似合わない愛想のいい笑顔を振りいて相手をした甲斐かいあってか、すっかり打ちけている。


「トレジャーハンターなんてろくな連中じゃねえと思ってたが、お前らいい仕事するぜ。探査の時もこの調子で頼むぜ」


 強面こわもての兵がケイティとスコットの肩をがっちりと掴んでにかっと笑った。


「おじさんも遺跡じゃあたしらの指示には従ってね、そうすれば大怪我しないですむからさ」


「言うじゃねえか。俺達は屈強くっきょうなヘイタイだぜ、そう簡単にやられるかってんだ」


 笑う兵と一緒に、ケイティとスコットも調子を合わせるように笑った。

 そんなケイティの口元が、にやっと猫のように笑ったのを、スコットは見逃さなかった。

2016/12/27 改稿。

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