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選択結果は異世界でした  作者: 守月 結
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041話 その条件とは

短め

というか、私の投稿は全部短いのかもしれない。すみません。

「団長、よろしかったので!?」


「あぁ、彼ら自身が我々がいなくてもいいと言うならな。」


「それにしても長いねぇ。」


シン、クリス、サラがアレクと話し始めてから、およそ一時間ほど。

ガイン、マキシム、ローレンスは別の部屋にて待機をしていた。

この三人がなぜこうもあっさりと不透明な尋問を許可したかというと


(我々が聞きたくとも話してくれないし、仕方ないよね~)


とはローレンス。


(シンやクリスに我が部隊を鍛え直してもらうのもありだな!)


とはマキシム。(要するに何一つ気にしてない)


(あの小娘が余計なことを言っている可能せもあるが…特に問題にはならないだろう。あの初撃には驚かされたが、所詮は『ウバワレ』だ。末路は決まっている。)


三者三様の考えのもと、特に問題なしと思ったからであった。

そしてその三人で雑談をしていると…


「お待たせしました。」


シンたちが帰ってきた。


「おぉ!有益な情報は得られたかね!?」


「"あたちたちにとって"有益な情報はあったわね。」


「というと?」


「アレク…本名はアレックス・ウィズ。バスティル連合国の元研究員です。百年以上前のお話なので、信じられないかとも思いますが…

私が聞いたところでは、それ以外みなさんのお役に立てる情報は…」


「アレックス・ウィズ……ふむ、確か聞いたことがあるな、かつて存在した狂気の研究員だと。」


確かにあいつは狂気の研究者ってのが似合いそうだ。

だがガインさんも知ってたとはな、あいつやっぱ有名だったのか。


「なるほど、ならば急ぎバスティル連合国に連絡をするのがいいのか。」


「でも百年も前の人ですよ?そんな人が生きてるなんて普通は信じれないんじゃ。」


「?別にエルフの血が混じっていれば、有り得なくもないだろう。先祖返りなぞしようものなら、百年なぞ一瞬だろう。」


マジで!?

エルフとかもいんの!?

……この世界にきた当初田舎の山村だったせいか、マジで情報が足りねぇ…

これは本気でこの世界の常識とかを、しっかりと勉強しなきゃいけないな。


その後、いくらか六人でやり取りをし、おおよその方針が決まった。

勇者候補の話や取引の話は、敢えて言わなかった。


一、アレックス・ウィズは王都へ護送

二、然るべき調査、尋問の後バスティル連合国への連絡

三、その後はバスティル連合国との調整次第

四、アレクの護送ついでの、俺達の王都での叙勲


取り敢えずそこまで決まって、俺達は解散した。

俺達も"何一つ遠慮すること無く"褒美をもらうことにしたのだ。




********************




「本当に良かったの?」


「何が?」


その日の夜、宿に戻って夕食を食べている時にクリスが小声で訪ねてきた。


「何がって…取引に応じちゃったじゃない…」


そう、俺たちはアレクの提案に乗ることにしたのだ。


「まぁ、いいんじゃない?無理やり言わせる方法もないわけではないんだろうけど…拷問とか、俺は嫌なんだよね。」


「あたしだって嫌。でもまぁ…これで村の人達の居場所がわかるからいいか…」


「向こうから王都への切符を渡してくれるとはね。」


取引その一

王都までの護送に俺たちも参加すること。それができ次第、村人の居場所を教える。


詳しい理由は教えてくれなかったが、アレクは俺達がなんとかして護送に参加するように言ってきたのだ。


『「"万一のことを思って自分たちも参加した方がいい"とかなんとか言って、王都まで護送してよ。まずはそれが条件。それができたら、村人の居場所を教えるよ。」』


「でも何で護送ぐらいで…」


クリスは訝しげな表情で考えだす。

確かに、若干意味不明な条件ではあるが


「いや、多分そうすんなりとは行かないだろう。」


「え?」


俺は卓上の水に少し口をつけ、更に声量を抑えて、クリスに自分の考えを伝える。


「王都までの護送。言ってしまえばこれだけだけど、その本分として『護送対象を守る必要』があるんだ。」


「それはわかるけど…」


「騎士団に囲まれ、かなりの実力があるガインさんもいる。それなのに、俺達にも護衛を頼む。はっきり言って過剰戦力だ。」


少なくとも、真正面からやりあえばガインさんは俺と同程度…剣の腕前だけ言えば、確実に俺より上だろう。

何でもありなら『超電磁砲』で跡形もなく吹き飛ばすが。


「つまり…騎士団でも、ガインさんでも確実ではない"何か"があるんだ。」


「それって考え過ぎじゃない?」


普通はそうだろう。

だがあいつの言い方が妙に気になる。


「……『護衛に参加しろ』『一緒に王都に来い』なら、ここまで考えなかったと思う。

だけど奴は『王都まで護衛しろ』と言った。まるで王都までの道のりで"何か"が起きることが決まっているかのように…」


「それは…例えばバロックがアレクを助けに来るとか?」


「ならこんな条件は言わないはずだ。『始末しに来るから守ってくれ』って言うならわかるけどね。」


だがその可能性は少ないだろう、俺の勘の要素が強いが。


「………うーん……むー………」


クリスが唸っている。

数ヶ月いてわかったけど、クリスもかなり勘は鋭い。

でも野性的な勘であって、理論建てて、筋道立てて考えることに関してはめっぽう弱い。

今も頭から煙が出そうな勢いだ。


「考えてたって仕方ない。護送は明後日だし、それまでに色々と準備しておこう。」


「………うん…」


納得はしていないが、渋々うなずいてくれた感じだ。

……なんとなくではあるが、クリスもわかっているんじゃないだろうか?

俺が敢えて伝えなかった可能性に。

その可能性を必死にかき消そうとし、悩んでいるのではないか。


…それこそ、考えたって仕方ないか。


開き直って、俺達は食事に戻った。

お読みいただき、ありがとうございます。

ブクマ・感想・評価等本当にありがうございます!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!


昨日からの微妙な天気でテンションだだ下がりです

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