付録 『用語集』いわゆる設定資料
CC
シー・スクェア。シーシー、シーツーなどとも呼ばれる。
サーキュラー・コンスタントの略。円周率。
仮想世界の名前であり、それを支えるシステムの名でもある。
『理論上全てがある』世界。
CCC
シー・キューブ。通常は単にキューブ、箱、などと呼ばれる。
サーキュラー・コンスタント・コンバーターの略。円周率変換装置。
円周率を疑似感覚に変換する装置で、これを使用してCC内にダイブする。
名前の通り立方体をしているものが多い。
最新型のものは栄養補給や排泄管理、電気刺激による筋力維持機能等を備え
半永久的にCC内に滞在する事を可能にしたモデルも存在する。
発見
有機的分散コンピューティング。
人間が円周率のランダムデータの中から、無意識的に『不要・矛盾』を除いて
意味のあるデータを掬い上げる行為。
CCは参加者の脳の一部をCPUの一種として使用しているという意味でもある。
創作
CC内で『発見』したデータに手を加え、別のものを作る作業。
CC世界には基本的に、発見されたデータか、創作されたデータしか存在しない。
職人
CC内でデータを作成する事を生業にする職業。
発見、もしくは創造されたデータをCC内で複製する事は不可能だが
外部に持ち出す事は出来る。
CC内で作られた仮想物質の各種データは様々な用途で利用可能であるため、
現実世界においても売買が成り立つ。
と言ってもその多くはそれで暮らしていける程の金額ではないが、
CC内で生計を立てている職人もごく一部ではあるものの存在している。
冒険者
未知の領域を『発見』する事を生業にする職業。地図作り職人でもある。
優れた冒険者は一日に100kmの距離を地図を書きながら踏破し、
その誤差を0.5m以内に留める。
魔法使い
ウィザード。
『法則』そのものを作り出すプログラマ。
CCには『物質は下に落ちる』『一定期間ごとに季節が巡る』など、
現実を模した標準的な法則が用意されているが、
これをある程度変更する事が出来る。
変更、もしくは新しく創造した法則を『魔法』と呼び、
魔法を作る職人の事を魔法使いと呼ぶ。
魔術師
ソーサラー。
魔法使いの作り出した魔法を買い、行使するユーザ。
研究者であるウィザードに対し、それを実際に使う技術者である。
本来、使うのに複雑な手順が必要な魔法を圧縮し、簡単な呪文で
呼び出せるようにした代わりに柔軟性を無くしたものを『魔術』と呼ぶ。
その性質上、殆どの魔法使いは魔術も使用するが、
自分自身では魔法の作成をしないものを特に魔術師と呼ぶ。
ウィザード無くしては存在できないものの、戦闘や実務においては当然凌駕する。
二つ名/称号
優れた職人に送られる名前。
慣例的に、シンプルであればある程優れているとされる。
原点
オリジン。
その分野でもっとも優れた職人たちの総称。
その職業の名前そのものを称号として持っていることからそう呼ばれる。
アバター
現実世界の人間が、仮想世界CCで活動するための仮の肉体。
CC内で唯一、『発見』でも『創造』でもない方法によって作られる存在。
基本的にはCCC内部に設置されている測定装置によって
測定された本人の各種データが使用されるため、
現実と仮想世界上での姿に違いはない。
が、魔法によって変化させたり、CC内で創造された義肢や義体に
換装する事も出来る為、実際には現実の姿とは大きく差のあるものも多い。
人形師
ドールマスター。
人形を作る職人の総称であり、同時にクラフトの二つ名でもある。
この場合の『人形』は必ずしもヒト型である事を意味せず、
人を含む動物全般の身体データを作る職人である。
義手や義足など、身体の一部分だけを作ることもある。
迷宮主
ダンジョンマスター。
地下迷宮を作る職人の総称……であるが、オリジンであるミケーネ以外に
二つ名を名乗れる規模の迷宮を作った職人がおらず、実質的に彼女が唯一にして
最高の迷宮主である。
その原因としては、ダンジョンというのは作るのに途方もない時間と熱意が
必要であり、作ったからと言って一部分だけを切り売りする事も困難であるため、
相当な期間をただ迷宮製作のみに費やさなければならない事があげられる。
地図師
マッパー。
一般的には冒険者を指すが、職人としての側面をクローズアップした場合の呼び名。
未知の領域を発見し、世界を広げるという行為に何よりも魅力を感じる
シルウェスが唯一自称する称号でもある。
魔物
魔法や魔術によって作られた仮初めの肉体を持つ怪物の総称。
一般的な作品のように素材そのものに手を加えて作るのではなく、
素材の上に一種の幻影を被せることによって作り出された存在。
幻影といってもCC内に置いては実物同様の能力を持つ。
幻影体を破壊すると、本性である素材の姿に戻る。
使用許可
パーミッション。
自分の作った魔法や魔術を、他人にも使用できるようにすること。
魔法や魔術のコードそのものを渡す場合に対して、
都合が悪くなれば取り消せる、二次配布を防げる等の利点がある。
果て
CC世界の最端部。CCは無限に広がるので、『見つかっている』範囲での話。
なお、現時点でCC世界の総面積は地球の約四倍に上り、
そのおよそ三割をシルウェスが発見している。




