君がいた夏。‐これからの僕‐
「あと一年しか生きられない」
そう医者から言われたら人はどうするだろうか?
今までの貯金を使って遊びまくる人。
そんなことを言われても普通に生活する人。
答えはさまざまだと思う。
半年前の僕だったら迷わずこう言うだろう。
「今すぐに死ぬ。」
今すぐに君の所に行く。
一年生きる必要はない。
一年前君を失い、僕は生きる意味をなくしていた。
辛かった……。
寂しかった……。
僕が見た現実はあまりにも残酷すぎた。
だからこんな答えしか出てこないだろう。
でも今は違う。
僕が死んで天国にいる君に会ったら、
16才という若さで自らの手で旅立った君に話すんだ。
僕の思い出を。
僕の人生を。
たくさん話すんだ。
僕がどんな人と出会ったとか、
僕が何になったとか、
いっぱい、いっぱい。
話すんだ。
だから僕は生きる。
君のいない世界で、
君が見ることが出来なかった世界を見るために、
これからもずっと生きていく。