140 次は……また来週かな?
アクセスありがとうございます。
模擬戦の結果は、散々だった。
昨日の作戦を意識してもらった3戦は、善戦できていた方だと思うが、新しい戦い方をし始めたセバスには、手も足も出なかった。
定石といっていいのか決まった攻め方があり、それに対する対策をしていないと、本当に一方的にやられることになる。腹立たしいより、ランカーの人たちはこれらを全部理解して対処できることに、俺は驚きを隠せないよ。
ランカーになれば、自分の得意な攻め方があり、それがはまるとランカー同士でも、一方的な試合になることはままあるそうだ。
俺もゲームに慣れてきたら、自分らしい攻め方をいくつか覚えて、それを中心に戦闘をすれば強くなれるでしょう、だってさ。
気になったので聞いてみたのだが、ランカーとセバスが一切の縛りなく戦った場合、勝率はどの程度だと予想しているのか聞いてみた。
セバスは悩むことなく『ランカーの方が勝率が高いでしょう』と言い切った。
制限がないと仮定しても、セバスが勝ち越せないってことは、ランカーの強さは知識や技術以外にも、ひらめきのようなものがあったりするんかね?
模擬戦の合間に、俺の考えが違うことを教えてくれた。
ひらめきとかではなく人工頭脳の場合、その場に合った最適解を選ぶため、先の事を考える前に行動してしまうのだとか。そのせいで、詰将棋のように追い込まれて負けてしまうそうだ。
でも、セバスたちならそこまで読んで動けるのでは?
これも違うようで、人工頭脳の場合は、数多ある可能性の中から最適解を選ぶことが普通なので、その部分を変えようと思うとストレスを感じてしまうそうで、続けているとバグが発生してしまうんだとか。
じゃぁ、人間と陽電子頭脳が戦ったら、人間が勝つのだろうか?
残念ながら、本気で殺し合いを始めた場合、人間に万に一つも勝ち目はない。
陽電子頭脳たちは、艦隊戦に最適な頭脳を作り出し、指揮頭脳を作り出してそれを船に乗せて送り出せば、それだけで勝ちが決まるのだ。物量戦になれば、人間に勝ち目はない。そういうことである。
陽電子頭脳たちは、負けると判断すれば逃げに徹するので、全部を殺しきることなど不可能に近い。
そうならないように、陽電子頭脳たちと決め事を作っているので、最悪の結果になることはまずないだろう。人類が死滅してもおかしくないくらいに愚かでない限りは……とのことだ。
模擬戦しながら色々話が聞けたのは面白かった。
そういえば、チュートリアルのようなもので習った技術って、本当に初歩の初歩だったんだな。もっといえば、線のような戦いの流れではなく、点のような技術しか教わってなかったんだな。
射撃訓練は、線の中の最後の部分……とめのような所の技術ってことかな。
射撃訓練をこなし、戦闘訓練をこなし、今日のノルマは達成。
訓練が終わるころには修理が終わっており、すぐに船の引き渡しとなる。
ブリッジでしたことは、船の状態確認だ。
各種機関の出力や回路の通り、船内の状態等々……航宙法に触れていないかの確認だ。一番ミスが多いのは、生命維持や定められた装備類が備わっていて、しっかりと起動するかどうかだ。
おや? 船倉の隣にある個室に、必要装備であるマスクと消火器類がない……工廠でもこういったミスがあるんだな。
こういったミスが工廠の人間でもある理由は、工廠でもドックでも船全体を船の持ち主無しに稼働できないからだ。
部分的な稼働……エンジンだけ、シールド発生装置だけ、主砲だけ……と部分的に稼働してミスがないことを確認できるが、船全体のことは稼働してみないと分からない。
こういったミスは、2~3回に1度はあるので、いつもの事と笑い飛ばせるものだ。
ちなみに0%にしようと思えばできるのにしないのは、船の状態チェックをしっかりとやっているのか、という抜き打ちの確認みたいなものだ。
まぁ、確認した後に邪魔だからといって装備を外して、どこかにまとめておいたところを、軍に見つかったらペナルティーが科せられるので、必要装備は外さずにそのままにしておくのが吉、と掲示板に書いてあった。
何で外す人間がいるかというと、その空間にいれば分かるんだけど……邪魔なんだよね。部屋の中に異物がある感覚だ。だから、見た目にこだわるプレイヤーは、何とかして誤魔化したり、外したりするそうだ。
自分の家……基地の中の見た目を良くしたいという、こだわりのプレイヤーも多いんだろうな。
工廠の人に連絡すると、しっかり確認したか! と言われ、必要な装備をすぐに運んできてくれた。
まさかのミスではなく、故意による抜き打ちチェック的な何かだったようだ……あぶねえな、工廠だから問題ないと思ってたのに、わざととかないわ。
うちには、メイとセバスがいるので、もし俺にミスがあれば何かしら突っ込んでくれるから、心配はないけど心臓に悪いわ。
すぐに作業が終わったので、工廠から離れることにした。
って、次の目的地ってどこだっけ? 今日中にイベントシナリオのチャプターが終わらなかったら、明日からの動きに困るので、近くの開拓惑星に進路を合わせてから、掲示板を見に行く。
チャプター5は、どうやらチャプター2の開始地点だった、あのコロニーらしい。ってことは、直接向かえばもしかしたら寝る前に終わるかもしれないが、大半が移動時間になってしまうので、今日はこのまま交易をしますかね。
そういえば最寄りの開拓惑星は、初めの頃に嗜好品のタバコを買ったあそこだ。
1時間もかからずに着くようなので、時間加速を切って電子書籍を漁る。
個人的には紙の本が好きなんだが、この世界に持ってくれば紙媒体に印刷が可能だと知ったので、小説を漁ることにしたのだ。
紙媒体にしても電子媒体にしても、自分の所有している船の中だけでしか見られないが、本を満喫するためにこのゲームをやっている人もいるらしい。時間加速状態でも小説を読めるので、本を読むためだけの空間として使うようだ。
いくつか続編が出ていたので、その本のシリーズを電子書籍で全部買っておいた。
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