119 説明求む
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さて、俺はどちらに配属されるのかね?
どちらにも配属される可能性はあるが、俺が手こずる相手といえばクラス4以上なので普通に考えれば乱戦だと思うけど、俺の敵だけ強くて運悪く援軍もなく孤立して戦う可能性もあるか……
チャプター1の敵の難易度は、最高に近いレベルだったことを考えると……
マジか!
どうやら、俺は軍ではなく民間の方でチームを組むようだ。
各チームごとに戦術データリンクをして、アステロイドベルトを探索する。その際に広範囲を探索するため末端になる小型船は、単独でアステロイドベルトに入る必要があるらしい。
ショートジャンプで辿り着ける距離ではあるが、アステロイドベルト内でのショートジャンプは厳しいのではないだろうか? と、俺は思うのだが……
やるしかないから、頑張りますかね。シナリオイベントじゃなかったら、絶対に依頼を受けなかっただろうけど、これをしないと行けない場所があるから仕方がないか。
ブリーフィングが終わり、1時間後の出撃となる。
俺はそのままギルドの受付に向かい、内通者の件について問い合わせをした。
すぐにマルチギアに連絡が入り、先ほどとは違う小さな部屋に呼び出された。
そこには、先ほどの大佐が座っており、作戦を説明した人が隣に控えていた。
「呼び出してすまないね。例の件なのだが、対象は既に見つけている。情報を流すことが分かっているので、上手く利用してタイミングを見計らってから、拘束することになった。
なのでこの件について、これ以上の詮索はしないでいただきたい」
言いたいことは分かったけど……
「仰りたいことは、良く分かりました。ですが今回の依頼で船の情報と航路が相手にバレており、実害はありませんでしたが一歩間違えれば、死の危険もありました。それについては、どうお考えですか?」
メイさん! 素敵!
「貴様! 人形風情が!」
「少佐、黙っていられないのなら、部屋を出ていけ。メイ殿、申し訳ない。機械生命体である貴女に、差別的な発言を部下がしたことを許してほしい」
「今回は、かまいません。ですが、次はありませんよ。で、今回の件については、どのようにお考えで?」
マルチギアを通して、今の大佐が少佐を叱るのは、パフォーマンスの可能性が高いので、言葉や態度を鵜呑みにしないでください、だってさ。
「内部から反逆者が出たことは誠に遺憾だが、前回の依頼は軍は直接関与していない。責任問題とするのであれば、ギルドにしていただきたい」
「ようするに、軍としては自分たちには非がないので、今後どのように対応するか伝えただけだと?」
「そういうことになる」
「了解しました。全てはギルドに責任があるので、軍から出された依頼とはいえ、軍には一切の責任がないと仰るのですね?」
「貴様!」
腰につけていた剣を抜き、少佐と呼ばれた男がメイを切りつけようとしてきた。
身体強化の手術でもしているのか、生身としてはかなり動きが早いのでは? とっさの出来事でもあるが、視界から一瞬消えたような錯覚すらあった。
とはいえ、セバスほどの戦闘用の身体ではないが、知覚速度は人間の何倍も速いメイの敵ではなかった。
一瞬で組み敷かれ、次の瞬間
ゴキッ
と、鈍い音が聞こえた。
背中をメイに踏みつけられながら呻く少佐を見もせずに、
「次はないと言いましたよね? こちらは違法行為もしていないのに、少佐とやらに斬りかかられました。この超振動ブレードで斬られれば、私の身体でも切り裂かれたでしょう。殺人未遂ですね」
ニッコリと微笑み大佐の方を見ている。
足の下では、人形に斬りかかったのに、何故殺人未遂になるんだ! と騒いでるアホがいるが、強く踏みつけられ呼吸もままならない状態だ。
「差別的な発言と行動は、完全にこちらが悪い。厳格に対処して裁くので、解放してほしい」
「解放する前に、拘束してください。後、参考までに聞きたいのですが、この国における殺人未遂による罪に対する罰はどのようになっていますか?」
大佐は苦い顔をしながら口を開く。
「状況にもよるが、半年以上の禁固刑か1年以上の労働刑が一般的な刑罰として多いだろう」
「では、法律を守り治安を維持する軍人が、武力行使によって傷付けようとした場合は、どうですか?」
「一般的な刑罰の2倍以上が最低ラインとされている」
「今回の殺人未遂について、私たちに非はありましたか?」
「軍の決定に従わなかった事を考えれば、少佐の行動はいきすぎではあるが情状酌量の余地があると考えられる」
「おかしな事を仰ります。軍の決定に従わなかったと言いますが、私たちは今回の件に関しては詮索をしていませんし、全てはギルドに責任があるとのこと……情状酌量の余地がどこにあるのでしょうか?」
大佐が黙り1分ほどすると、
「今回の件について、軍にお任せすることはできません。少佐とやらはこちらで引き取り、ギルドに任せたいと思います。この部屋で起きた会話も全て証拠として、ギルドへ提出させていただきますのでご了承を」
大佐は止めようとするが、既にギルドへ連絡をしていたのか、扉の外が騒がしい。
怒鳴り声が聞こえてきたと思ったら、すぐに静かになり扉が開かれた。
「ギルドの保安部隊隊長のマクレガーです。ギルド員の船に乗船する者への殺人未遂があったと連絡を受け参りました。
軍法特殊事項、軍人による違法行為が発覚した際は、当該軍人を私人逮捕しても問題はない。妨害した場合、後日査問会を開き正統性がなかった場合、その場で銃殺刑を執行するものとする。
大佐、大事な作戦前ではありますが、この部屋の会話内容と映像を、確認していますので妨害はしないでいただきたい。
特殊事項による宣言をいたしましたので、この後に妨害行為をされますと、最悪銃殺刑になりますのでご注意ください」
そういってマクレガー隊長が、メイの足で踏まれている少佐の拘束を開始する。その際に少佐の肩は骨折したのではなく、強引に脱臼させたことが判明した。あの一瞬で肩の骨を外したのか……やべえな。
マクレガー隊長と一緒に部屋の外へ出ると、そのまま違う部屋へ連れていかれる……なぜ?
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