104 価値のないモノ
アクセスありがとうございます。
結構濃い内容のイベントだったが、終わってみれば午前中に終わっていた。時間加速があったり時間を飛ばしたりしたから、現実世界では3時間も経っていないんだな。
昼食にはまだ早いな。次の目的地までは、ゲーム内で8時間ほど。
ご飯を今から炊けば、蒸らしの時間も含めちょうどいいかもな。浸水は30分で、炊けるのに40分、蒸らしで30分……合計で1時間40分だけど、おかずを作ることを考えれば、ちょうどいい時間だろう。
メイとセバスに船を任せて、俺は一旦ログアウトして、炊飯器をセットした。
冷蔵庫をのぞいて、おかずを決める。
献立は、いつも食前に食べている作り置きのもやしナムルがあるな。おかずは……面倒なので、肉野菜炒めでいいか。
家庭の味方、キャベツと玉ねぎがあるので、それに冷凍していた豚の切り落としを解凍して、一緒に炒めて味付けは、業務用スーパーで買った焼肉のたれ味噌味でいいな。
肉だけ冷蔵庫から取り出して、自然解凍をしておく。
することも終わったので、ゲームにもどる。
20分も経っていないが、ゲーム内では2時間ほど経過しているので、すでにゲートで飛んでおり、2度目のショートジャンプをするところだった。
軍のアンドロイドが優秀なのか、情報が的確なのかよく分からないが、大規模討伐に加わった船が、ある程度固まって移動するような状態だったので、宙賊を確認できていたがすぐに逃げたそうだ。
それでも、目的地が被らないようになっているらしく、途中からは船の数が減るから注意が必要なんだとか。
同じゲートを使った船のオペレーターが、世間話で教えてくれたそうだ……俺がいなくても、メイやセバスは普通に会話してるんだな。
俺が離れていた間にも、掲示板の先輩方は今回の大規模討伐について、議論を重ねていた。
中には、情報が早くもらえたから、大規模討伐に参加できた、ゲーム内で会えたら何かお礼するとかいった書き込みもあった。
まぁ、社交辞令だろうが、なんとなくほっこりとした気分になる。
俺が初心者ということもあり、あるサイトを紹介された。
簡単にいえば、ギャラクシーオンラインの有志が作っている、プレイヤーズガイドに細かい豆知識が書き込まれているサイトだった。
ゲームのwikiでは、細かすぎて書かれていない内容とかもあるので、時間がある時に読むとためになると教えてもらった。
目的地まではまだまだ時間があるので、操船に関してはセバスに任せて、目次を流し読みして、気になる項目をいくつか開いていく。
一つ目に気になったのは、NPCじゃないPKの索敵方法だ。
これは万能ではないが、賞金首として登録されているPKは、各船に適応した周波数でレーダーを動かすと、アステロイドベルトのような場所でも、かなりの確率で見つけられるそうだ。
一度の設定で5隻分しか調べられないので、活動しているエリア毎にプリセットしておくと、先に見つけられる可能性が上がるとか。
でも、レーダーの性能で索敵範囲が決まるので、クラスの高い船が相手の場合は、先制が取りにくいので注意が必要だとのこと。
ただ、追いかけっこになった場合は、相手のレーダーの死角……小惑星の陰などに入っても有効なので、有利に戦えるみたいだな。
クラス6以上であれば、船のスペースにも余裕が出てくるので、デッドスペースになりやすい位置にレーダーを積み込んで、複数のレーダーを運用するのも賢い選択だとか。
複数の船で、かたまって移動する際は、データリンクをしてレーダーの精度を上げる方法もある。
二つ目は、アンドロイドやAIについてだ。
ある一定以上の性能を持っていれば、ログインをしていなくても連絡を取れるようだ。ダイブギアとスマートフォンやタブレット等とリンクさせておけば、仕事や学校の休憩時間などに指示を出して船を移動させたりできる。
アンドロイドやAIの性能では、途中で宙賊などに襲われると全損したりするので、航路次第では利用するとリスクしかないこともあるので、しっかりとした下調べをしておかないと、酷いことになるので気を付けた方がいい。
船団を組んでの移動であればリスクは減るが、連携が上手くいかないと、誰かの船だけ襲われた……とかなって、ギスギスすることもあるから、利用する際は良く考えようだってさ。
ただ、陽電子頭脳をもったアンドロイドがいる場合は、独自に設定した対応方法を実行してくれるので、宙賊に遭遇してもかなり生存率が高くなるようだ。
そこで、ふと俺の場合はどうなんだろうと思った。
課金船なので拿捕されることはなく、メイとセバスも課金によるアイテム扱いなので、収奪は不可能……撃沈されても、負担は船体の修理費と積荷だけ。
この時に一番ありがたいのは、船が無くならない事と、船が無くならないことによってメイとセバスと離れることが無いということだ。
陽電子頭脳を積んでいるアンドロイドは、ゲーム的にいえば保護されているので、破壊不能オブジェクトに近い扱いだとか。耐久値はあるが、1で止まり完全破壊は不可能。必ず核となる陽電子頭脳は残るそうだ。
課金船でない場合は、周辺にあるコロニーや軍の基地、宇宙港等で保管されるため、自分で取りに行かないといけないようだ。
宙賊からの襲撃リスクを下げるため、陽電子頭脳持ちは、クラス7以上の船で運用するようだ。大規模なPKでもない限り、大型船を襲っても勝ち目が薄いからな。
これのことを考えると、俺ってかなり恵まれている方だろうな。
そんなことを考えていると、切っていた時間加速がオンになり、警報が鳴る。
俺は驚きながら、状況を確認する。
メイの報告で、クラス2の宙賊船を3隻発見したことがわかった。こちらの方がレーダーの索敵範囲が長いので、向こうには見つかっていない。
ライブラリーに照合しても、1隻以外は賞金がついておらず、ついていた1隻もかなり低かった。
普通にやれば勝てるだろうけど、倒す価値がないので、今回はショートジャンプを上手く使って、相手の索敵範囲に入らないように飛ぶことにした。
近くの軍艦にレーダーの観測結果と一緒に送りつけておく。
そこからは、哨戒しているパトロール隊が対応するか、ギルドへ情報を流すか、軍人が判断するだろうと、メイが教えてくれた。
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