下
「あら、おめでとう」
りんとお茶をしていたクリスに子を孕んだことを報告すると、あっさりとした祝福の言葉に、ルミは驚いた顔をした。
「なぁに?その顔。私が反対するとでも?」
「だ、だって、クリス自分の一部が勝ってするの嫌いじゃない」
「あのね」
クリスはグリフの首根っこをつかんで窓を開けてばげ飛ばした。
リンとルミはその様子を黙って眺める。
「私は確かに自分のものを勝手に扱われるのは嫌いだけど、捨てたものをどうされようと気にしたりしないわ」
「なんでグリフ投げ飛ばされたの・・?」
「それに、私の力の一部ったって、彼は彼で独立性があるし全く別の個体として存在しているんだもの。遠慮しなさんな」
「クリス・・なんで投げ飛ばしたの?」
彼は窓の外で地面に顔から埋まっていました。
なんか滑稽だ。
「なにはともあれ、おめっとーさん」
「改めておめでとうルミ」
「うん、ありがとうリン、クリ―――」
「今思ったんだが、俺様はもともとクリスから生まれたのならクリスは俺にとってマザーになるのか?」
「そうね」
クリスはグリフに足払いをし、倒すと、足でシュートーォー。開いた扉を転げて外へ蹴りだされていった。
「私が落とした魔力の一部が意思を持ったわけだけど、私の力で生み出したわけじゃないから、違うわね。正しく言うなら私が落とした魔力の力を周りの≪無≫が集まり、合成し≪有≫を生したわけだから、違うわね。とゆーか、違うわ。全然違う」
「マザーが嫌なんだな」
「どこまで男嫌いなのよ」
グリフは表に植えていた木に腹をぶつけたらしく虫のようにくのじを描きながら悶えている。
リンはその様子を楽しそうに眺めながらクリスを見た
「で、クリス。住民票ちゃんとあげるんだろ?」
「ルミの旦那になるなら、仕方ないわね」
「せっかくだから、人間だけじゃなくて、天使とか悪魔の住民も増やしたらどう?」
ルミの提案にクリスは思案するような様子を見せた。
「でも、種族柄相容れないものもあるからね、偏見的な差別とか」
「そうなったら、あれだろ?喧嘩両成敗」
不敵な笑み
「で、俺様何しに来たっけ」
「黙れks」
クリスは魔法でぶっ飛ばした。
「一応旦那なんだから、やめたけろよ」
「わざわざ私の目の前に立つからよ、目障りだわ」