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クリス村 休止中~  作者: 綴何
あそびま章
86/105


 リンは次元の壁から飛び出した。と、同時にリンは体に違和感を感じた。

 ぶしゅっ・・風がリンの体を切り刻む。

 「?」

 リンの体が重力に従い下へ落ちる。

 「おぉ?」

 魔力が使えない。

 と、いうかいくらあほでも自分が目的地を、人間界と地獄の針山の上と間違えるわけがない。

 魔法で鳥へ姿を変えた風がなおもリンの体にまとわりつき、攻撃を仕掛ける。そのたびにリンの体から血が飛び散り肉を抉る。

 リンは腕を組みながら考える

 「ラブしかいねえか。生ぬるいやり方だ」

 ざく

 リンの体が針山に突き刺さる。

 空中で切り刻まれた血が雨のようにリンの体に降り注ぐ。

 「・・・・」

 地獄の住民、鬼や亡者たちが何事かと集まってきた。

 と、閻魔大王が降り立つ。

 「リンか」

 鬼が亡者を押しのけ魔王のために道を作る。

 「貴様がなにをしようと、止められはせんし、我が発言するほど権利はない」

 ピクリともしないリンに気にせず魔王が続けた。

 「因果応報という言葉を知らぬわけではあるまい。貴様らが行う行動の一つ一つ深い意味があるのだろうが、我らにはわからぬ。振り回すのはやめてもらいたい」

 「ぷ」

 リンの口から血が飛んだ。

 「ぷぶっへっへっへ」

 鬼が金棒を構えたが、魔王が片手で制した。

 「ぶあっかじゃないの?ぶっっこっぼっかぁーぁぁ・・ごぼごぼ」

 口から流れ出た血で咽ているリン。

 「ぴゅー」

 おちょこ口にして噴水のように血を吐き、テレポートで移動した。

 「タイム・ストップの魔法、次元トラップ、簡単攻撃魔法・・三ステップか」

 空洞のできた腹に手を通しながらリンは笑った。

 「さすがクリスの教育を受けただけは・・って普通なら考え付くぐらいか?」

 肩を揺らし笑うリンを、化け物を見るような目で亡者たちは向けた。

 「お前がサウジーナの娘でなければ、最下層の地獄に落としたものを」

 「最下層ね」

 リンは指を鳴らし、傷を一瞬で消した。

 「落としてくれるんなら、落とされてやるぜ」

 「ふん、嫌味な小娘め、地獄の最下層ごとき貴様にはなんの痛みもあるまい」

 「へっへっへ。そりゃお互い様さ」

 リンは穴の開いた服を引っ張り、破り捨てる。

 白い肉体が薄暗い地獄に映える。

 「地獄はいいな。落ち着く」

 リンの足元に赤黒く光る魔方陣がしかれた。

 「お前も堪能してみろ。ラブ」

 リンが落ちてきたように、その空中に突如現れたのはラブだった。

 「っく!?うわぁ、なんでリン胸もろだしなの?」

 「おめーもこれからそうなるよ」

 

 ラブは体の回転を変えて下をみた。

 「うわあああああ!?串刺しはちょっと乙女的にいやぁぁ!?かな」

 「しらねーよ」

 魔王はリンを見下し、ため息をついた。

 「貴様らは何を考えているのか、古き神々すらもわからんそうじゃないか」

 「クスリの言葉か?」

 「あの女よりも、さらに上」

 リンは笑みを深めた。

 「はははは。なあおい」

 リンは笑いながら魔王を見上げた。

 「因果応報とかいってたやつが、古き神々がわからんとか、笑わせてくれる」

 まわるときはまわるし、まわらんときはまわらん。

 呪いの如く続くのは重い思い想いのみ。

 それが途切れることはない。

 「お前らからみても、俺は化け物なんだろうな」

 

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