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クリス村 休止中~  作者: 綴何
あそびま章
84/105


 炯々と光る瞳、流れ出る汗、途切れ途切れになる呼吸。

 天界の広がる雲の間を隠れながら名雪は息を整え隠れながら相手をマークする。

 敵は堂々としたもので空中を浮いてただうつろな瞳を空に向けている。

 しかし隙だらけと攻撃するのはバカぐらいだろう。


 今アメリアスは魔の呪い発動モード、彼女の目に映ったものは死ぬだろう。

 

 今回の遊びは本気らしい。

 

 (・・・・死者でる。いいのか)


 クリスの考えもわからないが、リンの考えもわからない。

 それに振り回される私たちの存在の意味を考えても、無駄という結論のほうがはるかに早く出る。

 「・・・・・・・」

 アメリアスには近寄れない、しかも近寄ったところでリン仕込みの体術があるから一撃ではいけないだろう。一撃で仕留めないと呪いの餌食で死んでしまう。

 「・・・・・・・・・」

 名雪は思った。

 はたして相手してやる必要があるのか。

 「・・・・・・・・・」


 どうやら忍者スキルを得ている名雪を見つけることができず、『待ち』の状態に入っている。


 「・・・・・クリスタルさがそ」


 そのままその場を去る。

 普通に考えて、戦う必要性を感じない。

 もし誰かがアメリアスの邪気にあたって死んでしまったとしても、私のせいでなくクリスとリンのせいだろう。さらに言えば殺したアメリアスのせいだろう。

 ということで。

 

 「どこ行くの?」

 「!」


 バック転で距離を取り。目の前の人物に攻撃と防御に備え構える。

 

 「こんにちわ」

 「・・・・カルミア、ラブはどうしたの?」

 「逃げられたわよ、あいつリンに次に逃げ足すごいもの」

 

 薙刀が着物の袖から姿を見せる。

 殺気がない。


 「・・・・何故襲う」

 「命令だからよ」

 「『命令』?」


 私たちはあくまで『遊び』だ。

 何故、カルミアたちは『命令』なのだろうか


 「名雪、みつけ」

 「!」


 囲まれた。

 これは不利だ。

 ここは何もない空中。


 「!」


 つう、冷や汗が流れる。

 

 「さようなら」


 薙刀が迫る。


 「く」

 「にゃーん」

 

 空間に裂け目が表れ、そこからラブが顔をのぞかせ名雪の手をつかんだ。

 名雪が空間に入る代わりに、空間管理人超マッチョガイの金太郎銀太郎が表れ二人に襲い掛かった。

 二人はある意味悲鳴を上げた。


 いい感じのマッチョに目立つ鉄の褌だから・・。


 「助かったラブ」

 「あはは、それにしても。面倒だねぇこれ」

 「一体目的は・・」

 「さぁ?とりあえずクリスタルさっさと回収して終わらせたほうがいいね」

 

 ラブの視線の先を見る。

 そこにはいい笑顔のリンがいた。


 「次元は使用禁止だぜ」

 「ルールあったんだ?」

 「今決めた。五秒数える以内に出ないと、お仕置きだ」

 「へぇ?」


 リンは「五」と、言うと二人の背後に立った、手には紫色の紫炎が


 「げ!そういう笑いは好きじゃないな!」

 「ラブ!」

  

 名雪の使い魔がリンに牙をむき、リンが下がったところで二人は逃げた。

 どうやらまだまだ終わる気配はないようだ。

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