中 1
妹達を見守るマリーとヒカリ。
優しく微笑み見守るヒカリと違い、不思議で堪らないという顔をしているマリー。
クリスとリンはその様子を見ながらミルクをあっためていた。
「魔力注入しながら育てたら成長早かったな」
「そうね、ヒカリ、知識面では秀でたけど、技術が追いついていないわ」
「マリーは膨大な魔力を保持してるが、出す術をしらねぇみたいだなぁ」
魔法で子育ての途中過程をぶっとばしたらよくないということをよく理解した二人であった。
なので今回はじんわりやんわりと育てることにした。なのでミルク創作中
「じゃあリンちゃん私庭の草むしりいってくるわね」
「おう」
「ミルク宜しくね」
「任せろ」
「・・・・・」
火力をあげるリンを見てクリスは少し考えて。
「やっぱリンちゃんじゃ心配だわ」
クリスが二人に増えた。
「分身するまでもねぇよ、ミルクぐらいできるって。多分」
「いいのよ」
片方のクリスは草むしりに歩いていき、もう一人のクリスは厨房でお菓子を作り始めた。
「リンが私のキッチンで暴れないか心配だし」
「お前の中で俺はなんだよ・・」
リンは頭をかいて苦笑いしていると、別部屋の子ども達の喧嘩する声が聞こえた。クリスが目で行けと命令した。
「赤ちゃんの近くで騒ぐな、どうした」
マリーとヒカリが叩きあいをしていた。五歳児の喧嘩にしては木刀とか、銃とか、過激な上に教育上よろしくないな
「ヒカリが邪魔する!」
「マリーが赤ちゃん殺すのです!」
「殺してないもん」
「殺そうとしたのです!」
・・もう一度言おう、とても五歳児とは思えない内容だ。
「で?どうしたって?」
リンは赤ちゃんをみた。
口にタオル一杯詰め込まれていた。
「・・・・・・」
リンは黙って口からタオルを抜いて耳を当てた。
「ぴゅーぴゅー」
正しく虫の息。
「マリー」
リンが指を鳴らすと赤ちゃんは普通の息をしはじめそして大泣きをしはじめた。泣いているその赤ちゃんを優しく抱き上げてあやす。
「よしよし、で?何がしたかったんだ」
「ヒカリがしてたのまねしただけだもん」
マリーは膨れながら言った。
「ヒカリ過激だな」
「違うのです、私はタオルでよだれ拭いてあげたのです!そしたらマリーが殺そうとしたのです!!」
「してないもん!」
「してたのです!」
マリーはどうやら不器用みたいだ。
「リン、みるくできたわ」
三人のクリスが現れると、赤ちゃんをそれぞれだっこして飲ませていた。
「クリス~マリーが赤ちゃん殺そうとしたのです!」
「あら、そうなの。まぁ、リンちゃんだもんね」
「ちょっとまて、なんでそこで俺だもんってなるんだ」
リンも赤ちゃんにミルクを飲ませる。
「マリー、千鳥にミルク飲ませてやってくれ」
「うん!・・リン」
マリーが赤ちゃんを見ながらリンの名前をよんだ。
「ドレが千鳥?」
「あ?・・・・あー・・あ、俺が抱いてるやつだった」
千鳥をマリーに渡しながらリンは頭を押さえた。
「・・・・・こいつが、カルミアか」
左手で抱っこし
「でこいつが・・」
右手にもう一人の赤ちゃんを抱っこした。
「こいつが・・アメリアス!」
「アルメリアじゃなかったかしら」
「あぁ、そうだったな」
クリスが呆れた顔をした。
「子どもの名前と顔ぐらい覚えておけよ」
「そのうち覚えるさ。な、アメリアス・・じゃなくってアマメリア?」
「アルメリア」
クリスは首を振った。
「あっ」
マリーが千鳥を落とした。
ヒカリが悲鳴をあげる。
「りん、あんた子育て向いてないわね」