上
「クリス、そろそろ後を継ぐ気になったかしら」
先代は微笑みながら花の手入れをしているクリスを見下しながら言った。
「ないけど?」
「言うと思ったわ」
クリス庭園の白薔薇を一つ魔法で切って髪に挿した。
「だからね、私とアクちゃん考えたの」
「あら、ソレはいい考えね、何勝手に薔薇切ってんのよ」
「子ども作りなさい」
パキン・・薔薇が地に落ちた。
「私に言った?」
「えぇ」
「処女神宣言したこの私に?」
「こだわるわね、宣言なんてなんの意味があるの?言葉約束みたいなものじゃない・・いつでも言いなおせるわ」
「イヤよ」
「してもらうわ、明日パーティしますからね、逃げよたって無駄よ先々代達に協力して貴女たちを捕獲するつもりよ」
「最初は待つっていったじゃない!」
「私は言ってないわ」
クリスは立ち上がった。
「いい加減にしなさいよ」
殺気立つが先代は涼しい顔で扇を仰いだ。
「さようなら」
シュンっと消えた。
逃げ足だけは速い。
「・・・・本気ね」
リンの家駆け込むと、当の本人はマイペースにソファーに座っていた。
「大変よ!」
「何が?」
「アク来なかったの?」
「きたよ、まぁったお見合いの話だろ?」
「私達処女神の宣言してるのに、酷い話だと思うでしょう!っていうかなんでそんなマイペースなのよ」「なんでって、またどうにか流れるんじゃないの?」
「先代達っつってたでしょうが!!」
「ぶ」
顔にハサミを投げられ、倒れる。
「夢と幻の眠り神を連れてくるつもりだわ、あいつら」
「誰それ?」
「ご先祖様レベルの方よ!」
「神様って長生きするから面倒だよな」
クリスはリンの上に飛びのった。
「くるし!?」
「逃げるわよ」
「え?」
クリスが・・
「にげる~?!」