上
「さて、第二回目の行事でもしましょうか」
クリスの言葉にリンは反応した。
「死ぬのか」
「行事=死を直結させないで」
前回自分で言っておいて、否定するクリス。放送で村人は広場に集められる。
「今回の行事は『けいどろ』よ!」
「けいどろー!?」
村人達は驚いた。
「けいどろって、警察と泥棒にわかれるんだよな」
「村人全員でやるのか?多くないか?」
「いやいやいや、いい年こいて恥かしいって」
村人の言葉にクリスは
「黙れ」
と、一蹴した。
「ルールを簡単に言うわよ、ココでは神の力を一切使用できない」
クリスがそういうと、『言霊』という名の呪いが発動し、他の神も能力≪ちから≫が使えなくなった。
「そして、けいどろの警察は、私が今から投げるカードに刺さったヤツで、刺さらなかったヤツが泥棒よ」
カードを投げると、まずエースに刺さった。
ざく
「いってぇ!?」
ラゴウやヴァニラ、ルミが刺さる。
「痛い!?これ洒落にならなく痛いんだけど!?」
「ほんまに刺さったやん!?」
「ちゃんと言ったじゃん」
村人の数人が刺さったところでクリスは次の説明に入る。
「泥棒は、ただ逃げるんじゃないわよ」
「ん?」
「本当に盗むの、ただしクリス村範囲でね」
「!?」
神たち以外はなにをいわれたのかわかっていない反応をした。
「本気の『けいどろ』よ」
彼女の目はマジでした。
「警察は泥棒を捕まえたら広場に連行すること、もちろん助け出すルールもありよ!・・出られるものならね・・」
「・・・・」
みんなの顔が青ざめていく。
「そして・・警察は」
クリスは一拍置き、目を閉ざし、目をカッと見開いた。
「泥棒を『参りました』と言わせたら連行可能!!!」
ちょぉぉぉー!?
「それって何!?肉体言語!!?」
「警察は泥棒できない代わりに、泥棒の持っていた資金を貰うことができるの、捕まった時点で泥棒の手には何も残らないわ」
「無視!?」
クリスの目がぎらぎらと光る。
「さぁ、やるわよ、全員捕まったらおしまいって思っちゃ駄目よ、神がいる限り、すぐ終わったりしないわよ」
「制限時間は一応・・三日で良いな」
リンの言葉に皆は目をむく!?
「質問」
エレストが手を挙げた。
「何?」
「それはほかの者から奪うのもありか?」
「有」
「いや!?良くないでしょ全然!なしなしなし!!!」
村人の講義を無視してリンは微笑んだ。
「誰が法律だ?」
村長です。
「そうねぇー、お金を隠す時間をあげるわ、クリス村内なら何処にでも隠して良いわよ」
「せいぜい隠すが良いさ」
「じゃ明日のこの時間に行事開始だから」
「おう、じゃーそういうことで」
第二回目行事は「けいどろ」
・・・・村人達は嫌な予感を感じ、不安を隠し切れずにいた。
「っていうか、勝てるわけ無いじゃん」
と呟いた村人は誰だったか・・。