上
魔物を混ぜれば混ぜるほど強くなる、誰かがはじめた実験が天界でブームとなり、沢山居た魔物はだんだんと減っていった。それと比例するように天界では魔物武道大会たる娯楽ができ、腕を競うやからができていた。
リンは無論、例外ではなかったが、他の人とは圧倒的にやり方が違っていた。
「もうすぐ生まれるな」
「あら?早かったのね」
他の人は魔物を容器に居れ、細胞を分解させ合体させる▽+△=★みたいな感じで行っていたが、二人は非常に時間とお金のかかる、▽+△→★といった感じで、別種族の両親から新しいのを作る、といった子育て方法を行っていた。
ちなみに科学的な合体を行わなかったのに理由はない。ただ前回の子育てブームが去っていなかったため、ちょっとやり方が間違っただけであった。
「よっしゃ、生まれた、獣属性の狼と、狐の混血種・・名前がー・・クララにしよう!」
リンは狼系がほしかったらしいが、クララはどちらかというと尻尾が九個ある九尾の傾向のほうが強いが、リンは気にしないらしい。
「よろしくなー」
「・・・・」
ぷい、振られていた。
「・・・・・」
「うっといから拗ねないでよ人の家で」
「だって産まれたとたん嫌われたんだぜ!?ショックだよ」
「へーどれどれ?」
クララを見る。クララはクリスを見るとトコトコと逃げていった
「可愛げはないわね・・まだヒト化できないうちは守ってあげなさいよ、まぁ、バードにいたっては苛める分けないけど」
「あ・・そのバードなんだけどさ」
リンは逃げ出したクララを持ち上げながら頭をかいた。
「幻獣界にかえさせたままかえってこないんだ・・一応アイツ強いから平気かと思って気にしてなかったんだけど」
「何時の話よ」
「三日前」
「ただの里帰りじゃない?」
リンはうーんと首を捻った。捻った際にクララに顎をかまれていた。
「・・心配なら見に行けば良いじゃない」
「いやぁ、そうしたいのは山々なんだけどさー」
リンはニカッと笑った。
「行き方わっかんねーのよ、なっはっは」
「・・さすがリンよね、送ってあげる。帰りはバードと一緒だから大丈夫でしょ?」
「あぁ、たのまァ」
魔法で飛ばされた。
「・・あ、そういえば」
クリスはクグリが持ってきた天界新聞『お見通新聞』のとある一面を見た。そこには『合成獣VS天界警察』と書かれていた。なかなか暴れて手の付けられなくなった合成獣が幻獣界に逃げた上に、幻獣界の生き物が今までの怒りをデモにかえ、捜査の邪魔をするので、鎮圧をするらしい、なので誰も近寄らないようにとのないようだった気がするけど・・。
「ま、天界で私らに歯向かえるのは私達以上の身分か、12神ぐらいよね」
あれでもリンは武神の称号も持っているほどだ。
「よっと」
クララを抱いたままであったことに気がつく。
「アブネーからフードに入ってな」
リンは着ていたフードの中にクララを入れた。クララは気に入ったのか眠り始める。
「しっかしまー何年かブリに来てみたらぁ・・」
すんごい暴動中
「リン様!」
「お」
バードはリンに抱きつくとさめざめと泣いた。
「ワタクシの一族の大半が合成で散っていきました・・。ワタクシのような鳥属はよもや少なく・・」
「よくわかんないんだけど?」
合成・・?最近はやってるやつか?
「獣族や植物系に翼を生やしたいがために、我らの一族が踏み台とされたのです・・悔しくて悲しくて」
「分かった分かった、俺がどうにかしてやるから泣くな」
バードの頭を撫でると、町のほうでスゴイ破壊音が聞こえた。
「うわぁああああああああ」
天界警察官が、宙を飛んでいった。
「・・・・よっえぇ―――・・」
「おぉ、コレはこれは、天魔師様!かようなところで何を?ココは危ないですお下がりください」
「はいはい、で?君らぶっ飛んで何やってんの?」
うわぁぁっと言いながら飛ばされていく。ボーリングよりも軽々と見える、なんだ弱いな。
「合成獣が暴れてまして」
「キメラぁ?」
ザッ!
砂煙が去るころに、その姿が現れた。
「・・ほう」
『ガルゥゥゥ・・・・』
ライオンの顔にドラゴンの翼、腕に呪蛇の縞模様、瞳は碧い
「なかなか強欲なヤツが作ったらしいな」
『ウガァアアアアアア』
「天魔師様!?」
リンに襲い掛かった。