下
「さすがに飽きたわね」
この一週間、いろんなゲームを全員に強制的に挑んだが・・クリスは曲がりなりにも知の女神
一人勝ちして終わった。
「だから嫌だったんです」
ぼろぼろになった女神達は立てれず床に倒れこむ。
「よーっす、どんなだー?」
リンは鶏を頭に乗せたまま現れた。
「あれ?」
死屍累々になっている人を見て不思議そうに首をかしげた。
「はっはっはー!お前等もフィーヴァーしたのかぁ!」
違うし、何を・・と突っ込みたかったが、体力が無いのでもう何もできなかった。
「ここ不思議なことに身体が重くてしんどい」
風の女神である、ルカが辛そうに呟いた。
「あ、ワイも思った」
「重力をワザと重くかけているんでしょう、もともと重力の関係ないところで生きていた我々にはしんどいですね」
「なんの狙いがあるんだろうねー」
文句を言い出した彼女らを無視してクリスは出てきた村人達を見た。
なかなか順調にできたらしい。ここまで上手く行くとはちょっと笑える。
「後は生まれてくるだけね、さてクスリに渡しておいたルーレットのお客さんがそろそろ来るはず」
広場の噴水からサーカスのテントのようなものが現れ、カーテンがしゃっとひかれると、そこから三角の白いのをつけた人やワッカを頭の上に乗せた人がやってきた。
「和洋ごっちゃだな」
リンは眺めながら言った。
「てかルーレットってなんだ」
「悪いこともいいことも特にしていない死者にのみ発動される『天国or地獄』ルーレットよ、そこに『クリス村』って入れてもらったの」
「へー」
こうやって村人を増やしていくらしい・・。
って、良いことも悪いこともしていない死者って生前は一体どんな人生だったんだろう・・。
「しかし、これでは増えすぎるのではないですか?」
クリス村は他の次元とはまた違った独特的な空間。時間の流れも勿論、そこに生きている微生物も、生き物の多様、見えないだけで他には存在しない変わった新種が存在が居る。
それ以前にまず、この村でクリスたち以上の化け物など居るはずがないから、天敵の居ない、正しく楽園・・。誰も死なない、むしろ増える。
これはこれで大変なことになりそうだ。
ヴァニラの疑問にクリスは楽しそうに笑った。
「だから、行事があるんじゃない」
え、行事で人消えるの・・?
誰もが思ったが怖くて聞けないのであった・・・・。
「行事楽しみー」
「・・・・・・」
マダ何も知らない、村人に哀れみを感じてならない・・女神達であった・・・・。