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クリス村 休止中~  作者: 綴何
12人の女神の章
31/105

花と岩


リーファとラッカは植物と大地をつかさどる女神、水をつかさどる女神ルミや風をつかさどるルカと同じような双子でありながら、仲がとても悪い。

 花のような可愛らしさを基調とした植物の神の神殿『華宵殿かしょうでん』に対し、どちらかというと地味で厳格な趣のある『常盤殿ときわでん』・・この二つから見受けられるように、趣味の違いから仲が悪くなったのだ。

 クリスとリンは自然界の中で浮遊していた。

「・・さて、どうする?」

「片方ずつ嵌めたらどうだ?『クリス村にきたら憎い片割れを見なくてすむ』ってな住むなだけに・・ぷぷ」

「なんーにも面白くない、その方法でいってクリス村でお見合いしたら、面倒じゃない!」

 リンは悪魔なので気にしない。

「とりあえず、仲をよくはできなくとも、悪化を少しは改善させないとね」

 クリスは魔法でリンもろとも移動した。・・まずはラッカのいる『常盤殿』から・・。


・。・。・。・


「やっほーおっひさー!」

「やっぴーおっひさー!」

 努めてクリスとリンは明るく登場した。

「!、あんたら」

 ラッカは驚いた表情を見せたもののしらけた顔を見せた。

「なんかよう?悪戯になら付き合わないわよ」

「まぁつめたい。毎日悪戯ばかりしているわけじゃないのに」

「そうそう、暴れてるだけで」

「迷惑だ!!」

「まーそんなことより、どんな感じ?」

「何が?」

「リーファとだよぉん、仲良くなった?」

「はぁ!?」

 ラッカはツンツンとした態度から顔を真っ赤にして怒り出した。

「なるわけないでしょ――――!!」

 そこまで否定しなくともいいのに、と思って宥めようとしたら地響きが聞こえた。クリスは嫌な予感がして瞬間移動テレポートで一足先に逃げた。

 ざく

「いってぇえええええええええ!?」

 大地が針のように盛り上がり、リンの腹を刺し貫いた。

「あんたたち、アタシで遊ぶつもりかどうか知らないけど・・」

 ごごごごごごごごご、地響きが酷い。

「あたしの前でリーファの名前を、出さないでぇえええええええええ!!!!!!」

 ぽーん!リンは大地に殴り飛ばされ飛んでいった。「あーれー」姿が見えなくなる前にリンを回収するクリス。

「あらまぁー分かってたけど酷いわねー」

「それは俺の傷が?それともラッカの機嫌が?」

 クリスは指を鳴らし、次に移動した。

(無視かよ)

「あいかわらず煌びやかというか、花が凄いわねぇ~」

 神殿から機嫌よく鼻歌を歌いながら現れた女が二人に気がついた。

「あ、クリリンだ」

「「合体させんな!」」

「なにかよう?」

 リーファは花束を抱えたまま微笑んだ。

「ラッカと仲直りする気ない?」

 めんどくさいので直球に聞くクリス、とリーファから意外な返事が

「私は仲直りしてもいいけど?」

「おぉ」

 リンが意外というと言う前にリーファは横にくるっとまわった。

「ラッカが素直になるならね」

「?」

 二人で何のことという顔をすると、リーファはニコッと笑った。

「私の忠告を聞くならいいわね」

「忠告?」

「そう」

 花束をフェアリーに変えて飛ばした。

「同じ顔なんだから同じように髪を伸ばして」

 ラッカは短い。

「同じようにふんわりキュートカラーのスカートはいて」

 ラッカは迷彩柄の短ズボン派。

「私の神殿のように可愛くアレンジしたらいいわよ?」

 ラッカは先代の形を守っています。

 二人は頷いた。

「「そらぁー無理だわぁ」」

「どーしてよぉ!もう二人もラッカと一緒で頭固いの?」

 ラッカが怒るわけもわかったわ。 

「あー・・」

 クリスは考えるしぐさをした後笑った。

「『クリス村』にこない?リーファ」

「何ソレ」

「私の村よ」

「・・まんまね。いいところなの?」

「なにもないわ、今わね・・だからこそリーファの力が必要なんじゃない」

「そう?それだったら仕方ないわね!」

 クリスは「そうなのよリーファが居なきゃねー、アッハッハ(棒読み)」と笑って済ませた。リンはクリスの横腹をつついた。

(おい、どうゆうつもりだよ)

(めんどくさくなった)

「おい!!?」

「なぁに?」

「なんでもないわ」

 突っ込みを入れたリンのおなかに鳩尾を入れてからズルズル運び出す。

「次は戻って常盤殿っと」

 しゅん

「あ、何!なんかよう!?」

「ラッカークリス村に住みましょう~クリス村にはラッカみたいな人が必要なのよー」

「い・や!何か企んでるんでしょう」

 正解。

「酷い」

 クリスは掴んでいたリンを手放した。ゴス(いて!?)

「私は本当にラッカが必要だと思ったから・・(うるうる)」

 純神天使クリスのウルウル攻撃、もともとお人よしのラッカはう”っと唸った。

「わ、分かったから、分かったから泣かないの、もー!」

「(にや)ありがとうラッカ!・・じゃあ先に行ってるから」

 落としたリンを回収して上空に移動する。

 タンコブを撫でながらリンはクリスに詰め寄った。

「お前俺のやり方じゃ駄目って言ってなかったか!?」

「だーかーらー言ったじゃない、めんどくさくなったんだもん」

「もんじゃねぇよ!本当天使って自分都合だね!」

「可愛いからいいの!」

 いいのじゃないから!

「だってあの二人が居なきゃ、巫女そろわないわけだしー・・リーファの『繁栄』ラッカの『永久』は欲しい付属効果だったんだもん、だもんだもん」

「だもんっていったら許されると思ってるだろ」

「思ってるけど?」

 リンは殴りそうになった右手を押さえた。

「もしクリス村で喧嘩になったらどうするんだ?」

「決まってるじゃない」




「『喧嘩両成敗たたきのめす』よ」

 ガクガクブルブル・・。

「さぁー次行きましょう」

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