下
神様を冒涜するシーンがこれからたびたびでます。
信仰深い方はこの作品自体読まないほうがいいと思います。
神様や信仰自体あんまり無いとか、そうでもないという方は続きをドウゾ!
ばき……ぃ!!
「ぐふっ?!」
リンを抑えていた男が浮いた。
「―――」
骨が折れる音や血が飛び散る音がした。リンが、あの泣き虫のリンが山賊たちを次々と薙ぎ払っていく。クリスは自分を抑えている男の足を狙って思いっきり踏んだ。
「っつ!このガキ!」
「リン」
男から逃げてリンに駆け寄る。リンの目はどこか虚ろであった。
「リン」
もう一度、声をかける。
「……リン!」
今度はクリスも腹が立ってリンのお腹を思いっきり殴った。
ゴス・・お腹を殴ったわりには鈍い音がした。
「うぐ、……うぅぅう痛いよう」
「あ、良かった。いつものリンちゃんね」
クリスの中でのリンは、リン=泣き虫なのである。(横暴)
「大丈夫大丈夫、思いっきりやったけど、リンちゃん酪農で鍛えてるでしょう?」
でも遠慮なく、抉るように殴りました。
「くそ、この……悪魔め!」
そう吐き捨てると山賊は逃げ去っていった。
「どっちがよ!」
クリスは山で採ってきた栗を男達を目がげて投げた。何人かに当たったのを見てクリスは満足げに微笑んだ。どちらかというとコッチのほうが悪魔。
「リンは、ヤッパリ悪魔なんだ……」
「そんなことな……『そうだ』!」
もうすぐ夕闇に沈む世界を二つの光が明るく照らした。
『我らは、人々を見守る神です』
「……」「……」
二人はポッカーンと口をあけた。
『そしてお前達の親でもある』
クリスは話しかけてくる神様に向かって栗を投げた。むいでないやつのほう
『ちょ!痛い!痛いんですけど!?栗投げるな!しかも喜ぶな!!こら』
「きゃ、きゃ」
嬉々として投げるクリスを横で止めるリン。
『お前達を天国へ招待しましょう』
「だが断る」
栗を投げられてないほうの神様がそういうとクリスはハッキリと断った。
『何故だ!』
「条件があるわ」
『条件?そちらは育ての親をも殺され家畜も殺され畑も家も全てなくしている、生きていく術などないというのに、条件だと?』
『……聞いてみましょう。言って御覧なさい』
クリスは亡くなっている両親を指差した。
『二人は天国に居るぞ、会いたいのか?』
「会いたいわ、でも私の条件はそんなんじゃないの。今度二人が転生するときには、この上のない幸福を与えて欲しいの」
『……やはり、お前は賢いですねクリス。しかし我々に人間の人生を左右する能力は持っていないのです』
「じゃあイヤ」
『でも』
クリスはそっぽ向いた顔を持ち上げた。
『あなた方ならできます。いずれ必ず、しかし人間界に居れば、それは永久に不可能でしょう』
「……リンたちならできるって?どうゆうこと?」
『来れば分かる。来れば、な』
二人は顔を見合わせ、手を繋いだ。
「行くわ」
「リンも、クリスについてく」
二人の神は光をより強くはなった。
『では、あなた方を歓迎します……』
『説明は来てからだ』
二人は新しい世界に足を踏み入れたのであり、結果それが二人の力を知ることができる、ほんの一歩に過ぎないことを、二人はまだ知らない。そして、知る由もなかったのであった……。