水と風
「次はそうだね」
クリス村に戻らず天界の広場でリンを待つ間、クリスは一人とりあえず次の手を考えていた。
「にしてもー」
ベンチで花を愛でながらクリスは花を燃やした、またされるのは嫌いなのだ。
「遅れた」
やっとリンがきた。クリスは魔法で花を大きく急成長させリンに攻撃した。リンの体が飛んでいった。クリスはリンの目の前まで行くと見下した。
「おくれんじゃないよ」
「ゴメン。ラゴウが中々のあほでさ」
回復能力に長けているリンはすぐに復活した。
「で?次は誰勧誘する?」
「ルミルカのところに行こうと思うわ、双子巫女」
「あーOKOK同じところに神殿あるからな、楽でいい」
二人はテレポートで一瞬で移動した。厳かで神聖なる場所に軽々といくことができるのは、この二人だけのものだろう
びゅおぉぉ・・
美しいマリンブルーの海が果てなく下を支配し、青々と美しく颯爽な青空が上を支配する。その真ん中に違和感がある、双球殿と呼ばれる、風と水を支配した女神の神殿だ。
「あいかわらず、壮大というか清々しいというか、だな」
「うん、さて双子はどこにいるかしらねー。と」
クリスは風に乗り走り回る馬を避けた。
「ちょうどいい、あの馬に乗って移動しましょ」
二人は飛びまわっている馬に乗って神殿のほうへと移動していった。
「ルミールカーいないの?」
「く、クリス?」
柱の影で隠れて顔を出しているのは気の弱い妹のルカのほうだった。
「よ」
リンが片手を挙げる。
「あークリリンじゃーん」
「「略すな」」
ルミも現れた。二人はそろって並ぶと表情の違う同じ顔かたちがそろった。
「風の女神ルカ、水の女神ルミ・・お願いがあるの」
クリスがきりっとしながら言うから二人も真面目な顔になった。
「どうしたの!?」
「クリス村に住まない?」
「・・は?」
ルミは口を大きく開けたまま固まった。
「なにそれ」
「私が作った村、たのしーよぉ」
「でで、でも、天界のルールで神が一つの国を贔屓してはいけないって」
「国じゃなくて、村!」
二人で言うと双子は見合った。
「そこまでいうなら」
「OK?」
ルミは魔法で青色の鳥をつくりだした。
「この世界の日が沈むまでに、この子を捕まえて私達の目の前に持ってきて、殺すのは駄目いいね」
「できたらいいのか?」
「勿論」
鳥がしゅるんっと周りの色と溶け込んだ。
「もう消えたわよ」
ルミが不敵に笑った。クリスとリンは目配せをするとテレポートした。
「ね。ルミ、いくらあの二人でも難しいんじゃないかなぁ?だって私達でも難しいじゃない?」
「あの二人は挫折を味わうべきと、思ったからこれでいいのよ」
ルミは微笑んだ。
「さぁ、見ものね」
決して二人が嫌いなわけではなく、純粋に泣きっ面が見たいルミ