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クリス村 休止中~  作者: 綴何
12人の女神の章
28/105

氷と雷

「ヴァニラ」

 クリスは氷の国に着いた、氷の国は余計なものは何もない、音もなければ風もなくただしんしんと雪が降り続いていた、氷の神殿に赴くと、白いドレスに身を包み、優雅に動く女性がクリスの前に立つとゆっくりと頭を垂れた。

「ヴァニラ様は只今祈祷中にございます、あと一時間お待ちください」

「分かったわ」

「よろしければ私共がご奉公させていただきますが」

「結構よ、少し神殿内を散策させていただくわ」

「畏まりました」

 女性は頭を垂れると白い花びらとなりさぁー・・っと消えた。

「さて、リンのほうはどうなってんかなー」

 


・・。


 びりびりびりびりびり!!!

「あばばばっばばあばばあ!!!」

 びりびりびり!

 リンは遠くからその様子を眺めていた。

「うぽごごおぉぉぉぼおぎぎぎいぎぃーあぁ」

 びりびりびりびり!

 リンは黙ってソレを眺めていた。

「うごごごごごごごごご!うぎゃあああかがががあ」

「もういい!!」

 リンは闇眷属の主として同じく闇眷属のラゴウを召喚した。

「あれー?リンやんひさしぶりやな」

 後ろのほうで大きな雷が数え切れないほうで落ち、大地を感電していた。リンはすっかりアフロになってしまったラゴウをみた。

「雷の神殿の第一関門も突破できねぇのかよ!」

「しゃないやん、こういうところなんやから」

「まぁいいけどさ、ラゴウちょっと話があるんだけど」

「ん?あ、待って!」

 ラゴウは倒れた体制のままでいった。

「完全回復するまで待って」

「・・・・・」


・・。


「ヴァニラ様、お客様がおいでになっております」

「・・氷の神殿まで来れるのは私より上の方のみ、そして直に来られるとしたら・・クリスさん?」

 肯定のかわりに氷の精霊は頭を垂れた。ヴァニラは指を鳴らし巫女服からいつもの服にかえ、歩き出した。

「クリスさんは今何処に?」

「散策中でございます、探しましょうか」

「いいえ、おそらく気配を察し現れるでしょう・・ほら」

 扉を開けるとソファの上で膝を組んでにこやかに笑っているクリスが居た。

「御用は?」

「クリス村に住まない?今は小さいけれど、ヴァニラの力があればもっと強く広く大きくなれる」

「貴女やリンさんがお遊びで作りなさった村ですか?お断りさせていただきます」

「言うと思った、いいじゃない!なんで駄目なんだよー」

 机の上にあったお茶を汲みながらヴァニラは目でクリスを睨んだ。

「リンさんに感化されアホになられましたか?」

「そんなわけないじゃない、だって私天才だもん」

 汲んだお茶をクリスに手渡しながらヴァニラも前の椅子にすわった。

「リンとは違うわよ」

「同じことです、遊び心だけで人を統べることはできません。リンさんも村を作りましたが滅ぼしましたでしょう?いくらクリス様でもいずれ」

「だからこそ、法律としてヴァニラが欲しいんじゃない」

「!」

 ヴァニラは真っ直ぐにクリスの目を見た。クリスは不敵な笑みを浮かべている。

「お願い」

「・・仕方ないですね」

 ヴァニラは溜息をついた。

「わかりました、行きましょう」

「決定ね」

 二人は見つめ合うと微笑みあった、むかしから変わらぬ掛け合いが馬鹿らしくもあり楽しくおもったからだ。

「ですが、きっちり責務を果たしてくださいよ」

「女神や巫女の役目を忘れたことなんてないって、忘れたふりしているだけで」

「・・くりすさん?」

「冗談冗談」

 リンのほうは大丈夫かしら



「ラゴウさんラゴウさん」

 二人は同じように寝転がって空を眺めていた、真っ黒の雲から光がほとばしる

「ん?ナンやリン」

「あんたまってたら、ボクもしびれたんですけど」

「落明館は普通のやつやったらおるだけで感電するけど、リンは長時間いたからしびれたんやろな」

 リンは首だけ横をむいた、

「ここいたら何時までたっても痺れるってことだよね・・」

「そだよね」

「・・アホかァぁああああああああああああ!!」



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