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クリス村 休止中~  作者: 綴何
12人の女神の章
27/105

開始

「クリスー!リンーどこ行ってたんだー」

 村人達がクリスとリンの二人の家の間で喚いていた。二人はクエスチョンマークを浮かべながら窓から顔を出した。

 びゅぉぉぉー!!

「風強いねー野菜が心配」

「動物動物」

 二人は守るために結界を張る。

「・・アレ?」

 クリスが疑問を持つのと、村人が叫ぶのと同時だった。

「野菜なんかよりも!村人の心配してくれぇぇえええ!!」

「あ」

 クリスが上を見た。

 結界に穴が開いており、そこから風がびゅぉぉっと唸りながら入っていた。村人の一人か二人飛んで結界外に去って行った。

「あら」

 結界のあちらこちらに穴が開いていた。

「穴、直さないとね」

「あぁ、今度は頑丈なのがいいな」

 リンはそういうと、手を鳴らした。一時しのぎの結界じゃ、すぐ壊れるだろう。

「今回風属性に負けたみたいだな、風属性の神と結界張らなきゃ駄目だな」

「風だけじゃだめよ、雨や雷も必要ね」

 二人は見合った。

「お初、12神巫女を集めようか」

「そうだな」

 村人達は頭をかしげた。

 12?

「私達のもつ光、闇の称号は、天界でも大事なものだし、よくお祭りのときや儀式のときに扱うから、周りの人たちは私達のことを巫女と呼んでいるの」

「感覚は神だけどなー・・」

 リンはめんどくさそうに言った。

「巫女って称号つけて、実際はただお祭りのときに担ぎ出したいだけだろうケド」

「逃げるものね、私達」

 上は面倒なんです。

 しかし称号はぜったい。・・ふぅ

「ま、そんなことはおいといて」

「行くか」


 上空塞城管理城にクリスたちは向かう。

 相変わらず、いろんな人々が四方八方飛び交う・・クリスたちはぶつからないように避けながら飛んで行った、相変わらず大紋をくぐれば、愛想のない官吏達が忙しく歩き回っていた。


「さて、12神を探すか」

 リンは首をコキコキ言わせながらクリスを見た。クリスはクグリの上にのって出陣用意をした。

「上に行くんだもん、覚悟は必要よね」

「あぁ」

 ココは神々や高位の天使悪魔が住まう国・・そこにひとたび入れば、恐れしらずの強引な元老院が権力者を取り込もうと群がってくるのだ。

「よし!」

 二人は気合を入れて跳んだ。ついた天界は相変わらず綺麗なところで平和的だ。

「おぉ!クリス様」

「リン様ー!リン様ではないかぁー」

 来た!!

 二人は猫を被った。

「あらお爺様方ご無沙汰振りです」

「息子が前回のパーティのときにクリス様にすっかり心奪われてしまって、仕事も手につかぬのです」

「まァ大変(棒読み)」

「どうかクリス様息子にお目をかけてくださりませんか」

「ごめんなさいお爺様、私リンとやることがあるの、ね?リン」

「そうそう」

 二人はジジの群れから逃げようとしたが、わらわらわらとどんどん増えてくる元老院のジジどもに逃げ道をふさがれ、なんとも出られなくなってしまった。

(天界の街では、魔法の使用禁止だからめんどくさいわね)

 クリスは心の中で舌打ちをした。

「仕方ない、リン」

 小声でリンの耳に舌打ちした。

「OK」

 リンは漆黒の天使のような柔らかい翼をその背にはやした。

「わー」

 ジジ共はソレを見て驚いて去っていった。

「・・なんだろう、虚しい」

「悪魔なのに天使の羽。天使の羽なのに悪魔の羽だからね、リンちゃんの」

 元老院は常識外のものを嫌う。おそらく太陽と月の浮かぶクリス村になどきたら卒倒すること間違い無しであった。

「さぁ、ヴァニラを探しにいきましょう」

 本部にいき受付にヴァニラを呼び出すように言うと、受付の天使は笑顔でヴァニラは居ないといった。

「申し訳ございません、つい今し方ヴァニラ宮殿女官長は氷の神殿に帰られました」

「氷の神殿!?」

 リンは嫌そうな顔をした。

「ヴァニラの氷の力は、光属性の効力をアップさせるものね」

「純度の高い闇属性にはきついんだよね」

(きついどころかリン以外の悪魔が入ったら黒ずみどころじゃないけどね)

 リンが入れるのは太陽の女神の称号を持っているからだ。

「じゃあ私がヴァニラ呼ぶからあんたはラゴウよんできなさいな」

「・・あそこ?」

「ラゴウ様なら一年ほど前から落明館らくめいかんに行って修行してくるといったまま、報告ございません」

 二人は見合った。

「あえての落命館にいくか」

「漢字違うわよ、そっちのほうが正しい気もするけど」

 二人は手をあげた。

「じゃあまた」

「おう」


それぞれ別れた。

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