ステップ3
「なぁクリス、住民さがすっつたってさ、探したところで死ななきゃ上いけないじゃねーか」
「いけないことも無いわよ、私らが作った空間は、天国でも地獄でも現世でもない、全く新しい空間だもん。どんな奴でも私が許可したら生きれるわ」
「ほー」
いろんな車がある建物内で行ったり来たりしていた。リンはその建物を見てクリスを見た。
「じゃあなんで病院きたんだ」
生も死も取り扱っている場所、それは病院だ。
「あらリン悪魔のくせに知らないの?」
「?」
クリスは小さく笑った。
「ここには希望も絶望も、心の清らかなものもいる、絶好の良好な住民に会えるチャンスなのよ」
「へー、ん?」
リンの手には病院の位置を示された紙を渡された。
「・・・」
「ココよろしくね、リン」
「いや、俺は俺で」
「手伝ってくれたら、ケーキ焼いたげる、ホールプレゼント」
「しっかたねーなぁぁ」
単純。クリスはにやりとわらった。
「まともなの選んでね」
「悪魔は人を見る目があるんだぜ!」
「頼りになるなる~ってことで、じゃ」
「え?ココするんじゃないのクリス」
どこかに行こうとしたクリスの腕を掴む。
「私は異世界に飛ぶのよ、他のところを回るの」
「俺は居残りですか!?」
「そうよ?」
クリスは魔法で一瞬で消えた。リンは溜息を残して病院に入っていった。
ある世界にクリスは降り立った。
ざざーんざーん
「・・海、どんな世界かな」
うおうおうお~なんだか変な歌声が聞こえる。
「?」
そちらのほうを向けば大きな海賊船が見えた。クリスはうるさい海賊船に降り立った。どうやら勝ち戦でもしたらしく黄金の宝を目の前に飲めや歌えやの大騒ぎをしていた。
「お?」
そのなかで忙しそうに走り回る少年がいた。赤髪のクセッケのこ汚い少年。
クリスは話しかけることにした。
「ねぇ君」
「わ!?何もんだお前!海軍か!?」
「違う違う~私のことなんてどうでもいいからさ、あなたのこと教えてよ」
「俺のこと?」
「エース!!まだかー酒はぁ!!」
「今いくって!なんだか良く分からないけど、ココの連中に見つかる前に消えたほうがいい」
そう忠告を残して去っていった少年を見てクリスは微笑んだ。さっそく見つけた住民に歓喜しながら。
「おぃ、あれをみろぉ!」
他の海賊が指差したほうをクリスは覘くと、他の海賊船が見えた。
恐らくココらへんを縄張りとしている船らしく、既に戦闘態勢を整えており、先制攻撃を仕掛けてきた。この海賊船は無防備に直撃した。
「弾だ!弾をつめろ!」
「はい!」
「あ、ちょいとエース君」
「今いそがしんだよ!?」
「向こうの船、もう一つ後ろにあるけど?」
エースは後ろを向いて走り出した。
「かしらァ!後ろ後ろぉ」
クリスは自分の位置を船から天空へと移動した。
エース君のいる船、負けたな・・
前と後ろ両方から攻撃を喰らい、船は沈み始めた、にもかかわらず攻撃はいまだある。
「あーららぁ」
向こうの海賊は殺戮と戦いのみに興味あるらしく、お宝に興味は無いようだ。
「あそこらへん船の残骸多そうね・・」
死霊の怨念がクリスを不愉快にさせる。
「そうね、ちょっとリン」
クリスはリンを召喚させた。
「おう、俺一応最高位クラスだからさほいほい召喚スルの止めてくんない?安売りみたいだからさ」
「五月蝿い。リンほら魂」
「おぉ、すごいなこりゃ」
リンは嬉々として笑った。
「うっとおしいから消してよ」
「あいつらか~まぁ待て待て・・遊んでから」
リンは自分の気の一部を海のそこに飛ばした。ソレを見たクリスは嫌なものを見る目で結界を張った。
ぼこぼこぼこ・・
ざばぁ!死者が顔を出した。骨と化した者、まだ肉片の残るもの、さまざまなものが陸にあがり恨みの者とへと歩いていく。どちらの者ともわからない悲鳴が上がる。
「あひゃひゃひゃ!ばっかでー」
「リン」
クリスはリンの頭を殴った。
「あで、なんだよ」
「アレ、アレ持ってきてあの死体たちが持ってるの」
さっきの戦いで死んでしまった海賊達が山となり、ひとりの少年を海から引き上げていた。リンは魔法で少年を掴んだ。
「これ?」
「それ」
「人を物扱いすんな!」
「あ、意識あった?」
エースは涙をぼろぼろながしながら下を見た。
「みんなぁ・・」
「大丈夫、彼らは地獄逝きだけど、人一人助けた善行の分は、よくしてもらえるわ」
「閻魔甘いからな」
リンは欠伸を一つすると消えた。次のところに向かったらしい。
「じゃあ君は私の村人第一号ね」
「俺許可した覚えないけど!?」
「どうせココで放置したって死ぬでしょう?結局一緒だって」
「・・・・」
クリスは笑顔で止まった。
「なんなら今ココで死なせましょうか?」
浮遊魔法が一瞬途切れる。
「うわぁああああ?!鬼がいる」
「天使だっつの」
「わかったよ、いくよ何処でも行けばいいんだろ!?」
「大丈夫大丈夫そのうち『良かったなぁー』って思う日が来るから」
「本当かよ」
「もちろん」
クリスの笑みにエースはしぶしぶうなづいた。
こうして第一号を捕獲したのであった
彼はクリス村での突っ込み役と成長します