ステップ1
「えぇーっと・・なんだ?うーんあれはコレの代理にして、コレは・・あれでいいわ」
クリスは『世界の理』図鑑5/10を片手にいろんな粉やら固まりやら魔法やらを雲の上にかけていた。
クリスの地盤は雲にえらび、周りの空間は宇宙の空に置いた。
「この状態だと、神クラス以外は生きられないから」
雲の上に半円型の結界をはり、中を魔法や神気や神具など、いろんなものを入れていく。徐々に、しかし確実にそれはできてきた。
「でっきたー!!」
何も無い土地だが、ちゃんと大地で、澄み渡った空だけだが、ちゃんと空気が澄み渡っている。クリスは満足げに微笑んだ。
「あら、初めてにしては上出来じゃない」
「クスリ・・」
クリスは後ろを見た。扇子で顔を仰ぎ優雅に微笑むクスリはクリスの作った土地をみて賞賛した。
「もうこれで、貴女は誰も否定することのない、立派な神ね。貴女に称号を渡しましょう」
「称号?」
「えぇ、『月の女神』の称号を渡しましょう」
クリス村に月が浮いた。クリスが月の象徴になったからだ。
しゅっ、空気の切れる音がした。
「おぉ、クリス!できたのか!」
「あ、リン」
泥だらけのリンは片手に大きな骨を持っていた。
・・何故?
「いいナーって思ってた土地にさ、でっかい魔物がいたから倒してきた。おぉ、ここいいな~何を倒したんだ?」
「リンじゃあるまいし、倒してないわよ」
「おぉー月が浮いてんなーすごー、あれも魔法か?」
「あれは違うわよ、魔法で出せても継続できないわよ、膨大な魔力使うもん」
クスリは村をみて
「これじゃ永遠に夜ねクリス」
と微笑んだ。分かってて称号渡しやがったな・・。
「ふん、魔法で『朝』を作れば問題ないわ」
「おれんとこは・・夜来ないんだけど・・まぁいっか」
「「よくない、よくない」」
「とりあえず俺は俺の村ができた、俺の村の名をリンとつけよう」
「人のこといえないけど、まんまね」
「じゃー住民確保しに行こうぜ!」
「そうね、じゃクスリ、何人かのエデンに入るはずの魂貰うわよ」
「構わないわ、サウジーナの夫がなにかいいそうだけどね」
サウジーナの夫は魔王、もしくは閻魔と呼ばれるもので、サウジーナを溺愛しているらしいが、雑で品のないアク・マウジーは嫌いらしく、本来アクの仕事と思われるものはすべて閻魔が勝手に行っている。 アク的には願ったりだ。
「そういえばさクスリ」
「何かしらリン」
「お前等ってできてるのか?」
クリスがハリセンでリンの頭を叩いた。
「いってー!」
「リン」
「?」
クスリはニコッと微笑んだ。
「神様には性別なんて無いのよ?」
だから?
そう突っ込めなかったリンであった。
そしてココからがクリスとリンの伝説のハジマリ・・ます?