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クリス村 休止中~  作者: 綴何
もう少し頑張りま章
104/105

移動中

 クリス村は無傷だった。とっさに魔法壁を巫女達が張り、敵の攻撃を和らげたのだ。しかし、状況は変わらない。

 「双子に壊されて修復中の村を、これ以上壊されちゃたまんないわ」

 「「ごめんなさい」」

 さりげなく皮肉を込めたクリスに謝りながら、ルミは敵を見た。

 「あれもまた、あんたら支配者の先祖?」

 「面白いこと言うわね、ルミ」

 クリスは全くそう思ってないような顔と声で言うと、異空間からロットを召還し、目の前にかざした。

 「私たちは支配者じゃないし、血族的なものなんて霧よりもあやふやなもの。とどのつまり無関係よ」

 「へぇ、で?」

 ルミは後方へと下がった。

 「あいつら、どのぐらいのレベル?まぁ、あたしらにどうこうできる相手じゃないでしょうけど」

 「察しがよくて嬉しいわね」

 敵が放った気功弾をロットを振りかざし、クリスは破ったが、第二波は破れず、魔法で弾き返す。

 向こうの魔法型らしい敵は、指で魔方陣を紡ぐと、そこから黒いオオカミのような獣が現れ、クリスをスルーして村に特攻していく。

 「なんか来てんねや」

 昼寝していたラゴウが家から出て、発した第一声がこれだった。

 リンが獣をクナイで脳天ブチ飛ばしていく。

 「あいつらの強さ、どのぐらいだと思うリン」

 「え?えー」

 リンは頭をひねる。

 「村人が三輪車だとして、ルミたちは自動車。クスリやスリープたちは電車だとして、特急だな!」

 「……その考え方。わかりずらいわ」

 「とりあえず」

 クリスは指定魔法を精製し、場所を異空間に移動させた。

 村人は終わった?っと顔を出す。


 「終わってないぞ」

 腕を組んだままラオは難しい顔をしている。

 「いつもなら、クリスかリン。どちらかが瞬殺しているのに、今回は場所を変えた」

 「それって、難しい相手ってこと?」

 「いや、どうだろうな」

 ラオは村人のほうをむいて苦笑いを浮かべた。

 「なんせ、あの二人はお遊びが大好きだから」

 「瞬殺できる相手でも長引かせることあるからな」

 「……」

 村人は納得したらしい。

 それはそれでクリスたちの人望は大したもんだとアクは思った。

 アクはふと横にいるクスリを見た。いつも静かに傍観しているクスリだが、今回は何やらいつもとちがい腕を組んで何か考え込んでいた。

 「どした?クスリ」

 「えぇ……少しクリスの行動が気になって」

 「移動したのは村狙われたら面倒だからだろ?」

 「そんなのわかってるわ」

 一刀両断されアクは少し落ち込む。

 「何故ロットを出したのかしら」

 「え?」

 本来魔法使いがロットや錫杖、魔導書を使用及び取り出すときはだいたい魔力を保存、供給、増幅などに利用するときだけ。

 「クリスのようなモンスターも逃げ出す魔力量の持ち主なら、本来ロットなんていらないはずよ」

 「お前、仮にも娘にひどいな」

 「まぁ、でも」

 指を鳴らすとクリス村のソラがスクリーンに変わる。

 「これであの子たちの『本来』の実力が分かるかもしれないわね」

 「?」

 クスリは微笑んだ。

 「あの二人、臭すぎるんですもの」

 「……あたしからしたら、天界の連中なんて、みんな一緒じゃないかい」

 「アクちゃんは淫魔だから、分からないわね。神はね」

 クスリは嗤う。

 

 「『神』という『名』を与えられた『人であり』『人ならざる』モノなのよ」

 

 アクはぞくっとした悪寒を隠すようにクスリから目を逸らし、空を見上げた。

 

 「……わかりたくもないね」

 「そのほうが賢明よ」

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