下
町の一画全体すべて制覇を果たした二人
「昔の契約によると、戦って勝ったら幻獣界のもの自分の配下においていいんだってさ」
「ほー」
つまり自動的に二人の支配下となったわけだ、クリスとリンの成約の紋が魔物の身体に現れ消えた。契約はなされたようだ。悔しそうに唸る
「あー別に悔しがんなくてもいいって、俺どうせ使い魔とか使わないだろうし」
リンがそういうと逆に悔しそう泣き出した。
(めんどっちいな)
「別に解約してあげてもいいわよ」
「クリス?」
あの使える物はもっとけ方針のクリスがあっさりそう言った。クリスに考えがあるのは分かるが、何を考えているのかはさっぱり分からないリン
頭いっぱいにクエスチョンマークを浮かべる。
「ど、同情など」
「そんな、全く同情なんかじゃないって」
クリスは横に手を振りながら契約解消の紋を浮かべた。
「ふーん?クリスがするなら俺も」
リンも紋を浮かべた。
そしてまた新たに仲間を捕獲するべく歩いていく。リンはクリスの横で歩いた。
「なんで解約したんだ?しかも全部」
「何でだと思う?」
質問返しされてリンは黙った。心の中で分かるわけがないと考えていた。
「ヒント、場所よ」
「・・ますます分からん」
下級町から貴族町に移動する。
町並みも下よりも落ち着いていた。
「てか俺ら帰りどうするよー?ルルもララも帰っちゃったんだろう」
「ログアウトね」
「え?」
「大丈夫よ一回来たところなら私もう座標わかったから。いつでも移動できるわよ」
「お前って天才だよねー」
わー、と走り回る子ども達。
どうやらこの町は人に対し余裕の態度を示していた。
「さて、やりますか」
笑顔でクリスは歩いていった。
「お?置いていかれた」
リンはあまり困ってない口調で言った。仕方ないのでリンも歩いて探す。クリスよりもあまり仲間探しに乗り気でないリンはダラダラと町を探索した。
「ん~?」
この世界でもあるらしい、いじめ
一人の少女を囲んでみんなで暴行を繰り広げていた。
人間界と違うのはその苛め方が身体を使ったものじゃなく時折気孔弾みたいなん放ったりするもんだから、リンは物珍しく眺めてしまった。
故に
「何だお前」
「人間が何かようかよ」
リンはふと思った。自分は神の地位に一応いるらしいが、果たして人間なのだろうか・・でも人型は全部人間と呼ぶって誰か言ってた気がするからまぁいっか。
「無視かよ!」
口から炎のボールを吐き出してリンに攻撃を仕掛けたが、リンは片手で跳ね返した。
ちなみにほぼ無意識に。
「う、うわぁあぁ!人間じゃないー」
逃げていった魔物の子たちを見ながらリンは思った。
あれ?人間と人型って別物?てか神扱いなし?
「はぁー」
頭をぽりぼりとかく。
(まぁいっか)
歩いていこうとすると、誰かが抱きついてきたのでリンは倒れた。
その拍子に頭を打つ
「あの、ワタクシのご主人様になってくださいませんか!」
「はぁぁ?」
見れば先ほど苛められていた女の子であった。水色の長い髪ってだけで特にオプションのついているようには見えない・・ぶっちゃけ弱そうだ。
「……」
つい今しがたできたばかりのタンコブを撫でる。
「駄目ですか?そうですよね、ごめんなさい」
ずいぶんと諦めるの早いなこの子・・雑魚なのか?
「んーまぁいっか?俺はリンお前は?」
少女の顔が明るくなった。
「名前は貴女がお決めください」
「えー」
リンは少女の顔を見た。期待に瞳を輝かせている。俺ネーミングセンスないんだけどな・・。
「じゃ、とりあえず人型モードといてくれる?」
「はい!」
少女の姿が変わり、まだ幼い幸せの青い鳥が姿を現した。孔雀のように尻尾がいよ~うに長い
リンは頭を捻った。
「あー(めんどくせぇ)鳥だからバードでいいや」
鳥、改めバードにリンの契約の紋が表れる。
「あら、リンちゃんも契約すんだ?」
「お、クリス?」
の横には狐やら犬やら良く分からないけど、まだ幼いが確実強くなるだろうなぁっていう感じの仲間がいた。
「・・・・」
「何?もう帰るけど?」
リンは小さく溜息ついた。
俺が欲しいもの、クリスが持ってたなぁ
ぱたぱた隣で健気に飛んでついて来る仲間には言えないけどね。クリスの移動魔法に身をゆだねながらリンは思ったのであった