僕の運命
運命って、信じる?
僕は運命なんて、信じていなかった。
とても淡白な人生で、人間で。
世界は灰色に見えていた。
何を見ても特に心が動かない。
恋愛もうまくいかない。
そんな、不自由な僕だったはずなのに。
キミだけは、僕の心を溶かした。
知り合ったのは、今は廃れた掲示板。
メールのやり取りを数回しただけで、なぜかとても惹かれてしまった。
キミからのメールが待ち遠しくて、何も手につかない。
「今頃何をしているのだろう」
ソワソワして、落ち着かない。
他の人とも、やり取りはしているのかもしれない。
キミにとって、僕は唯一ではないのかもしれない。
それが歯がゆくて、もどかしくて。
僕だけのキミに、キミだけの僕になれたらいいのに。
そう、願わずにはいられない。
気づくのは早かった。
これこそが、「恋」なのだと。
人生において、恋愛など必要なかった無機質な僕が、恋に落ちる。
過去の僕が見たら、皮肉げに笑ったはずだ。
しかしキミは、それだけ眩しかった。
灰色世界を払拭し、僕から影を落としてくれる。
僕はキミが欲しい。
キミから求められたい。
キミのことが大切で、何よりも愛したい。
キミは僕を一瞬でろ過してしまった。
キミはきっと、僕の運命だ。
同時に僕も、キミの運命であってほしい。
淡白な僕が、こんなにも貪欲になるなんて。
人生とは分からないものだ。
メールから、リアルになろう。
リアルから、永遠になろう。
今日も僕は、キミのことだけを想う。
キミの人生が、僕を必要としてくれますように。
僕の人生が、キミ色に染まりますように。