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エルランド 異世界に立つ!!

エルランドが無双するお話です。

 

 頭が割れるように痛い。ここはどこだ。東京ではないな。…あれ?思い出せない。俺の名前が思い出せない。家族や友達の顔や名前が思い出せない。何でなんだ。


ピコン!メッセージがあります。開きますか?


 YES/NO


 急に目の前に現れたゲーム画面の様なメッセージに驚きつつも。YESをタッチする。


 やあ、気が付いたかい。君は前の世界で不慮の事故で死んでしまった。しかーし、私が創造した世界で新たな人生を切り開く権利をあげるよ。いやー、本当にラッキーだね。ああ、そうだ。ここでの君の名前は、エルランドね。僕たちの言葉で、神の子って意味なんだ。縁起がいいだろ。感謝しろよな。あと、僕の部下が体の構成をミスって一般人より強い体になっているけど、記憶の一部が欠損しちゃった。でも、強い肉体を手に入れてラッキーだね。それに、僕からのプレゼントもあるからね。じゃあ、新たな人生を楽しんで。

                 by 創造神


 ええ俺は死んだのか?じゃあ、俺は日本に戻れないで、この異世界で生きていくのか。


 思わず空を見上げる。これからどうすればいいのか。


「おーい、この辺りでは見ない顔だな。もしかして、お前も親に捨てられた感じか?」


 声の主に目をやる。そこには、燃える様な赤毛の子供がいる。いや、目線は俺と同じ。俺も子供になっている。体格からして12歳ぐらいだろう。声の主も同じぐらいの年齢だと思われる。


「えーと、まあ、そんな感じ」


 苦笑いしながら曖昧にはぐらかす。


 まあ、この世界には親はいないし、そもそも前世の親の顔を思い出せない。いや、創造神が親になるのか?うーん、どうなんだろ。


「一人だと人攫いどもに狙われるぞ。まあ、たいした飯はないけど雨を凌げる。俺たちのところに来いよ」


 満面な笑みで赤毛の子供は手招きする。


 着いていくのもいいと思ったが信用していいものか。迷いどころである。


 迷って考えていると、赤毛の子供は感じ取ったのか。無理に誘うのはやめる。


「まあ、いきなりは信用できないよな。あそこに見える小さな広場が見えるだろ?あそこに俺か、仲間がいるから声を掛けな。ちなみに、俺の名前はレッズだ。何か困った事があれば頼ってくれよ」


「ああ、ありがとう」


 有難い申し出ではあるが、辺りの様子を見てみるのも悪くない。


レッズの申し出を断りを入れたと時に、後ろから青い髪の少女がレッズに駆け寄って来る。


「レッズ、ジルー爺さんが呼んでる。早く来て」


「わかった。今行くから待ってな。悪い。呼ばれちまった。何かあれば頼れよ。じゃあ、またな」


「ああ、またね」


 何か困ったことがあれば、レッズを頼ってもいいかもな。


 さてさて、これからどうしよう。


 ここは街の中というより、街の外と言った方がいい気がする。広場の後ろには城壁らしき壁が連なって、ここの辺りはボロボロのテントやグレ落ちそうな小屋が密集している。多分、ここはスラム街と言われる地区になるのだろう。その根拠が異臭である。鼻が取れそうなぐらいキツイ臭いがする。


 それにしても臭いがキツイな。これがリアルスラム街なんだろうな。ひとまず動こう。


 城壁とは反対方向に向かって歩いて行く。


 しかし、少し歩いてすぐに、その考えは間違いだった事に気がつく。日本でぬくぬくと育った温室育ちには、スラムの危険を想像することが出来ていなかった。



「おい。あっちに行ったぞ。お前らは回り込んで、あのガキの逃げ道を塞げ。お前らは、俺と一緒に着いてこい」


「クソ、何て逃げ足の早いガキだ」


 絶賛、人攫いの集団に追いかけ回されている。転生してすぐに人攫いに追われるとは思ってもいなかった。いや、創造神様。まともな所に転生させてよ。


 しかし、マジでしつこい連中だな。かなりの時間を逃げ回っているのに。いい加減早く飽きらめてくれ。


 ピコン!メッセージがあります。開きますか?


 YES、NO


 こんな時に創造神からのメッセージかよ。後にして欲しいけど、打開策がないからYESだ。


 異世界でのチュートリアルだよ。この世界では無数のスキルが存在するんだ。スキルによって恩恵を受けたり、スキル技を使用することができるんだよね。そして、スキル技を使用したり、色々な事を何度もこなす事でスキルレベルが上がったり、新たなスキルを獲得する事ができる。さらに、さらに、ある条件を満たす事で珍しいスキルを獲得する事ができるから色々な事をすることをオススメだよ。

 ちなみに、スキルには戦闘系、魔法系、補助系、制作系、特殊スキルに分類され…


 こんな状況で、タラタラ読んでられるか!でも、この世界には魔法があることはわかった。これは魔法を試してみる価値はある。小説のテンプレではしっかりイメージすることが大切だったな。よし、しっかりイメージして。心の中で唱えてみる。

 

 ファイヤーボール


 すると、野球ボールぐらいの火の玉が現れて人攫いに飛んで行く。そして、一人の人攫いに着弾して炎が弾けて衣服に燃え移る。


「あぁわ、熱い、熱い。助けてくれ」


 着弾した人攫いは、地面に転げ回って炎を消そうとする。


 おお、成功してしまった。そして、なかなかの威力ですな。


 「あのガキ、詠唱をしないで魔法が使えるのか?絶対に逃すなよ。こりゃ、大金が転がり込むぞ」


 「いい酒が飲めそうだせ。お前ら気合い入れるぞ」


「一攫千金のチャンスだぜ」


 あれあれ、ビビるどころか何かすごい捕まえる気になってません?おかしいですなぁ。詠唱を破棄って聞こえた気が・・まあいいや。とりあえず、ファイヤーボールで牽制しよ。


 ほれ、ファイヤーボールだ!


 流石に、人攫いどもは馬鹿ではないようで剣でファイヤーボールを叩き切って防いで来る。でも、足止め程度にはなっているので距離は離れている。 

 

 しかし、先ほどより目が血走って追いかけて来るので、非常にメンタル的にはよろしくない。

 

 クソ、ファイヤーボールでは止められないのか。それに、ファイヤーボールは近くの家やテントに飛び火しそうで危ないな。他の魔法を使った方が良さそうだな。


 うーん、土魔法の方がいいのでわ?地面を沼地に変えて足止めが有効かな?うん、試す価値はあるな。


 地面を沼地に変えるイメージをしながら地面を触り、よくゲームで出て来そうな魔法。


 アースバインド


 すると、地面がドロドロになって来る。そして、人攫い達が来る頃には辺り一面が沼地のようになっている。


 「何だ、アイツ、土魔法も使えるのか?こりゃ、金の卵だ。お前ら、行くぞ。絶対に逃すな」


 うん、逆効果だったかも。すごいやる気になっている。


 しかし、やる気とは裏腹にアースバインドの効果は絶大に発揮して、足を踏み入れた瞬間に腰の位置まで沈み込む。


 「クソ、前に進めねぇ」


 「お頭、動けませんぜ。」


 「クソが。体を掴むんじゃね!こら、待ちやがれ」


 なんで、待たないといけないだよ。さあ、ちゃっちゃと退散しますか。


 後ろからガヤガヤと叫んでいる声が聞こえるが、無視して路地の奥に逃げる。途中、先回りしていた人攫いの仲間に遭遇するがアースバインドの効果は素晴らしく。人攫い達は、一歩も動けずに見送るしかなった。


 ふぅ、もう大丈夫そうだな。こりゃ、一人でいるのは危ないな。どうにかして、レッズがいた所に戻れるかな?いや、でも迷惑がかかるかもな。


 色々と考えて逃げているとスラム街の外まで来てしまったらしい。スラム街の外は草原が広がり、その先には深い森がみえる。


 「おー、富士山より高い山脈だな。その手前には、深い森が続いている感じか」


うーん、スラム街に戻れば人攫い達に追われる可能性もある。選択肢としては、城門に行く。人攫いの目を潜り抜けてレッドに頼る。草原の向こうの森に潜む。その3つの選択肢。今、スラムに戻ってもまた人攫い達に追いかけ回されそうだからな。城門に行っても同じことが起きそうだからな。ここは、草原の向こうにある森に行くのがいいかな。


そんなことを考えていると、スラム街の方から人攫いの怒号が聞こえて来る。


「クソ。いないぞ。おい。俺は入り口付近を探す。お前はスラム街の外側も探せ」


 はい。森に逃げ込みましよ。チンタラしていたら捕まりそうだ。


 急いで、草原の向こう側にある森へ走って向かう。その途中、メッセージ音がなる。 


ピコン。メッセージがあります。開きますか?


 YES/No


 おっ、メッセージが来た。今度は何かな。ポチとな。


 さっき、チュートリアルを飛ばされたから。特別に簡潔に説明するね。この世界にはスキルが存在するわ。先天的なスキルと後天的なスキルがあるの。だから、やる気があるなら、頑張ってスキルを身に付けてみてね。最後に自分に鑑定を掛けてごらんなさい。自分のステータスを見ることが出来るからさ。今後の参考にしてね。


               by創造神


うん、今回はタイミングを読んでくれたみたいだな。よし、鑑定!


ステータス


名前 エルランド


称号 異世界からの来訪者


スキル 賢者 拳王 テイムマスター 

    クラフトマスター 神の鑑定 

    

 称号は良く分からんが、スキルは多分強いだろうな。名前からして明らかにヤバそうなスキルがあるだよな。あと、クラフトマスター、テイムマスターもヤバい香りがする。



  賢者 

 全ての魔法属性を使用可能。さらに、魔力の回復がかなり速い。


  拳王

 体術もマスターして、華麗に避け、巨人も倒す拳で敵を粉砕する。我が剣は拳なり。


  テイムマスター

 魔力を流すことででテイムする。また、テイムできない魔物はいないと言われるほど、ほとんどの魔物をテイムすることができる。


  クラフトマスター

 武器、防具、解体、錬金、錬成、加工、制作、建築などのあらゆる生産スキルを全て習得している。


  神の鑑定 

 神から授かった鑑定スキル。全て物を鑑定することができる。


 はい。スキルがバグってるね。


 ピコン!メッセージがあります。


 はい。開きますよ。


 追記、この世界では、スキルのあるなし、レアなスキルで人生が決まるほど重要です。あなたは、一部の記憶をなくなった代償に、スキルを4つとレアなスキルを獲得することができました。弱肉強食の異世界で、レアなスキルを獲得してラッキーでしたね


               by創造神


 メッセージを読みながら歩いていると、森の入り口に到着した。


 この森、かなり生い茂っているな。入っても大丈夫なのか?


 危険な植物があるのかな。念の為に、近くにある植物を片っ端から鑑定をかけていく。



 なになに、この木はサウスウッド。建築建材にあまり余り向いていない。しかし、成長がかなり速い。南に樹勢する木っと。


 こっちはストーンウッド。魔素が多くある場所に樹勢して、高級建築建材に使われるほどで丈夫である。ただし、加工が難しく職人の腕次第で価値が変わる。


 これは、禍々しい木だな。コイツは、マギウッド。魔素が多くある場所に稀に生えている木。魔力の伝達力が高く、魔力を増幅する効果がある。その為、高級魔道具や魔導士の高級杖に使われる。


 うん、凄そうな木が多いな。


 こっちの草は、ネグルー草。普通の毒草とは違い。錬金次第では、万能解毒薬にもなるが劇薬にもなる毒草。


 コイツは、ヤク草、鎮痛剤の原料。錬金次第で中級回復薬と中級魔力回復薬の材料になる。


 その側のヤク草に似ているのがオオヤク草。コイツは上級回復薬と中級魔力回復薬になる。


 このタネが付いている草が幻覚草。種子に幻覚作用の成分が含まれている。錬金によって危険な禁止薬物になる。この種子を持ってるだけで…処刑対象になる。


 うん、最後のは見なかった事にしょう。


 最後は、ヤバそうな感じだったけど、すごい素材ばっかりだったな。これを採取すれば金になるなでわ?ふっふっ、これは採取するしかないよな。


 金になりそうな素材を採取する為に森の中にどんどん入って行く。そして、1時間ぐらい採取に熱中する。


 これレアなやつなのでわ?よし、採取しておこう。おー、これも金になりそう!これも採取っと。金になると考えると。いやー、楽しいね。


 エルランドは、もう完全にお金のことしか頭にない。でも、金があれば食事も安全も確保出来るので間違いない。異世界とならば、それはなおさらである。しかし、目の前の安全を忘れていることを知るのはもう少し後になる。


 あっ、ここ、鉄鉱石が取れるじゃん。手掘りで取ることになるけど、鉄鉱石があれば、創造スキルで何か作れるのではないかな。ふっふっ、これはツイてるね。

 

 そうだ。素手掘るのは大変だから。


 はい。クラフトマスタ〜


 ストーンウッドを創造スキルで加工して・・


 はい、スコッ〜プ


 よし、ここ掘れわんわん。


 よしよし、大量に取れたな。コイツを空間魔法のアイテムストレージに入れると。ふっふっ、賢者スキル万歳。


 そう、俺は採取をしている時に気がついてしまった。採取した物を入れる物がない事に。しかし、賢者スキルの全ての魔法属性を使用する事が出来るということは空間魔法使えるのではないかと。そして、試してみるとアイテムストレージが使える使える。それも、魔力量で次第で容量が決まるらしい。自分の魔力量がどのくらいあるかは分からないが、魔法を発動しても減った感じしないので、多分これは詰め込み放題である。


 掘れるだけ掘ったおかげでかなりの量を取れた。そして、鉄鉱石だけではなく。粘土、魔土、極小の魔石などが取れた。


 よしよし、かなりの量を取ることが出来たな。


 ガサガサ


 うん?物音が・・


 物音がした方を振り返って見る。そこには、某恐竜映画に登場しそう小型肉食恐竜みたいな魔物が茂みから顔を出している。


「・・こんにちは」


 ギッァーー!!


 鋭利な爪が喉元付近を通り過ぎる。反射的に上体を逸らさなければ、喉元に鋭利な爪が食い込んでいた。多分、拳王スキルのおかげである。


 「クソ、危ないだろ」


 そして、避けると同時に全力の右フックを顔面に叩き込む。


 バチン!


 ひゃーー!


 右フックが当たると同時に頭部が弾けて、殴った方向には頭部と思われる肉片と血が爆散している。


 「拳王スキル、ヤバい。これは、人間に全力で打っては行けないヤツだ」


 ガサガサ


 ちっ、まだいるのかよ。


 先程、爆散してしまった魔物より少し大きな魔物が背後の茂みから出て来る。多分、全長3mぐらいありそうである。



 ギッァ、ギッァ


 うん?


 頭を低くして、弱々しく鳴きながらこちらにゆっくりと歩みよって来る。


 もしかして、テイムできるのか?


 警戒しながら近づいて、魔物の頭を触りながら魔力を流す。


 すると、魔物と魔力が繋がった感覚を受ける。


「これは、テイム成功かな」


 目を細めながら冷たいツルツルした顔を擦り寄せて来る。そして、顔を上げて、何かを呼ぶ鳴き声を出す。


 すると、同じ魔物がゾロゾロと出て来る。そして、頭を低くして立ち止まる。


 その数は10体になる。多分、最初にテイムした奴が群れのリーダーだったんのだろう。


 「皆んな、テイムしますか」


 一体一体に魔力を流し込んで行く。


 「よし、皆んな成功だな。コイツら、何って言う魔物なんだ?」


 さてと、鑑定!


 ステータス


 名前 ベロキラ


 Bランク


 群れで狩をする魔物。狙った獲物は狩るまで追いかけ回すほどのタフネスを持ち。仲間を囮にして背後から襲いかかるほどの知能を待っている。密林のハンターと言われ恐れられている小型の魔物竜である。


 ほー、凄そう魔物だな。ランクは良く分からないけど、Bってことはなかなか凄いだろうな。


 

 最初にテイムしたベロキラがお顔を擦り寄せてくる。優しく撫でながらステータス欄を消す。


 採取もテイムも出来て、素晴らしい時間をだったな。よし、そろそろお家に帰る・・時間・だな?


 あっ、俺、・・家ないだ。



最後まで、ありがとうございます。

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