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061 学院3年目

興味を持って頂きありがとうございます。




あれから月日が経ち学院3年目となった。

15歳から18歳というのはエレン騎士団にとって大きな成長の期間となった。

この期間、ザルヴァルドゥクトたちが仕掛けてきたモンスターピードなどを鎮圧し、また、ちょっとした武力蜂起もあったがこれらの鎮圧にもエレン騎士団は活躍を示し帝国内における多種族に対する感情は小さいながらも変化を起こしていた。

そう言った事もあってエレン騎士団は経験を積みレベル相応の実力を持つまでになった。

エレンに至っては剣術や魔法がそれぞれレベル10という人外のレベルに到達し、種族レベルをカンストしてハイエルフからハイエストエルフに種族アップをしていた。

ハイエストエルフは伝説にだけ登場するエルフであり亜神族という立場である。

リュウタもまた神族レベルがアップしており、この世界に顕現した時にはレベル52だったのが今では69となっていた。

ヒデキたちもまた大きく成長していた。

相変わらず監視されてはいたが、ヒデキはザルヴァルドゥクトと婚約した事もあり部屋は彼女と同室となり監視の網から多くの時間で逃れられている。

それにより様々な犯罪や企みを襲撃を事前察知しにくくなっており、魔道具店襲撃などは少なからずの割合でその成功を許しており、今では完全にヒデキの配下と化していたリョウジ、シンヤ、アイリ、サナエたちも火属性、水属性、土属性がそれぞれ上級となるレベル7、闇属性魔法と魔属性魔法もそれぞれレベル5になっていた。

ヒデキはと言うと完全に種族チェンジをして上級魔族となり、各種魔法はレベル8に達してパルティア王国内において最強最凶の兵士となり次期国王として認知され始めていた。

リョウジたちもヒデキ同様に犯罪に手を染めた事でブリギッドが戒めとして与えた膂力や豊穣または火魔法は消え去った。

人間として生きるならこの戒めが働き膂力は本来より落ち、火魔法なども再取得が難しくなるのだがスクロールを使用する事で問題なく再取得できていた。

彼らもまたレマイオス王国に生きる穏健派魔族ではなく、大陸統一を掲げる強硬派魔族として生きる事を選択した事で魔族へと種族チェンジし闇属性や魔属性魔法を手にしていたのだった。


ー ザルヴァルドゥクトの個室にて ー


学院の寮にあるザルヴァルドゥクトの個室にヒデキたち転生者が集まっていた。

王族が使う部屋という事もあり、他の上位貴族用個室よりも一層豪華な内装となっており、今は婚約者であるヒデキも使用していた。

そしてヒデキは今後の方針を話し合うためにリョウジたちをこの部屋に呼んでいた。

ソファに座っているのはこの部屋の主であるザルヴァルドゥクトとヒデキだけでリョウジたち4人はヒデキの後ろに立っており、彼らの立場はしっかりとその魂に摺り込まれているようだ。


「あと1年で学院卒業だが、パルティア王国に向かう前にやっておきたい事がある」


彼らが所属しているシリタミア領に戻るのではなくパルティア王国に向かう。

それはシリタミア領からすれば卒業後に帰属すべき領軍籍から離脱するという裏切り行為であり、何より敵国民となるのだから発覚すれば即逮捕の上死罪となる。

贅沢三昧とまではいかないが、パルティア王国に行けば王族となる。

領勇者格上げと比べて遥かに上の待遇が待っているのだからシリタミア領に戻るという選択は当然ながらない。


「ああ。分かってるよ。パルティアに向かうための前準備だろ?」

「同時多発的に帝都内に魔獣を召喚し混乱に陥らせる、だったっけ?」


リョウジとシンヤが応えた。

帝都は長大な城壁に囲まれており、しかも上空にも障壁が展開されている。

魔獣が城壁を越えて帝都内に入り込むのは非常に困難な造りをしているのだが、そう言った強固な防御を誇る場所ほど内側からの襲撃には脆いもの。

そこで召喚魔法陣を介して魔獣を帝都内に呼び込む事で皇帝のお膝下に混乱を引き起こし、それを機に既に待機しているカーリス教騎士隊による内乱を同時多発的に起こし帝都を制圧するという計画だ。


「まさかカーリス教会がパルティア王国の関連だとは思ってもみなかったわ」

「本当に。人族優位を煽る事で多種族との間に軋轢を生ませるなんてね。他種族国家の帝国にとっては最悪の事態と言えるわよね」


アイリとサナエが2人の言葉に繋げる。

この混乱に乗じてザルヴァルドゥクトとヒデキたち4人は失踪という形を取って帝都を抜け出しパルティア王国へ向かうのだ。


「魔獣と言ってもAランク以上を少なくとも1000体。帝都を護る衛士やすぐに集結できる冒険者ギルドの上位ランカーたちの戦力では殲滅できない数よ」


ザルヴァルドゥクトは具体的な数字を挙げてヒデキたちの緩みがちな気を引き締めさせる。

それを聞いたリョウジ、シンヤ、アイリそしてサナエは軽く咳払いをしながら居住まいを正し、


「そのためには帝都近隣にあるダンジョンの階層主を中心に転移させないとな」

「で、俺たちの役目はこれからダンジョンに潜り転送準備をするって事っていいか?」

「まぁ俺たちなら中級ダンジョンどころか上級ダンジョンも中位階層くらいまでは楽勝だしな」

「正直いうとギルド内でもほぼ敵なしだしね」

「うん。私たちなら余裕でできるわよね」


そう言いながらダンジョン攻略について話し合うのだった。

一方、リュウタたちはというと進級して直ぐの試験もエレン騎士団のメンバーで上位を独占し、1〜2年時同様、Aクラスはエレン騎士団メンバーだけだった。

ヒデキたちも実技は上位の成績だったが筆記試験が悪すぎて総合的な判断でBクラス。

異常にリュウタたちをライバル視するヒデキにとっては受け入れ難い結果ではあるが、別なクラスになったからこそ、様々な工作を気取られる事なく実行に移せるのは別な話。

ヒデキの事など全く頭にないリュウタは、最上級生の3年になる事もあり本当ならAクラスの首席であるリュウタは学院の生徒会長やら面倒な立場に立たなければいけないのだが、少しでもエレン騎士団の団員であるキュジケノスに良い所を見せるためにBクラスでも中程の成績であるラミル皇女が生徒会長になった。

リュウタは気ままに暮らしていきたいという事もあり、生徒会長人事は全てラミル皇女の側近や取り巻きに丸投げする事にし、「ファンザ・カレー」に続く新たな飲食店開店に向けて準備を進めていた。


「最近では団員の皆のおかげで帝都周辺は随分と平和になったよ」

「そうよね。討伐や殲滅依頼をどんどん受けていたから」

「そうじゃな。ダンジョンも近郊のものは全て踏破してダンジョン・オーブを支配したしな」


ダンジョンの最奥にはダンジョン・オーブという物が安置されており、ダンジョン主を斃した上でダンジョンの捜索を行い隠されたダンジョン・オーブの所有権を自分に移す事でダンジョンを完全支配できる。

言い換えれば、ダンジョン・オーブを支配するまでは完全踏破とは言えず、この事実を知っているのはエレン騎士団の団員だけなのだ。


「ダンジョン・オーブを支配したら種族進化を起こすと言うのも驚きました」

「そうね。ノルンやエレンだけじゃなくマヨルカや私も種族進化したのよね」


エレンがハイエストエルフになったのを始め、ノルンとアレクサは神獣から亜神族(デミゴッド)になり、マヨルカはエルフからハイエルフ、そしてタミレは人族(ヒューマン)から最上位人族ハイエスト・ヒューマンになっていた。

何よりアンティオコスとニカラウスのホムンクルスたちも人造人間(ホムンクルス)から神造神族(ゴッドノイド)に種族進化を起こしたのには驚いた。

他の転移者たちは人族から上位人族(ハイ・ヒューマン)になっていた。

ただリュウタにとって仲間たちの種族進化はそれ程重要な事ではなく、皆がのんびり過ごせれば良かった。


「これも団員全員の頑張りのおかげだと思うのだが、今考えているのは楽器の生演奏を聴きながら食事ができる場所を創りたいと思うんだ」


リュウタは以前、サクソフォンやピアノ、ハープなどを創ったのだが個人的に練習しているだけで、折角創ったのにあまり日の目を見ていない様な気がしていた。

そこでエレン騎士団で管弦楽団を作り演奏する機会を増やそうと考えたのだ。

商業区の一等地に転移者たちが暮らしていた元の世界の料理と音楽を楽しむ「レストラン・バクトゥーリア」と名づけてオープンする事に。

楽器の割り振りは、テナーサクソフォンは俺、ピアノはタミレ、エレンはハープにノルンはフルート、マヨルカはヴァイオリンに。

アンティオコスはチェロ、ラオディアはクリリネット、キュジケノスはトロンボーンにデメテアはパーカッションになった。

不足の部分はホムンクルスたちに演奏してもらう事にし、料理はシルキーであるマイを料理長にした。


お読み下さり誠にありがとうございます。

今回の話はいかがでしたでしょうか?

宜しければ感想・ブクマ・評価を頂けると嬉しく思います。


これからも少しでも楽しんで貰えるよう頑張っていきたいと思います。

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