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興味を持って頂きありがとうございます。




アレクサを王城に連れ帰った所、当然ではあるが王城内は蜂の巣を突っついたかの如く大騒ぎとなった。

何せバクトゥーリア王国の守護神とも言える帝王種の飛龍が人化してやってきたのだ。

ノルンの方がアレクサよりも上位と言える存在ではあるが、そのあたりの事情などは人族の知らぬ事であり、しかもアレクサはこの国の創成期より今代まで崇め祀られてきたのだから当然の事だろう。

王城に戻るとディオドトス王自らやってきて俺たちを応接室へと案内してくれた。

王城は基本石造りではあるが内部は随所に木材が使われており、何より半円状のアーチではなく尖頭形状なので天井も高かった。

中世ヨーロッパで言うならゴシック建築に近い建物は、外観は重厚感があり内部も広く開放感のあるものになっていた。

応接室は天井が高くエルフらしく自然をモチーフとした造形が施されており、エクバタナにある帝城の華美なものとは異なり荘厳さを追求しているかのような内装だ。

その応接室に到着するや、


「リュ、リュウタ様っ!神たる幻影様をお連れするなど……あぁ畏れ多いぃぃ」


エレンの父であるディオドトス王はアレクサの醸し出す神気から、彼が幻影である事を即座に理解し卒倒しそうになっていた。

しかもアレクサはそのまま王都に移住して冒険者ギルドの依頼を受けると言うのだから再び卒倒しそうになる。


「それでは……アレクサ様は王城にはお住まいにならないのでしょうか?」

「あぁ。リュウタ様からの指示通り冒険者として活動するからな」

「そ、それでは貴族街に邸宅を用意致しますので、そちらにお住まいになられては如何でしょうか?」

「ふむ。それは悪くないな」


ディオドトス王とアレクサが話しをしているとエレンがそこに割り込んできた。


「それならエレン騎士団のバクトラ支部を作ってそこにアレクサが住むのはどう?」

「エレン!アレクサ様との会話に……」

「いや、問題ない。序列としてエレン様は私の上に位置する故に」

「エレンの方が、ですか?」

「そうだ。エレン様は私の上位だ。だからエレン様の要望を優先して騎士団とやらの支部を作りたい」

「畏まりました。それではエレン騎士団のバクトラ支部の手配をば」

「あー、すみません、土地があれば建物は俺が建てるので」

「建物をリュウタ様が、ですか?いや、それでは貴族街の1等地を手配致します」


そう言うとディオドトス王は側近の者に指示を出した。


「アレクサ様。土地は数日中には用意できると思います」

「ありがとう。ただ、先程も騎士団の序列はリュウタ様の婚約者たちが上でね。高い順にエレン、ノルン、マヨルカそしてタミレの次に私がくるんだ。当然、その遥か上にリュウタ様が座すのだけどね」

「畏まりました……それではこの件に付いてはリュウタ様に報告すれば宜しいのでしょうか?」

「そうだね。それが良さそうだね」


アレクサは俺を立てているようで実際は面倒を俺に丸投げしたいのだろう。

俺が彼に目を合わせようとした事に気づいたら急いで目を逸らしやがった!

俺は小さく溜息を吐き、


「アレクサの終の住処に相応わしい建物を建てるようにするよ」

「おぉ、それは素晴らしい!きっと国民の多くが参拝しに来るでしょう!」


ディオドトス王やその側近たちは王都内にアレクサが居を構える事に浮き足立っているのだが、これってエレン騎士団の建物だよ……と心の中で呟く。

参拝者が集まったらそれこそ仕事にならないしアレクサも住みにくくなるだろうに。

そんなこんなでこの日の挨拶などを終える事になった。

そして数日。

王城と冒険者ギルドの中間の場所にあった王国貴族たちの住居はアレクサの住居になると言う事で挙って寄進がったあった様で数区画分と言う広大な土地が更地になっていた。

住居地の横には小川が流れており、そこに糞尿が流れるのだろう少し臭う。

臭いは魔法でどうとでもできる事もあり、俺たちはその場所を譲り受ける事にし、早速、建物を建てる事にした。


「エルフの街にあった建物がいいよな」

「ねぇ、それならハーフティンバー様式の建物にしたらどう?」


こんな元世界の話しをするのは当然ながらタミレだ。

ハーフティンバー様式は柱や梁、筋交などの木材を剥き出しの状態で、その間に石、煉瓦、漆喰などで壁とした半木造建築だ。

これならば自然思考の強いエルフたちも受け入れやすいだろうし、ゴシック建築で建てられた王城とは違い荘厳さはあまりないのでそう言った面でも良いだろう。


「そうだね。ハーフティンバー様式にしようか……一応、建築予定のミニチュアを作ってみようか」


エレン、ノルン、マヨルカそしてアレクサたちはハーフティンバー様式と言っても元世界の建築様式など知る由もない。

俺は、土地や周辺の様々な鑑定結果から邸宅の設計を行いそれを元にミニチュアの邸宅を作ってみた。

屋根を取り外し可能にし、屋内も見られるようにしたものだ。

騎士団の拠点という事もあり1階には受付や応接室、執務室なども配置し家具なども設置済みにしてある。

細かなところを見れば、家具はチューダー様式で家具の表面には朝浮き彫りと言う凹凸を控えめにした彫刻が彫られている。


「エクバタナの拠点とは随分と雰囲気が違うわね」

「まぁ、向こうは石造りの建物でこちらは半木造だからね」


エレンは模型を見て気に入ったようだ。


「これ……貴族の女の子向けのお人形の家にして販売したら……」


タミレは邸宅の出来よりはむしろミニチュア邸宅の販路を考え始めたようで、そこはさすがミグロホリクムの会頭だなと感心する。


「妾は主人様と住めるならどんな場所でも良いのじゃ」

「私も同じ意見ですが……この邸宅は素敵だと思います!」

「よし。それならこれで創ろうか!」


土地全体の鑑定結果から最適な配置を決め土台から創り始める。

劣化のない神鋼で杭をうち、その上に頑丈な基礎を創る。

そして太さ1メートルほどの神木を柱にし、柱の間を神界で採取した土で焼き上げたレンガで腰窓までの壁を、それ以上は神界の白石で壁を創っていく。

内壁との間や床の下には真空断熱材を敷き詰めていく。

エクバタナの地下室と同じように壁の中心は10センチ幅の神鋼にしてカーリス教の神官たちから神力を感知されないようにして、敷地を囲うように高さ5メートルほどの石壁を設置した。

これで貴族街にある邸宅らしくなった。

門扉には衛士詰所なども創り、邸宅などには種々の付与魔法を施して完成だ。

次いで小川の浄化。

敷地に隣接する範囲で浄化施設を数カ所設置し臭いを出さないようにしていくのだが、これだけでも周囲を覆っていた臭気が随分とマシになる。


「やっぱり臭いがない方がいいのじゃ!」

「そりゃあそうだよ。まだ臭いが残っているから敷地内に結界を張って……石壁に沿って敷地内は常時空気清浄化が行われるように付与も行なってみるか」


これで敷地内の空気は清浄な空間となる。


「次いでだからここをミグロホリクムのバクトラ支部にでもするか?」

「えっ?いいの?」

「どうせ俺たちがエクバタナに戻ったらここはアレクサしか居ないからね。次いでにこの間護衛依頼を受けたオクトロス商会と提携を結べばここでも収益が上がるんじゃないか?」


虚空庫経由であればエクバタナで手に入れた商品をバクトラにいるアレクサを通して受け取る事ができる。

それならば生鮮食品でさえ鮮度を保ったまま互いの地で売り買いできるのだ。


「確か遠距離通信も可能になったのよね?」

「ああ。画像と音声を双方向で送受信できるようになったから、それもここに設置しようかと思うんだ」

「できたらスマートフォンみたいなのがあればもっと便利なんだけど……贅沢は言わないわ!」

「そんなものがあったら時間に追われるようになるからなぁ」


将来的にはスマートフォンのように携帯端末を開発しても良さそうだけど、まだそこまで必要性を感じないので虚空庫の中で地道に開発する事にしている。

結局、オクストロ商会とミグロホリクムは提携する事になり、ここにはホムンクルス100体ほどを常駐させて騎士団とミグロホリクムの業務を兼務させ、バクトゥーリア王国内の流通・通信網を構築した。

次いでに、帝国の帝都と6領都、並びに35都市のカジ家別邸やレマイオス王国王都テーベ、魔族の国であるパルティア王国王都エクバロス、そして獣人小国群の首都であるガラティアなどにもホムンクルスを派遣して大陸全土を網羅する流通・通信網を完成させようかな。


お読み下さり誠にありがとうございます。

今回の話はいかがでしたでしょうか?

宜しければ感想・ブクマ・評価を頂けると嬉しく思います。


これからも少しでも楽しんで貰えるよう頑張っていきたいと思います。

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