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W異世界転生!?  作者: さくら
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悪役令嬢も転生したってよ3

メアリーにお見舞いが来た場合。



朝から倒れた後目を覚ますとちょうどお母様が部屋にやってきました。


「あら、今ねちょうどまりあちゃんのお見舞いにお友達が来てくれてるのよ!お部屋にあがてもらうわね!それとお腹はすいてない?今お友達のおやつと一緒にお粥を温めてくるわね!!」


お友達?あぁ中身が私になっていることは隠した方がいいのかしら?それとも話して助けてもらった方がいいのかしら?


「失礼します…」


お友達は随分と個性的な方たちでした。眼鏡をかけた線の細い女性と部屋に入ってきた時に若干威圧感を感じるほど背の高い男性と小太りのくせっ毛の男性は誰も俯いたまま顔をあげません。


「あの、面会に来て頂いたのに恐縮なのですがどちら様でしょうか?」

「あっ!すみません!!私、石田絵里ですっごめんなさい!」

「…松本彰」

「工藤葵ですっ!」


「お名前を教えてくださってどうもありがとうございます。それから謝罪していただかなくても大丈夫ですわよ?」

「いいえ!!そんな訳には行きません!!!私達4人はいつもローテーションのようにいじめにあっていましたが…こんな風に大怪我するような事が起きるならもっと早くに大人に相談するなりするべきでした!!!」

「どういうことですの?私は学園内でいじめに遭い故意的に怪我をさせられましたの?貴女、確かあの日ベッドの脇で泣いていましたわね?」


3人は私をまじまじと見つめコソコソと話をし始め、また石田さんが意を決したように話しかけて来ようとした瞬間


「お待ちどうさま!!まりあちゃんのお友達が来るなんて初めてでお母さん張り切っちゃった!さぁゆっくりして行ってね!」


お盆に山盛りのお皿とグラスと不思議な容器に入ったオレンジジュースを器用に載せてお母様が入ってくると机に置き嵐のように去っていく…今すごい大事なところでしたのよ?それよりもと山盛りにされているチョコのようなものと薄い黄色っぽいものは見たことがありませんがこれがこの世界のお菓子なのでしょうか?


「ねぇ、もしかして事故の影響で佐々木さん記憶がないの?」

「えぇそのようですわ。」

「じゃあなんでそんな貴族みたいな話し方なんだ?記憶がなくなったとしても人格まで変わるのか?」


…このノッポ意外に鋭いですわね。変に取り繕ってもきっと苦しいだけでしょうし友人ならば話してもいいかもしれませんわね。


「私の名前はメアリー・ローズ・アシュビー。プロテア王国の公爵の娘でしたが、少し面倒に巻き込まれ目が覚めたらここにおりました。」


たっぷり10秒間3人から見つめられるところを見るとやはり時期尚早でしたかね。工藤さんがシャツの胸ポケットから薄い四角い板を取り出すと徐に表面をいじり始めました。


「それは在りえない。それは乙女ゲームの世界の話だ。あっちの世界に転生した系の話ならよく小説や漫画になってて知ってるけど逆は聞いたことすらないよ。」


画面にはあのお騒がせ令嬢を中心にエドワード様、ロナルド様、ダニエル様、フィリップ様の姿絵が映し出されています。どうなってるのでしょうこの板。


「この男は部屋のポスターの男と一緒だ。頭を打って勘違いしているだけじゃないのか?」

松本さんが訝し気にこちらを睨んできます。あら、ちゃんと顔を見たらそこそこ整っているじゃありませんかもったいない。


「乙女ゲームがどういったものなのか私にはわかりませんが、嘘はついておりません。第一この世界で生まれ育ったとしたら階段から落ちた故の記憶喪失なら日常生活に問題はない筈です。ですが、私にはこの部屋のポスターの材質も嫌に明るい照明器具も人が映って動く板もここにあるお菓子と呼ばれたものにも記憶がございません。」


男性陣二人が呆気に取られている隣で一人顔を輝かせている石田さん。ちょっとその初めて珍獣を見た動物学者みたいな顔をするのはやめてちょうだい。



「これは奇跡です!!!うわぁすごい!!私、生活が滞りなく送れるようにお助けしたいです!」

「まぁ!本当?ならお願い致しますわ!まずこの板は何なのですの?」

「これはスマートフォンと言って…うーんと手紙のやり取りや写真と言って今目に映るものをそのまま画像として残す機能や友達や家族といつでもお話しできる電話と知りたいものを調べればほぼ必ず答えを教えてくれる機能。他にも色々な機能がこの一台に入っております!」

「まぁなんて素晴らしいの!!」

「ちょっと待ってください!!!!あなたは悪役令嬢だ!!!つまりいじめをしていた側がいじめられる側になったとして何故助けなくちゃいけないんだ!!!因果応報だろう?」

スマートフォンの素晴らしさに感動している私に向けられた軽蔑の眼差し。



「いじめなどしたことありませんわよ?」

「嘘だ!!!!ヒロインに嫉妬していじめてたんだろう?」

「いいえ、嫉妬する要素がまずございません。名門公爵の娘で王太子の婚約者ですよ?彼女は愛妾か側室にはなれても王妃にはなれません。つまり私の敵にもなりようがございません。噂が飛び交っているのは確かに聞きましたが。」

「悪い噂だって言われる方は地獄なんだぞ!!!!」

「そう言われましても私達の世界や貴族の社交に噂は必要不可欠ですので…その噂を聞いて事実確認をしてどちらの家に就くかは家や領民を守るためには必要不可欠ですし…」

「もうやめておけ工藤。それから佐々木は夏休みが明けるまで学校に来るな。」

感情的になる工藤さんを宥めながら松本さんは男はそろそろ行くぞと部屋を出て行かれました。その後を石田さんが追いかけすぐにまた部屋に戻ってきました。


「今二人の連絡先聞いてきたのでグループチャット作りますね!佐々木さんのスマホちょっとお借りしますね!」


枕脇に紐が刺さったままの私のスマートフォンを手に取るとふむふむと言いながら何やら弄り始めた彼女はようやく顔をあげたと思うと操作の仕方を教えてくれその後はお菓子について説明してくれ気が付くと日は暮れていました。


「あ、もうこんな時間!!帰らないと!!長々とごめんなさい!!」

「いえ、こちらこそありがとうございました。貴女がお友達でよかったわ。」


石田さんは目を見開くとぼろぼろと涙を流し

「嬉しい!私友達いたことなかったのに…やっと友達が出来たなんて!!!!」

満面の笑顔で喜ぶ石田さん。

「え?今までずっと私達はお友達だったから今日来てくださったんじゃないんですの?」

「え?違いますよ!今まで一度も私達喋ったことすらなかったですよ!今回の事件でついに命の危機を感じたので仲間になれたらいいなと思って今日来ただけで!」


…返して私の信頼。友達だと思ったから話したのに。まぁ今日からお友達でもいいでしょう。


神様、なんか波乱万丈の予感しかしません。






思ったより会話が多くなってしまいました。。。

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