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セレブガール・ミーツ・ボーイ その7

と、そのような出逢いではありましたが、彼の魅力は本物です。たとえ彼の家が下流だとしても、私が彼をそこから救い出せばいいのだと思いました。


「ああ~、ヒロ坊く~ん♡」


家に帰ってからも彼のことを思い出すと自分の部屋で見悶えてしまいます。


「そうだ! 彼の写真を貼ろう」


それまではシンプルで清潔なのが一番と壁には何も貼ったりしていなかったのですが、なぜか突然、その余白がひどく無駄に思えて、そこを彼の写真で埋め尽くすことを思い付いてしまいました。


「今度から写真を撮らせていただきましょう…!」




気軽に写真を撮らせていただく為にも、早く親しくならないといけません。そう思い、イチコの家に行くたびに高級和菓子を持っていったのですが、先にも述べた通り飽きられてしまったらしく、しかしだからといってスナック菓子ばかりというのでは彼の家の方針ともそぐわないと感じ、自重させていただきました。


そこで次に私は、玩具(おもちゃ)をプレゼントすることにしたのです。


『でも、男の子にはどういうものが好まれるのでしょうか…?』


決めたはいいけれど、あまりそういうことに詳しくなかった私は、大手トイショップに出向き、店員に、


「小学四年生の男の子へのプレゼントにはどういうものが相応しいでしょうか?」


と問い掛けます。


すると若い女性店員が、


「そうですね。最近ではこういうハイテクベーゴマやケン玉、カードゲームなどが好まれるでしょう。もしくはこちらのミニカーのセットや、合体ロボットもやはり定番だと思います」


と紹介してくれましたので、その中で、箱も大きく見た目にも立派でインパクトがありそうな合体ロボットのセットを選んだのでした。


「では、こちらをラッピングしてください」


そうして次にイチコの家の訪れた時に、


「はい、これどうぞ♡」


と、綺麗にラッピングされたそれを彼に差し出しました。


「うわあ♡」


包みをはがして現れた合体ロボットに、彼の目がキラキラと輝き、


「ありがとう!、ピカちゃん♡」


って、全身で喜びを表してくれました。


その様子に、私の方もメロメロになってしまいます。


これほどまで喜んでいただけるのなら、お小遣いをいくらつぎ込んでも惜しくありません。


そして私は、イチコの家に行くたびに玩具をプレゼントに持って行きました。


でも、夏休み明けにはカナの誕生日もあります。イチコの誕生日は親しくなる前に終わってしまっていたのでお祝いできませんでしたが、カナ、フミと立て続けに誕生日が来ますので、ちゃんとプレゼントも用意させていただきます。



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