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進捗状況

学校が始まり正月気分も完全に抜けると、私も通常に戻ります。


学校にいる間も、玲那さんの<声>を取り戻すための研究に協力していただいている企業とも連絡を取り合い、開発の進捗状況を確認しました。


本命の技術についてはまだまだ基礎研究に近い状態ですが、スマホの<テキスト読み上げアプリ>については順調にバージョンを重ね、山下家の方々に提供させていただいています。


最新のバージョンでは、メッセージアプリと連動し、指定した方からのメッセージを自動的に音声に変換できるようになりました。


従来のものでは、テキストを入力したスマホでしか読み上げられなかったものが、メッセージを送った先のスマホにこのアプリがインストールされていれば、そこから音声が聞こえるというわけです。


これなら、まるで電話で話をするように会話ができるでしょう。かなり日常的なそれに近付くのではないでしょうか?


同時に、現在は合成音で読み上げているそれを、玲那さんの肉声を基にした音声に差し替え、より自然なものを目指しています。


幸い、玲那さんの肉声が入った動画なども大量に提供していただけていますので、そこから抽出することで可能となるでしょう。


ご本人の肉声が直接サンプリングできればそれに越したことはないものの、今では叶いません。となれば、あるものから作り上げていくしかないのです。


「これ、いいね! マジで電話してる感じじゃん!」


新しいアプリを届けさせていただいてそれを試した玲那さんが、そのように喜んでくださいました。


「ありがとうございます」


山下さんと絵里奈さんも、深々と頭を下げて感謝の言葉を発してくださいます。


ですが私としては、


「いえ、これはまだまだ初歩の初歩。近々、玲那さんご自身の肉声を再現した読み上げアプリも提供させていただけると思いますので、どうぞご期待ください」


と申し上げさせていただきます。


なお、この開発にかかる費用につきましては、ここから得られたノウハウを、協力していただいている企業の商品開発に提供するという形で賄わせていただいています。実際、それを基にした商品の開発も進んでいます。企業としては、そのためのテストを外注に出している形と言えるでしょうか。


その外注費として支払われるものを、そのまま開発費に充てているということですね。


加えて、商品として売りに出された際の利益は全て企業側のものとする形でも合意ができています。


こちらはマージンをいただきません。


それがもしヒット商品となれば、企業にはすべて利益となるのです。



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